PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#07「クライン ダイサム アーキテクツさん、建築で大切なクリエイティブディレクションって何ですか?」講義レポート【後編】

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update_2019.2.27 / photo_masashi takahashi / text_azusa igeta

「代官山T-SITE」や「GINZA PLACE」など、誰もが知る建築や、世界1,100以上もの都市で開催されるプレゼンイベント「PechaKucha Night」を手がけるなど、さまざまなプロジェクトを展開している、建築ユニット「クライン ダイサム アーキテクツ」。数々のクリエイティブディレクションの背景には、プロジェクトに関わるすべての人たちへの「愛」がありました。2019年2月6日(水)に行われた、講義の様子をお届けします。

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クリエイティブディレクションのジレンマ。

 アストリッドさんと久山さんたっての願いで、講義の途中で2回ほど質疑応答タイムを挟んだのは「六本木未来大学」初めての試みとなりました。

会場クリエイティブディレクションについて、ジレンマを感じる瞬間はありますか? あるとしたら、どのように折り合いをつけていますか。

アストリッドブレストでパッとするアイデアが出てこないとき、それを揉んで、次の日まで消化しなければならないのは、結構ストレスを感じます。課題をチームで正直に話さないといけないのですが、慣れた人たちでやっていると、激しい口論になるときもある。でもディレクションをするうえで、聞きたくないであろうことも言わなくちゃいけない。それはみんなのためのいい方向を見つけるためなんです。

久山クライアントともいきなり最初から価値観が合うわけではないですし、方向が合わないこともあります。それをどうやって同じ方向に向かせるかが大事で、そのためのキーワードを探すことも大切。苦労するけど、それを見つけることがおもしろいところでもあるんです。

アストリッドみんなでやれば「必ずいいものができる」と信じています。だからそのためにファイトするんです。そこでクオリティをキープできる。まずは自分自身が信じないとファイトできないですから。

会場予算とクリエイティブの折り合いについて教えてください。

アストリッドまず建築はアートです。心を動かすべきです。建築はもちろん、機能面も大事ですがそれ以上に人の心を動かさなくてはいけません。そのうえで、価値観や大事にすべき点を統一する。他は妥協してもいいけど、そこは譲らないという点です。そこを守るためにファイトするんです。ファイトしてもうまくいかなかったら、その仕事を辞めるという覚悟を持っています。

久山関わってる人の数年間を無駄にするのはマイナスでしかないので、そういうふうになりそうならファイトします。ファイトすれば何か変わるので。

アストリッド予算を気にするのなら、うちに依頼しないほうがいいでしょう。よく仕事を受けるときに、事前インタビューされますが、「この人たちと2年3年、パートナーとしてやっていけるか」ということを、私たちもチェックしているんです。

会場日本の建築界についてひと言お願いします。

久山アストリッドはとにかく東京が大好きで、「日本でおもしろいことがなくなったら、ヨーロッパに帰ろうかな」と言って早30年(笑)東京はいつも新しくて驚きがあって、そんな環境だから自分たちも新しいものをつくり続けられると思っているのですが、最近は定型的な建築も多くなってしまっていると思います。

アストリッド若者に頼りたい。なのでみなさん頑張っておもしろくしてください。すぐ「わかりました」って言わないでください(笑)

久山ファイトしなくてはいけないんですよね。

アストリッドクリエイティブディレクションでアウトプットをするためにはインプットがないとダメなんですよね。できるだけさまざまな場所を見たり、今週は何をやっているのか調べたり。「こういうのもあるんだ」というインプットがどんどんあったほうがいい。インプットにトゥーマッチはないんです。

【クリエイティブディレクションのルール#5】
アウトプットするためにインプットをする。そこにトゥーマッチはない

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