サントリー美術館で行われた「お伽草子」展のプレス向け内覧会に行ってきました。
お伽草子とは、室町時代から江戸時代初期にかけてつくられ、幅広い階層に愛読された短編小説のことです。約420種類の現存作品の中には、「一寸法師」「浦島太郎」など今でもよく知られる物語が多く含まれております。こちらの展覧会では、お伽草子の物語世界、そして描き出された当時の世相や息吹、中世末期の人々の驚くほど豊かな想像力を感じることができるということで、とても楽しみにしていました。
サントリー美術館で「お伽草子」展が開催されるのは、約30年ぶりのこと。絵巻の展覧会としては、2007年、サントリー美術館が東京ミッドタウンに移転された際に開催された「鳥獣戯画」展以来初めてとなります。
国文学ではお伽草子は6分類にわけられることが通常とのことですが、今回、室町時代後期にスポットをあて、オムニバス形式で内容を構成した、と学芸員の上野さんは語ります。
展示風景をいくつかご紹介したいと思います。
※撮影許可された作品のみになります。
重要文化財 福富草紙 二巻 室町時代/15世紀 京都・春浦院蔵
こちらはちょっとユニークな物語。放屁の芸によって長者になった者と、その成功を羨んで真似をしたが大失敗した者との対比を描く滑稽談です。秀武が放屁の芸を披露する様子や、人々の豊かな表情が描かれております。
重要文化財 百鬼夜行絵巻 一巻 室町時代/16世紀 京都・真珠庵蔵
次にご紹介するのがこちら。百鬼夜行絵巻とは、その名の通り「百鬼夜行」の様子が描かれた絵巻物です。たくさんの妖怪が描かれていているので、一つひとつ細かに見ていくと面白いかもしれません。
現存作品の約一割に京都の清水寺が描かれているのも興味深いポイントです。
大人も子どもも親しめる物語世界に、幼いころよく読んだ昔話を思い出しました。HP割や携帯サイト割もございますのでぜひそちらもチェックしてみてくださいね。
編集部アシスタントS
【展覧会情報】
[展覧会名]お伽草子-この国は物語にあふれている- (公式サイト)
[会場] サントリー美術館(東京ミッドタウン ガレリア3階)
[会期]2012年9月19日(水)~11月4日(日) 10:00~18:00 (金・土、および10月7日(日)は10:00~20:00)
[料金]一般:1,300円、大学・高校生:1,000円、中学生以下:無料
[休館日] 毎週火曜日
[住所]東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3F
※作品保護のため、期間中展示替えを行います