先日、待ちに待った「アメリカン・ポップ・アート」展のプレス内覧会に行ってまいりました。
アーティストたちが身の回りにある大量生産の商品やそれらに囲まれた日常生活を題材とした作品を生み出すポップ・アートはアメリカにおいて花開き、1960年以降現在に至るまで美術や文化に様々な影響を与えてきました。
こちらの展覧会ではポップ・アートが世に評価される以前からその価値を見抜き、またパトロンとして作家を直接評価することによってアート・シーンに大きく貢献した、ジョン・アンド・キミコ・パワーズ夫妻のコレクションからアメリカン・ポップ・アートを総合的に紹介する、本国アメリカ合衆国の美術館でも実現していないとても貴重な展覧会です。
プレス内覧会にはキミコ・パワーズさんもいらっしゃっており直接お話しを伺うことができました。まず、プレス内覧会が開始されると、国立新美術館副館長の南さんから今回の展覧会についてのお話がありました。
「今回、ポップ・アートの名がついた展覧会は国立では初めてのことになります。パワーズご夫妻所蔵の貴重な作品を公開していますが、どれも現場でコレクションされたものが多く、アンディ・ウォーホルのキャンベル・スープ缶シリーズは、通常、大きなサイズでの作品がなく、今回展示しているものが中でも一番大きいです。」
次に場所を展示室に移しました。アンディ・ウォーホルの作品《200個のキャンベル・スープ缶》の前でキミコ・パワーズさんのお話を伺います。
お話の中で、キミコ・パワーズさんからの展覧会にいらっしゃる方へのメッセージをいただきました。「ポップ・アートを通じて、私がアメリカで感じている幸せな気持ちを是非皆さんにも感じていただきたい。特にお子さまに見てほしいです。」
展覧会を見ていて感じたことですが、今回の目玉は、やはりアンディ・ウォーホルの最高傑作"200個のキャンベル・スープ缶"。アメリカの大量消費社会を表現したと言われるこちらの作品ですが、すべて手書きで書かれているそう。よくみると、スープ缶1つ1つが微妙に違っていたりいろんな発見があります。
展示風景はこんな感じです。
カラフルでとても目立っていたのは、アンディ・ウォーホルのポートレート作品。《キミコ・パワーズ》や《マリリン・モンロー》、《マオ(毛沢東)》など多くのポートレート作品がありますが、すべてはシルクスクリーンという技法を用いて作成されています。こちらも全て色違いなのかと思いきや、微妙に唇の形などが違ったり全てまったく同じではありません。見れば見るほど奥が深い作品ですね。
冒頭でポップ・アートはアーティストたちが大量生産の商品やそれらに囲まれた日常生活を題材とした作品を生み出すものだと説明しましたが、《マリリン・モンロー》という作品は、マリリン・モンローが"メディア"に大量消費されている様子を表現しており、どこか哀しげな印象がありました。
カラフルな色使いが、アートも文化に多大に影響されるのだな、と再認識させてくれました。展覧会は10月21日(日)までですので、是非、アメリカ文化をアートを通じて体感できる本展覧会に足をお運びください。
【展覧会名】
アメリカン・ポップ・アート展
【会期】
2013年8月7日(水)~10月21日(月)
毎週火曜日休館
【開館時間】
10:00~18:00 金曜日は20:00まで
入場は閉館の30分前まで。
【会場】
国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
【主催】
国立新美術館、TBS、読売新聞社、
【助成】
アメリカ大使館
【協力】
日本貨物航空、日本通運、ユナイテッド航空、キャンベルジャパン、BS-TBS、J-WAVE
【観覧料】
一般:1500円、大学生:1200円、高校生:800円、中学生以下無料
【展覧会ホームページ】
http://www.tbs.co.jp/american-pop-art2013/