先日、第7回となる六本木デザイン&アートツアーが開催されました。今回のツアーは、建築家・光嶋裕介さんが、六本木未来会議読者のみなさんと散歩しながら、安藤忠雄さん設計の21_21 DESIGN SIGHTや、黒川紀章さんによる国立新美術館など、六本木の建築を解説していくという内容。
よく晴れた土曜日の昼下がり、まさにお散歩日和となった当日の様子をお伝えします!
ガイドを務めていただいた光嶋裕介さんは、ドイツの建築事務所勤務を経て帰国後独立し、初仕事としてベストセラー作家・内田樹さんの邸宅兼道場「凱風館」を手がけた方。その過程は「ほぼ日刊イトイ新聞」に連載され、著書『みんなの家。建築家一年生の初仕事』としてまとめられています。
また、光嶋さんは、学生時代からヨーロッパ各国を旅しては、名建築を訪ねてスケッチやドローイングを重ねています。
「どうもモレスキンのスケッチブックじゃないとしっくりこないんですよね」と言いながら、ツアー前の打ち合わせ時にも、スケッチブックをさりげなく見せてくれました。絵は、1枚わずか10分ほどで描き上げるということでしたが、その迫力は写真以上!
今回のツアーは、参加者のみなさんにインカムを付けてもらって、光嶋さんが語る街づくりや建築についてのお話を聞きながら、街を散歩するスタイル。「ついつい辛口になってしまうんですが、記事では柔らかく書いてくださいね(笑)」と光嶋さん。
人通りの多い六本木通りを並んで歩いたり......
細い裏路地を抜けたり......(六本木にもこんな場所があるんです!)
迫力のあるファサードが印象的なルイ・ヴィトンの路面店を眺めたりして......
たどり着いたのが、国際文化会館のティーラウンジ。およそ1時間の散歩で体温が上がったのか、みなさん冷たいドリンクをオーダーしていました。
午後の柔らかい日差しの中、光嶋さんのスケッチブックを見たり、飲み物を飲んだり、リラックスした雰囲気のなか建築トークは続きます。
予定されていた時間が過ぎたあとも、参加者と熱心に話し込む光嶋さん。こんなに近い距離で、クリエイターと話ができる機会なんて、そうそうありませんよね。
ツアー終了後、ともに公務員として土木や都市計画に携わっているという、ご夫婦に話を聞いてみました。光嶋さんと話し込んでいましたが、どんなことを話していたんですか?
「光嶋さんはドイツと日本、両方の建築業界を知っている方。その違いをぜひ聞いてみたくて、質問をぶつけてみました。ヨーロッパでは景観を守るという住民の総意があるので、建築家の地位も比較的高いのではないか、とおっしゃっていましたね。僕たちの仕事にも関わる建築家の見方がわかって、とても面白かったです」
建築も街歩きもどちらも好きなので、ぴったりの企画だったというお二人。当日のツアーレポートは2月5日(水)に公開予定、六本木の街を舞台にどんな建築談話が繰り広げられたのか、どうぞお楽しみに。
編集部 飯塚