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INTERVIEW

22 小山田圭吾 × 中村勇吾 (ミュージシャン × WEBデザイナー)

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  • NO22 小山田圭吾 × 中村勇吾 あなたは六本木をどうデザイン& アートの街に しますか?
       
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update_2013.02.20 photo_taro hirano / text_tami okano / edit_rhino

子どもたちの「デザイン的思考」を育てるテレビ番組「デザインあ」。今年度のグッドデザイン大賞も受賞した話題の番組が、体験型の展覧会「デザインあ展」へと発展、6月2日まで「21_21 DESIGN SIGHT」で行われている。番組の映像監修を務める中村勇吾さんと、音楽を手掛けるコーネリアスの小山田圭吾さんは、総合指導を行うグラフィックデザイナーの佐藤卓さんとともに展覧会のディレクションも行う「デザインあ」チームの仲間。会場から連れ出して、六本木について聞いてみました。

宣言せずに本物感をいかにつくるか。

中村勇吾六本木をデザインとアートの街にするには...... 大きなお題ですよね。どうしよう、見当もつかない(笑)。そもそも、六本木をデザインとアートの街にしたいっていう動きがあることも初めて知りました。

 身も蓋もないかもしれないけど、それって、言わないほうがよかったりしませんか? たとえばパリって自分たちでアートの街だ! とは言わないじゃないですか。本当のグローバル企業も、自分でグローバルとは言わない。

小山田圭吾確かに、言われると引いちゃうっていうのはあるかも......

中村だから、言わずにモヤっとそっちにもっていく。特にアートは人によっていろんな捉え方があるし、これがアートだと決めたりここがアートの街だと宣言したりはしないけれど、アートを支える環境としてはすごくいいよね、みたいな。そういう本物感をいかにつくるかが大事なんじゃないかなあ。

「21_21 DESIGN SIGHT」もすごくいい場所にあって、こんなに広い芝生や緑が都市の真ん中にあるっていうのは、そうないと思うんです。東京ミッドタウン(以下ミッドタウン)の中だけでも美術館やギャラリーがいくつもあるし...... というのを、六本木の魅力としてどう伝えるか。難しいですね。いまはどうしても、ミッドタウンだけポンといい街を置きました、という感じがしてしまう。

小山田六本木は、ひとつひとつの場所がちょっと遠いんですよね。ヒルズからミッドタウンまでもけっこう距離があるじゃないですか。その間にアマンドの裏の歓楽街があって、「そこ」と「ここ」が繋がってない感じはします。

中村それぞれの施設が周りとだんだん混ざり合っていくといいですよね。「昔ながらの六本木」とも接続している感じって、もっとずっと長い時間をかけて作られていくものなんだと思うんですけど。

 僕は浅草が好きで、祭りの日や花火大会の日に行くと、ものすごく「横の連帯感」がある。そこには全然入り込めないんだけど、なんかいい街だなあって思うんですよ。

 あ、祭りがいいんじゃない?

小山田祭り?

中村六本木祭り。

小山田六本木に祭りってないの?

地元の祭りに神輿と音頭!

中村麻布十番の納涼祭りは有名ですよね。六本木だと、「六本木アートナイト」があったり国立新美術館が「文化庁メディア芸術祭」のメイン会場だったりして、そこにクリエイターの人たちが集まっている感じはあるけど、もっと地元の人たちも一緒に集まれる祭りがあるといいんじゃないかな。というか、クリエイターの人たちの祭りと地元の祭りがくっつけばいいんじゃない? 商店街の人が出店でトウモロコシ焼いていたり、黒人のお兄ちゃんがホットドック売ってたり。

六本木アートナイト

六本木アートナイト

3月23日~24日、六本木の街を舞台にオールナイトで開催されるアートの祭典、「六本木アートナイト」。前回、六本木未来会議に登場した日比野さんがアーティスティックディレクターを努めます。

小山田僕は地元が東京の世田谷なんですけど、区のお祭りとかけっこう好きなんですよね。年に3回は行くかなあ。

中村へえ、そうなんですか。子どもの幼稚園の行事とかも出席してます?

小山田してるよ。餅つきもするし。え、勇吾さんしたことないの?

中村もちろん僕もしてますよ。運動会でマシュマロをくわえて走ったりとか(笑)。盛り上がりますよね。じゃあ、小山田さんが祭りに乗り気なら、お祭りの音頭みたいなものを小山田さんにつくってもらうっていうのはどうですか?

