こんばんは。大地の芸術祭「越後妻有トリエンナーレ」の現地レポートはついに今日で最終回。視察2日目の様子を一気にご紹介します。
2日目は快晴。青い空と緑が目にとびこんできます。
宿泊した凌雲閣(十日町市松之山天水超81)は木造3階建で源泉かけながしの温泉も楽しめる老舗旅館。終始、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」の登場人物になったような気分でした。
朝ご飯の時にテーブルに振る舞われた、料理長特製のバッタのアート。今にも飛び跳ねそうなくらいリアルで感動。
朝一で向かったのは、十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロ。今までにない「地域づくり」を目標にした科学館です。
さまざまな虫や昆虫の飼育や、それにまるわるアートが展示されています。蝶の標本コレクションがあったり、「くわがたハウス」という、生きたクワガタを100くらい放し飼いにしている一室、ジャンルに捕われない生物がはいった水槽など、どちらかというと男性心をくすぐるコンテンツに溢れいていました。
建物の煙突型にのびたところのてっぺんまで昇ることができて、ここからキョロロの森が一望できます。
様々なものを組み合わせて虫をつくるアート。
その年々の積雪量を視覚的に表現したコーナー。
建物を離れたすぐのところでは、プチ森林浴もできます。
次に向かったのは、マリーナ・アブラモヴィッチの「夢の家」。棺桶でつくられたベッドにはいり、そこで見た夢を書き記す本が脇に添えられています(宿泊施設です)。赤いライトの部屋にポツンとあるベッド。赤い光につつまれた部屋でこの棺桶に入ると、眠りにつかなくてもいろんな想いがよぎります。夢日記を見てみると、意外と、「一生懸命夢を見ようとしているのだけれど、なかなか見ない」というコメントが多かったです。>
宿泊する場合は、この宇宙服みたいなパジャマが貸し出されます。実際泊まったら結構オカルトだなとおもいつつ、古い民家のつくりを見学。
自然の風景に足をとめながら、次なる会場へ
スパイダーマンになった気分になれる塩田千春の「家の記憶」。
次はクリスチャン・ボルタンスキーとジャン・カルマンの「最後の教室」。暗闇を利用した作品が多かったので、画像はあまりよく写っていませんが、廃校となった小学校をそのまま利用していて、一人で鑑賞するには、勇気がいります。特に、理科室と音楽室が怖かったです。
そして、上蝦池名画館(大成哲雄+竹内美紀子)へ。これ本当におもしろかったです。地元の人が世界の名画の登場人物になりきって写真をとっているのですが、もともとが何の絵画だったのか想像するだけでもくすっとなってしまいます。
でたすぐのところに一本杉があったので、ゴッホの名作をつくってみました。完璧な!?構図ができあがりました。
みゅうじあむしょっぷでは、地元でとれた農作物かうことができます。とても安いです。
お昼をはさみ、ついに視察も終盤へ。
カサグランデ&リンターラ建築事務所による「ポムチョキン」。不法投機のサイトとなってしまっていたエリアに公園を登場させた作品です。このように大人も童心にかえります。
最後の作品。JR飯山線プロジェクトの一環である、越後田沢駅へ。アトリエ・ワンの船の家や河口龍夫の「未来への航海」などの作品を鑑賞。
途中よったコンビニでは、植物の種が。植物が日用品なんですね。違和感がありすぎて、思わず写真を撮ってしまった次第です。
ジャウマ・プレンサの「鳥たちの家」。坂口寛敏の「暖かいイメージのために−信濃川」。
帰路にたつための電車の時間が迫ってきたので、あわてて、起点となった十日町のキナーレへ。時間があれば温泉でもなんて言っていましたが、ほとんど時間がなく、急いでミュージアムショップでおみやげを購入しました。
こうして、2日間弱にわたる視察も終了。見たアート作品数は、、、無数。こんな短時間でこんなに多くの作品を見たのは、ベネチアビエンナーレ以来かも知れません。
徒然なるままにお届けしたレポートもこれで終了です。美術館の中で楽しむアートももちろんいいですが、こうして自然と土地と深く溶け合ったアートを見に行くなら、越後妻有トリエンナーレおすすめです!
明日は六本木未来会議の最新記事「トラフ建築設計事務所」の鈴野さん、禿さんのインタビューが公開されます。お楽しみに。
編集部R