都市や建物をまるでミニチュア模型のように撮影した作品で知られる、フォトグラファーの本城直季さん。作品集『small planet』で、第32回木村伊兵衛賞を受賞するなど、独創的な視点で切り取られた写真は高い評価を得ています。そんな本城さんと一緒に六本木の街を歩きながらお話をうかがう、第2回六本木デザイン&アートツアーが8月25日に行われました。
テーマは「六本木ロケハン散歩」、抽選で選ばれた未来会議読者へのあいさつのあと、いよいよツアーはスタート。この日はあいにく雨天でしたが、カメラを持った本城さんと読者の方々が、傘をさしながら雨の街をパチャパチャと散歩する姿はどこか楽しげ。東京ミッドタウン近くの港区立檜町公園や、本城さんが「ぜひ見てみたい」と言っていた穴場スポットなどを、時折立ち止まって眺めたり、輪になって話をしたり、30分ほどかけて歩きました。
ちょうど先日、東京ミッドタウンから見える風景を撮影したという本城さん。ビルを見上げながら、作品を撮る際の高さや、撮影場所の見つけ方など、そのポイントについて語ってくれました。話を聞いていると撮影に至る手順や考え方がよくわかり、本当に「ロケハン」をしている気分に。
散歩のあとは、眺めのいいミッドタウンのミーティングルームに移動して、大型モニターに映し出される作品の数々を、ご自身に解説していただきました。
本城さんがふだん使用しているパソコンをつないだのですが、画面には、興味深いタイトルのフォルダがたくさん。司会のスタッフが中身を尋ねると、あれやこれやと、未発表の作品まで見せてもらえることに!
撮影した背景や意図を聞きながら見ていると、作品がいっそう身近に、そして魅力的に感じられるから不思議です。「人前で話をするのは苦手」と言いつつ、参加者全員からの質問にも、一つひとつ丁寧に答えてくれる本城さん。終始リラックスした雰囲気が漂う、すてきなツアーになりました。
ツアー終了後、参加者の方にお話を聞いてみると、みなさん、クリエイターと交流する貴重な機会を楽しんでいたようです。
「街を歩きながら写真を撮るのが面白かったですね。私は地元で写真のウェブサイトをやっているんですが、ヒントになる言葉をたくさん聞けました」
そう語るのは、なんと山口県から参加した20代の男性。ツアー中もたくさんシャッターを切っていました。
初対面ながら、このツアーを通して仲良くなったという女性2名は、こんなことを話してくれました。
「実は本城さんは大学の先輩。当時から面白い写真を撮っていましたが、有名になってからは会う機会がなくて。まさかこんな形で再会できるとは(笑)」
「うらやましい! 私にとって、本城さんは憧れの存在です。写真集に掲載されていない写真も見せてもらえて、すごくうれしかった」
ツアーの詳しい様子は、近日公開予定。雨のロケハン散歩の様子、本城さん自ら語る作品についてのエピソードや裏話まで、盛りだくさんでお届けします! どうぞお楽しみに。
編集部 飯塚