小山田六本木音頭。いいですよ。

 六本木って言ったら歓楽街のディスコのイメージが強いけど、音としてはそういうのにはしたくないかな。やっぱり音頭は音頭でやりたいですね。

中村いいですね。では僕は神輿の担当で。神輿にプロジェクションマッピングでも(笑)何でもやりますよ。

 大事なのは、間口を広げることだと思うんです。「21_21 DESIGN SIGHT」もスマートでシュっとしたイメージが強いけれど、今回の「デザインあ展」は子どもたちがわぁっと集まって遊んでいるような場になれば、と思っていて、それがこの場所を訪れる人の間口を広げたり、訪れた人の「デザインマインド」を広げるきっかけになれば、と思っています。

中村勇吾 (WEBデザイナー)×小山田圭吾(ミュージシャン)

がっしり美女と六本木WAVE。

中村六本木との関わりは、東京に住み始めた大学生の頃が最初ですね。たまに飲み会に来るくらいでしたけど、「天鳳」っていうラーメン屋が好きだったなあ。今は仕事で週に4日は来ています。ユニクロの本社がミッドタウンにあるので、六本木といっても、来るのはミッドタウンばかり。で、毎回オフィス棟の車寄せでタクシーを降りるんですけど、車寄せでドアを開けてくれる女の子に静かに注目しています。 目鼻立ちが可愛いく身体ががっしりしているので、うちの事務所では「がっしり美女」と呼んで会うのを楽しみにしています。

小山田僕は昔、六本木に住んでいたことがあるんです。20代の半ばくらいに、3年ほど。場所としては、ちょうどいま、ヒルズがあるあたり。その頃は「六本木WAVE」というレコード屋があって、僕は完全に昼夜逆転の生活をしていたので、夕方起きて、WAVE行ってレコード買って、そのへんでご飯食べて家帰って、夜中に青山ブックセンターに行って立ち読みして、みたいな。そういう生活をしていました。

中村僕もWAVEはよく行ったなあ。

小山田あそこ良かったよね。住む場所に六本木を選んだのは、当時は恵比寿方面に仕事でよく行っていて通いやすかったのもあるけれど、WAVEがあったり朝まで開いてる青山ブックセンターがあったりするのも僕にとっては大きなことでした。

WAVE

WAVE

1983年に開店のレコードショップ。音楽をはじめ様々な文化を発信していた。六本木地区再開発に伴い、1999年に惜しまれつつ閉店。

住んでいる街が好きな街。

中村街として個人的に好きなのは、中高生の時に過ごした兵庫県神戸市の三宮です。実家は伊丹なんですけど学校が神戸にあったので、よく三宮をフラフラしてましたね。三宮はアーケードが中心にあって、大丸など大資本の商業施設がありつつ、そのすぐ近くにおっちゃんがやっている小さな定食屋があったり、いろんな層の人たちが混ざって、コンパクトにまとまっていた。それこそ、六本木の新しい施設とこれまでの街との混ざり合いじゃないけど、そこに独自の文化があった気がします。

小山田僕は世田谷が地元で今も世田谷区に住んでいるので、やっぱり世田谷がいいですね。便利で、馴染んでて。

中村ふたりとも地元でまとまっちゃっいましたね。

小山田いろんな都市に行くけど、けっきょく「住んでる」ってことは「そこがいい」ってことだから。

中村そうなんですよね。海外も面白いけど、日本に帰ってくると、絶対に日本がいいって思う。たとえ経済的に沈んだとしても、日本から動かないぞって思うもんね。以前イタリアのヴェネチアで滞在ワークショップをしたことがあるんだけど、みんなフレンドリーに接してくれて、夜はバールにも連れていってくれて、ワイワイやっているんだけど、心の中では帰りたいー! って思ってた(笑)。

海外はスーパーマーケットが変な匂いだったり、いろんなディテールが肌に合わない。逆に日本は、ジュースの種類がものすごく多いとか、そういうもろもろの積み重ねで豊かな国だなあ、って思います。

小山田わかる。あと、店で出てくるおしぼりとかさ。ホントにすごいよね。あったかくて。日本のおしぼりサイコー!

中村勇吾 (WEBデザイナー)×小山田圭吾(ミュージシャン)

仕事を通じて関心のあること。

中村僕は「生活の中の映像」に関心があって、それは「作品」というよりも、グラフィックと映像の中間みたいなもの。2012年にスタートした額縁デバイスの「FRAMED*」も、デジタルアートを日常生活の中でインテリアのように取り入れようとするもので、何気なくずっと流れているような、掛軸的な映像ばかり作っています。

FRAMED

FRAMED

絵画やオブジェを部屋に飾るのと同様の間隔で、デジタルアートで空間を彩ることのできる、新しいインテリア・デバイス。壁掛けユニットと2種類の高さのスタンドがある。

小山田仕事を通じて、というよりも、僕の場合は仕事をするときに関心があることなんですけど、常に考えているのは、なるべく楽でいこう、ということ。いかに楽しんで、ストレスなくできるか。

