ミラノ2日目(初日のレポートはコチラから。)
本日はミラノサローネの根幹ともいえるメインイベントが行われる、フィエラ会場へ。
フィエラまでは、街の中心から車で30分程度。初日の本日は多くの人手が予想されたため、開場時間である9:30を目指して出発。チケットブースの前はすでに多くの人で活気づいていました。
プレスとして参加したのですが、「プレスは入口が南口です」とのこと。徒歩で向かおうとすると、時間がかかるので、車で行きましょうとのこと。広いとは聞いていたものの、その大きさは予想を超えていました。
南口に到着しましたが、入口までも70メートルくらいあります。
プレスエントランスもオープンを待つ人ごみでごったがえしています。国際見本市ということもあり、欧州からはもちろん、アジア系、南米系など、様々な言語が飛び交っています。さながら国際空港のロビーのよう。
それにしても、すごい人です(写真奥は入場で並んでいる人々)。
まずはプレスオフィスに立寄り、最新情報を入手します。
この見本市に出展している企業のリストがまとまった冊子を手に入れました。135ページ、分厚い・・・。
いよいよ展示会場へ。
この会場の大きさについては、「とにかく大きい」と聞いていましたが、想像をはるかに超えていました。総展示面積は530,000㎡。日本最大の展示面積を誇る東京ビックサイトの6.5倍(巨大!!)。
今年の出展者は2,025、サテリテと呼ばれる部分をあわせると、プラス700。それぞれ、インテリア小物、キッチン、オフィス、バスルームのエリアにわかれていて、あわせて、その年ごとに特別展示が企画されています。
2013年は、4月9日(火)から4月14日(土)の開催。基本的にはインテリア業界の人のみが入場できますが、4/13、4/14 のみ一般の方も入ることができます。後ほど紹介する、若手デザイナーの出展ブースである、「サテリテ会場」は、全期間を通じて、誰でも無料で入ることができます(サテリテ以外の会場は有料で、23ユーロ)。
今年の特別展示はオフィス家具と照明。早速オフィス家具会場へ。2年に一度のオフィス家具見本市は、106社がイタリア国内外から参加。1万㎡以上のエリアで展開します。
スペースがゆったりとられていますが、一番混雑する日は通路もいっぱいになるそうです。
この今年注目のオフィス家具エリアでも最も話題となっていたのが、フランス人建築家ジャン・ヌーベル氏が手がけた「生活のためのオフィスプロジェクト」の展示。
オープン前から多くのプレスが待機。展示関係者が登場するとこんな感じに。とにかくすごく注目が高いエリア。
そもそも家で過ごす時間よりオフィスで過ごす時間のほうが長く、働くということは生きることの一部なのです、と語るヌーベルさんが、「生活を楽しむ」というコンセプトのもと、5つのシチュエーションを設定して、オフィスエリアの提案をしています。
モデルルームのように、単に質の高い家具を並べた展示ではなく、働くことが大部分を占める生活に幸せをもたらすような、そして、インスピレーションが湧いてくるような、そんな日常空間がデザイナーを取り巻く環境には必要だと考えて展示計画をしたそうです。実際、仕事と生活を完全にわける形でつくっている今のオフィスのあり方は古くなってきている、というメッセージもこめているそう。
一番印象的だったのは、倉庫をオフィスにする展示。広い空間を自由にアレンジできるので、デザインのやり方のバリエーションも自由とのこと。
都心の小さなアパートの一室をオフィスにする提案もありました。これは、東京のような場所では参考になりそうです。
そして同エリアに、「サテリテ」とよばれる、誰でも無料で入ることができる、若手デザイナーたちの出展エリアがあったので、こちらもチェック。期間中、出展するには、一区画につき、2500ユーロ(約30万円)を支払うそうですが、この期間、業界の人が一斉に集まってくるので、出展メリットはかなり大きい、と話しかけた方が教えてくれました。
そして、この区画も気になりました。デザイナー×家具メーカーのオフィスインテリア提案の区画。
入場から1時間半。これで見られたのは、会場全体の10分の1程度。何度もお伝えするようですが、本当に広い!
最後に、このフィエラ会場での見本市がミラノサローネの根幹をなす、ということについて少し考えてみました。本会場には期間中、30万人を超える人がやってきます。その中で、今回のレポートのように、展示として内容をとらえている人は、最後の2日間で訪れる一般の人は多いかもしれませんが、前半の来場の大部分の人は、ビジネスをしにきているのです。
自分の会社の製品を売りたいメーカーさん。それを買い付けたいバイヤーさん。その2者を結ぶ大会場がここ、フィエラなのです。とにかく、目的がはっきりしている人たちが、一気にここに集まって、商行為をする。また、その年のトレンド分析もできますし、そういった、直接ビジネスにつながるからこそ、多くの出展者をひきつけ、そして、来場者もそれに応えるかたちで見本市ができあがっています。
インテリアデザインについて、この時期ここにくれば、すべてわかります、といわれているようなものです。インテリアデザイナーはもちろんのこと、建築家、デザインにかかわる人、住宅を商品として扱う人、など、多岐にわたる人々に関わる、大きなデータブックのような感じでしょうか。
実際、見本市に出展されていた、広島に本社を構える「マルニ木工」のご担当者の方にサローネに出展する魅力についてお話をお伺いすると、「ミラノサローネに出展しているおかげで、今では世界で30カ国を超える国々とやりとりするようになった」と語っていらっしゃいましたし、実績がでると、やはりみなさん、毎年出展するようになるのです。
ただ、そうはいっても、近年は不景気だそうで、いつもよりも勢いはおちているかも、という感想を何人かの方から聞きました。
がしかし、やはりビジネスとしてデザインが成立していることが、世界から多くの人をひきつけてやまない、イベントが大きくなって継続していく秘訣だということがわかりました。
見本市視察はここで終了。
午後は、注目の展示をチェックしに街中へ。このレポートはまた後日。