昨年の12月18日、21_21 DESIGN SIGHTで開催されている「日本のデザインミュージアム実現にむけて展」のギャラリーツアーが行われました。案内役は、佐藤卓さんや深澤直人さんとともに同展を企画した、デザインジャーナリストの森山明子さん。
「日本のデザインミュージアム実現にむけて展」とは、21_21 DESIGN SIGHTが開館して以来、開催された23の企画展を再構成して、日本にはいまだ総合的なものとしては存在しない21世紀のデザインミュージアムの役割を考えていくというもの。
2007年に行われた第1回企画展「チョコレート展」から、行列ができるほど話題を集めた2013年の「デザインあ展」、最新の「カラーハンティング展」まで、これまで開催されたすべての展示をダイジェストで体験できる、お得な展覧会なんです。
「私、大学教授ですので、放っておくと90分間しゃべってしまいます(笑)」
ふだん武蔵野美術大学で教鞭をとる森山さんの、こんな言葉からスタートしたツアーは、まさに大学の講義のよう(時間はちょっと短めの60分間でしたが)。
「『デザインあ展』の入場者数は、2003年に東京都現代美術館で行われたスタジオジブリ展と同じ。こういうの知っておくと自慢できますよ!」など、解説の合間に小ネタ(森山さん曰く"トリビア")を織り交ぜながら、聴き応えのある"講義"が展開されました。
当日はあいにく雨天だったものの、多くの人がツアーに参加。ちょうど東京ミッドタウンのイルミネーションも真っ盛りということもあり、カップルで参加している方もちらほら......。ちなみに森山さんの赤い帽子も、クリスマスを意識したコーディネートだそうです(笑)。
ツアー終了後に、参加者の方に感想を聞いてみました。ちなみに写真の背景は、お二人が気になったという、山中俊治さんディレクション「骨展」のブース。
「ミッドタウンのイルミネーションについてネットを調べていて、たまたまこのツアーを見つけて参加しました。こんなにたくさんの展覧会やデザインを一度に見るのは初めて。自分にはない、いろいろな人の考え方に触れられて面白かったです」
「大学でデザイン史の講義をとっていたことがあるんです。今日感じたのは、教科書に載っているものだけがデザインじゃないんだ、ということ。実際に展示を見ながら解説を聞くのが楽しくて、これからのデザインがどう変わっていくかということに、すごく興味をもちました」
編集部はさらに、森山さんに追加インタビューもさせていただきました。ツアーとこちらの"補講"の様子は、来週1月15日(水)の公開。トリビアたっぷりの展示解説や、海外から見た日本のデザイン、未来のデザインミュージアムの構想などなど、盛りだくさんでお届けします。どうぞお楽しみに。
編集部 飯塚