「この暑さ、新記録なんでしょう? 暑いのは嫌だけど、新記録はなんかうれしいよねぇ」と言いながら現れたのは、クリエイティブディレクターの箭内道彦さん。今回のブログでは、梅雨が明けたばかりの7月半ばに行われた、箭内さんの取材の様子をお届けします。
実は、このスケジュールが確定したのは、取材2日前のこと。「六本木の抱える課題と、それを解決するアイデアをお願いします」というこちらの要望に対し、出てきたテーマは「六本木と平和」。時間もなく、それ以上話を詰めることができなかったため、不安だらけのスタートだったのですが、さすがは箭内さん。当日はバッチリ、具体的なアイデアへと落とし込んでくださいました。
内容は本編を読んでいただくとして、ここでは残念ながら入れられなかった「クリエイティブ姓名判断」の話を少し。「クリエイティブ姓名判断」とは、箭内さんが以前から研究している理論で、すべての音(おん)は「クリエイティブ音」と「アイドル音」に分かれるというもの。
ちなみに、クリエイティブ音は「た行・か行・ら行・さ行/濁点など」、アイドル音は「な行・は行・ま行・や行・わ行」に属する音。ヒット商品やエッジの立った人にはクリエイティブ音が多く使われ、一方、アイドル音は人を癒してくれるのだそうです。本当はもっと細かい分析がありますので、興味のある方はこちらを。
こんな話になったのは、「六本木」というワードの中に、クリエイティブ音がとても多いことに気づいたから。箭内さん曰く「六本木という音は、ものすごく強い」とのこと。そしてもう一言、「ギロッポンはさらに強い。相当な覚悟がないと発音できませんよ(笑)」とも。
もちろん、どちらの音がいい悪いというのではありません。ただ、注意しなければならないこともある、と箭内さん。「クリエイティブ音が強すぎると、孤高の人になってしまう。そういう意味では六本木も、やさしさとか愛が欠如しがちなのかもしれません。クールでシャープでクリエイティブだけど、冷たい街になってしまう可能性もありますね」
さて今回、箭内さんが出した「六本木を平和の街にする」具体的なアイデアとは? それは、六本木に、人と人とのつながりや温かさを与えてくれるステキなものでした。
ちなみにミッドタウン・ガーデンのベンチでの撮影では、平和の象徴でもある、あのポーズを。ベンチへの移動中、カメラマンの鍵岡さんが「広告の仕事って、すごく大変なんじゃないですか?」と話を振ったときのことです。
「いやいや、葛藤ゼロ。オレら楽しいだけだもん、な?」
と、マネージャーさんと笑いあう箭内さん。撮影中もポーズの注文に、「そんなのやらないよ!(笑)」と言いつつ、しっかり要望に応えてくれるなど、最初から最後までスタッフ一同笑いっぱなし。箭内さんのつくる広告やプロジェクトが、たくさんの人から支持されるのは、きっとご自身が楽しんで仕事をしているからだと感じました。
そんな箭内さんのインタビュー本編は、8月21日(水)公開予定です。ぜひご覧ください。
編集部 井上健太郎