テレ朝通りにある「欅くろさわ」と、TSUTAYA TOKYO ROPPONGIの裏手にある「饂飩くろさわ」は、"居心地がいい""おそばやうどんがおいしい"と「六本木と人」に登場した人たちも太鼓判を押す人気の系列店。かねてから気になっていたこの2店舗のうち、今回は「欅くろさわ」さんにお邪魔してきました。
うかがったのは、夜7時。純和風の店構え、のれんたなびくエントランスに期待が高まります。......と同時に、こういうちょっと落ち着いたお店にひとりで入ることはなかなかないため、やや緊張しつつドアをオープン。
時間が早めだったにもかかわらず、すでにお客さんの姿がチラホラ。店内は想像していたよりもずっと親しみやすい雰囲気で、壁のあちこちに映画にまつわるものが飾られています。
階段の踊り場には、黒沢監督最後の時代劇作品「乱」のポスターが。
板前さんが腕を振るうカウンター奥には、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「影武者」をモチーフにした絵画も。店長の遠藤さんによれば、「黒澤明監督の台所や好きな食材をテーマにしたお店」なのだそうです。
おすすめは店内でそば粉を挽いて打つおそば、夜はお酒とともに和の料理を楽しめるとのこと。「外国人のお客様もよくいらっしゃいますし、接待でご利用いただくことも多いですね」と教えてくれました。
なごやかな雰囲気に緊張もやわらぎ、調子に乗って「じゃ、じゃあ、この『くろさわ』っていうお酒を!」と、ふだんはまず飲まない日本酒(900円)と、牛すじポン酢(700円)、そしておそば(1000円)を注文(※価格は税抜き)。
牛すじを肴に、オリジナルのかわいいおちょこでチビチビやっていると、まるで自分が、酸いも甘いも噛み分けるオトナの男になったかのような錯覚を覚えました(こういうのやってみたかった......)。
そして、頃合いを見計らって運ばれてきたのは、こちらの「おろし」。わさびの代わりに薬味として添えられた辛味大根をつゆに入れてそばをすすると......。
爽やかな辛みがそばとつゆの味を引き立てて、これは新しい美味しさ! マンガ『美味しんぼ』の海原雄山さながらに衝撃を味わいつつ(実際に辛味大根のそばが作品に登場するんです)、そば湯で締め。
おそばや天ぷらをはじめ、旬の食材を使った惣菜などのメニューも豊富で、カウンターやテーブル席に加え2階には個室も。深夜まで営業しているので、オトナな気分に浸りたいときに訪れてみてはいかがでしょうか。
「欅くろさわ」
住所:東京都港区西麻布3-2-15 藤田萬年堂ビル
TEL:03-5775-9638
営業時間:11:30~15:00(L.O.14:30)/18:00~27:00(L.O.26:00)
定休日:日曜
URL:http://9638.net/keyaki/
編集部 飯塚