PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#16 「生命感あふれるアートプロジェクト」by 小林武史

main_1.jpg

update_2018.6.13 / photo_masashi takahashi / text_momoko kawano

5月26日(土)〜27日(日)にオールナイトで開催された「六本木アートナイト2018」。今年も六本木の街に、アート作品や音楽、映像、パフォーマンスなどがあふれ、多くの人が集まりました。以前、小林武史さんクリエイターインタビュー#91で語った「インサイドアウト・プロジェクト」構想が、今回六本木アートナイトで実現。その様子をお伝えします。

JR

六本木に現れた巨大なポートレートたち。

今年で9年目を迎えた「六本木アートナイト」。テーマは『街はアートの夢を見る』。美術館の中だけでなく、パブリックスペースや商業施設など、六本木の街中のいたるところでインスタレーションやパフォーマンス、ワークショップが開かれました。国立新美術館では、鬼頭健吾さんが、『hanging colors』、『broken flowers』を発表。六本木ヒルズアリーナでは、金氏徹平さんによるメインプログラムの作品『タワー』を舞台にして、音楽とダンスによるパフォーマンスが行われ、東京ミッドタウンのキャノピー・スクエアでは、宇治野宗輝さんによる自動車を「顎」にみたてた「DRAGONHEAD」シリーズの六本木バージョンとして、カラーコーンと車と建築が一体になった動く彫刻『ドラゴンヘッド・ハウス』が登場。突如、日常に違和感が出現しました。

空気の人

東北の「Reborn-Art Festival」他でも展示された、現代アーティスト・鈴木康広さんの代表作『空気の人』が、東京ミッドタウンの芝生広場に登場し、特別撮影会が実施されました。(写真:鈴木康広)

その70を超える公式プログラムのひとつに、音楽家&音楽プロデューサーの小林武史さんがクリエイターインタビューにて発案し、フランスのアーティストJR(ジェイアール)が2011年から始めたアートプロジェクト「INSIDE OUT」の日本版、「インサイドアウト・プロジェクト IN JAPAN presented by Reborn-Art Festival」がありました。

屋外の建物や通りに巨大な写真を貼るというグラフィティ表現を用いるJRは、「INSIDE OUT」で世界各地の大都市から紛争地帯まで、世界129か国、260,000人以上の人々の顔写真を大きく出力して貼り、ひとりひとりの語られない物語を街に映し出してきました。プロジェクト名の「INSIDE OUT」には、「世界をひっくり返す」という、JRの想いが込められています。日本では、2013年に東京のワタリウム美術館で個展『JR展 世界はアートで変わっていく』を開催し認知度を拡大。そして2017年7月、宮城県石巻市で開催された「Reborn-Art Festival(リボーンアート・フェスティバル)」でも実施され、写真撮影室付きのトラックで牡鹿半島や市街地を巡りながら、そこに住んでいる人の顔を集め、街中にペイスティングしていきました。

インサイドアウト・プロジェクト

「Reborn-Art Festival」での「インサイドアウト・プロジェクト」の様子。

そして今回、このプロジェクトを、六本木未来会議のアイデア実現プロジェクトとして、六本木未来会議が「Reborn-Art Festival」とコラボレーションし、六本木アートナイトで「インサイドアウト・プロジェクト」を実現。そこには、小林さんのこんな想いがありました。

「JRの「INSIDE OUT」プロジェクトを、六本木で試みてみる。東京を代表する都市で感じたことのない生命感が生まれて、何か都市の見方が変わる体験になったり、気づきにつながったりしていく。そんな媒介になればいいと思っています」(クリエイターインタビュー#91

ペイスティング

会場では六本木の人々の写真とともに、2017年に宮城県石巻市で撮られた写真がペイスティングされました。

INTERVIEW