中村ああ、それは僕もぜひ、そうありたい。でも、自分で自分の首を閉めたりしちゃうんだよね。わざわざ自分でややこしくして、あとで後悔したりとか、スタッフにも強く言い過ぎて作品がよくなくなったりとか...... やっぱり、人と一緒に作っていく仕事なので、いい流れをつくることが大事。「デザインあ展」のディレクターでもある佐藤卓さんは、その点がとても上手い。

 テレビ番組の会議のときも、僕らが出すアイディアに対して「それすごい! やっちゃおう!」って卓さんが盛り上げる。その盛り上げ方がいいんですよ。最初はちょっと本当かな? って思って聞いてたんだけど、だんだん卓さんに「すごい!」って言われるのが楽しみになって、目的化していった(笑)。

小山田CMでも何でも仕事で変なダメ出しをされると、やっぱり凹むじゃないですか。でも、「デザインあ」の現場はそういうことがないよね。

中村普通の時が「お、いいねえ」で、一番いい時は「天才! 革命!」。卓さんにそう言われると、今日は革命出ましたー! みたいな感じで、すごく嬉しい。「デザインあ」をやっていて幸せだなあ、と思います。

デザインあ

デザインあ

NHK Eテレで放送中。子供達の未来をハッピーにする「デザイン的思考」を育て、未来に繋げることを目的とした教育番組。

爆音からイクラまで。とにかく楽しんでほしい!

中村今回の「デザインあ展」で目指したところは、遊園地とテレビ番組の中間です。いわゆる展覧会や美術展と言われる場に出すもの、出すに値するもの感が分かりやすい尖った作品性ではなく、もっと楽しいもの、触れたり感じたりできるものを重視していて、そのことと、展覧会であるということのバランスが難しさであり面白さでもありました。

小山田「21_21 DESIGN SIGHT」の建物がコンクリートなので、音が響くのがちょっと大変でしたけど、ギャラリー1にある「モノ・オトと映像の部屋」は爆音にしたいって中村さんと最初から思っていて、いい感じだと思いますよ。

中村会期中に音量下げられちゃうんだろうな、って思いながら、最初の設定はちょっと強めにしてるんです。エアコンの設定温度争いみたいなもので、そこは常に戦いが(笑)。

小山田展示はどれもいいけど、「5つのテーマ」の中の、「本の観察」にある名作のタイトルの入れ替え、あれ最高です。

中村僕は「お寿司の観察」のイクラと、「あな」も好きですね。イクラとマグロは食品サンプルづくりの職人の王様みたいな人が作っているんです。

小山田そうそう。マグロなんて、本物のマグロを切って落とした状態を参考にしてるんですよ。ぜひ見てほしい。見て、聴いて、触って、とにかく楽しんでほしいです!

(上)中村勇吾さん作「あ」 (下)小山田圭吾さん作「あ」

取材を終えて......
今回取材したのは「デザイン あ展」開催日前ということもあり、お二人とも「デザイン あ」モードでした。それぞれが違うフィールドで活躍されているにも関わらず、対談が盛り上がっていたのも、ある種デザインの力なのだな、と感心しました。(edit_rhino)

中村勇吾

中村勇吾 / WEBデザイナー
中村勇吾 / WEBデザイナー

1970年奈良県生まれ。ウェブデザイナー/インターフェースデザイナー/映像ディレクター。東京大学大学院工学部卒業。多摩美術大学教授。1998年よりウェブデザイン、インターフェースデザインの分野に携わる。2004年にデザインスタジオ「tha ltd.」を設立。以後、数多くのウェブサイトや映像のアートディレクション/デザイン/プログラミングの分野で横断/縦断的に活動を続けている。主な仕事に、ユニクロの一連のウェブディレクション、KDDIスマートフォン端末「INFOBAR」の UIデザイン、 NHK Eテレ「デザインあ」のディレクションなど。主な受賞に、カンヌ国際広告賞グランプリ、東京インタラクティブ・アド・アワードグランプリ、TDC賞グランプリ、毎日デザイン賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞など。

小山田圭吾

小山田圭吾 / ミュージシャン
小山田圭吾 / ミュージシャン

ミュージシャン、プロデューサー。1989年、フリッパーズギターのメンバーとしてデビュー。バンド解散後1993年、Cornelius(コーネリアス)として活動開始。現在まで6枚のオリジナルアルバムをリリース。自身の活動以外にも、国内外多数のアーティストとのコラボレーションやリミックス、プロデュースなど幅広く活動中。

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