こんばんは。編集部のJです。
少年時代、祖母が山形出身ということもあり、夏休みとなると山形の内陸部南部にある、米沢に行っていました。そこに暮らすおばあちゃんの幼なじみ「ヨネばあちゃん」が、いつも自家製の「なすのお漬け物」を振る舞ってくれました。
まだ子供だったので、漬け物の味がただただしょっぱく感じ、正直得意ではなかったのですが、いつもお小遣いを家族に知られないようにこっそりくれる、おばあちゃんに対してのささやかな気遣いで無理をして食べていました。今思うと可愛くない子供ですね。
そんな記憶を呼び覚ます展覧会に先週末行きました。
「21_21 DESIGN SIGHT」で行われている、「テマヒマ展〈東北の食と住〉」。
てま[手間] ある事のために費やす時間、また、労力。
ひま[隙・暇・閑]何かをするのに要する時間。手間
てまひま[手間隙・手間暇]手間とひま。労力と時間。
広辞苑(岩波書店)より
食と住という、人間が生きていく上で、生活を構成する必要不可欠な2つのキーワードに焦点を当てたこの展覧は、東北の厳しい自然に寄り添い、知恵と工夫を探りながら生まれてきたプロダクトや、作り手の気持ちまで伝わるような優しい造形が、胸に刺さりました。
そしてもう亡くなってしまった、「ヨネばあちゃん」が埼玉からやってきた幼なじみとその孫に食べさせてくれた「なすのお漬け物」を思い出し、ちょっとおセンチな気持ちで「21_21 DESIGN SIGHT」を後にしました。まだ行ったことのない方は、ぜひぜひ行ってみてください!
記念に、と「てぬぐい」を買いました。展示されていた品々のシルエットの中に、「21_21 DESIGN SIGHT」のロゴがさりげなく入っています。
「テマヒマ展 〈東北の食と住〉」
会期:2012年4月27日(金)~8月26日(日)
休館日:火曜日
開館時間:11:00~20:00(入場は19:30まで)
入場料:一般1,000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料
【展覧会をよりおたのしみいただくために】
テマヒマ展のディレクターの一人である、佐藤卓さんが、展覧会について語っています。是非、お越しの前に聴いてみてください。ポッドキャストでお楽しみいただけます。(コチラ)