六本木未来会議六本木未来会議
  
  • JP / EN
  
                    
  • INTERVIEWインタビュー
  • CREATORクリエイター
  • EVENTイベント検索
  • PROJECTプロジェクト
  • BLOGブログ
  • ABOUT六本木未来会議について
thumbnail
thumbnail
  • 利用規約
  • お問い合わせ
  • facebook
  • twitter
  • mail
  
Thumbnail Thumbnail
INTERVIEW
141
ENERGY MEETデザインユニット ENERGY MEET / Design Unit
ENERGY MEET / Design Unit

六本木をエネルギーの消費地から生産地へ【前編】

「東京」ではなく「六本木」。小さなスケールからはじめる。

  • HOME
  • INTERVIEW
  • NO141 ENERGY MEET 六本木をエネルギーの消費地から生産地へ【前編】
  • ENERGY MEET
  • Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022
  • オオニシタクヤ
  • 蘆田暢人
PDF
  • JP / EN
update_2022.10.05 photo_yoshikuni nakagawa / text_ikuko hyodo / edit_eisaku sakai

「エネルギーデザイン」というユニークなコンセプトを掲げ、デザインを通してエネルギーと社会をつなげることをテーマに、日本とタイを中心に活動しているデザインユニットENERGY MEET。「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022」では、都市型農業の可能性を探る作品を展示予定です。環境意識の高まりとともに、注目度がますます高まっているエネルギー。彼らはそこにデザインの思考をどのように取り入れ、課題解決を図ろうとしているのでしょう。出展作品やこれまで関わったプロジェクトなどを例に、蘆田暢人さん、オオニシタクヤさんのお2人にお話を伺いました。

後編はこちら

都市生活者と農業を近づけるデザイン。

オオニシタクヤ「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022」には、農業をテーマにした《F.A.R.M. -Future Agricultural Rights for Mankind-》という作品を出品しています。我々は「エネルギーデザイン」というコンセプトで活動しているのですが、エネルギーって幅が広いですよね。突き詰めていくと循環のデザインになるのですが、農業もいずれエネルギーデザインの文脈に入ってくるだろうということは、随分前から予感としてありました。

たとえば動物性タンパク質の生産には、大量のエネルギーと淡水が必要で、温暖化ガスの排出も大きいため、環境負荷が高すぎるという問題があります。農業も環境負荷の問題や自然破壊の原因のひとつとして指摘されることもあります。こうした農業をテーマに、循環というものをデザインでわかりやすく皆さんにお伝えし、一緒に農業のことを考えたいと思い、今回の作品のアイデアがひらめきました。

Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022

Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022

"デザインを五感で楽しむ"をコンセプトに毎年秋に実施されるイベント。15回目となる今年のテーマは、「環るデザイン- Design for Sustainable Future -」。人々の生活が大きく変化し、新しい価値観が次々と生まれている今、本当に大切にしたいものをこの先も残していくために何ができるのか。持続可能な未来へのヒントをデザインを通して探っていく。2022年10月14日(金)~11月3日(木・祝)開催。
https://6mirai.tokyo-midtown.com/event/design_touch_2022/index.html

蘆田暢人僕はアイデアからデザインに落とし込む方法を考えていったのですが、過去に遡れば農業は日常生活の合間にやることもあるくらい身近なものでしたよね。でも、社会が発展して人口が増え、社会システムが分業化されると、当然のように農業と人との距離が離れていく。高度に発展した社会のひとつの特徴です。僕も東京で暮らしていますが、都心で田んぼを目にする機会はまずないですよね。そんななか、六本木で農業をテーマにした作品を展示し、見に来た人が農業と人との関係について考えることで、人と農業を新たな方法で近づけられるようなデザインにしたいと思いました。

F.A.R.M. -Future Agricultural Rights for Mankind-

F.A.R.M. -Future Agricultural Rights for Mankind-

農園を垂直展開することにより都市型農業の可能性を切り拓き、人々の手へ"農業"という営みを届けるための実験的インスタレーション。栽培基盤やエネルギーなど、農業に必要とされるさまざまな要素を分解し、ユニット化。それらをブロック状に組み上げていくことで、農業という循環系システムを簡単に構築できるようデザインしている。

自分だけの農業の形を組み立て、都市の循環に組み込む。

オオニシ《F.A.R.M.》は都市生活者との距離ができてしまった農業を、わかりやすく楽しく伝え、かつ、積極的に参加できるような作品になっています。農業にはありとあらゆる循環が関係しているんです。そこで、まずは水や光、土壌などさまざまな要素に分解してみました。40×40×40センチの木のフレームのなかに、農業に必要な要素をひとつずつ収め、レゴブロックのような感覚で組み立てていきます。たとえば水が入っている給水タンクと土壌栽培、もしくはハイドロポニックス(水耕栽培)、LED、ソーラーパネルなどをそれぞれ組み合わせることによって、自分だけの農業ユニットをつくることができます。ブロックを上に重ねて垂直型にすれば、高層ビルのファサードにも応用が可能で、面積が限られた場所でもできるのがポイントです。

蘆田農業とひとことでいっても、土に苗を植えて収穫する従来の方法以外に、今はいろいろと進化しています。そういった技術を用いることで、土地を持たなくても作物を栽培できるようなユニットをイメージしています。

オオニシ今年の「DESIGN TOUCH」のテーマが「環るデザイン」。循環や持続可能性がキーワードになっていますが、イベント終了後に展示していたものがごみになっては、元も子もない。そこで2つの高校とプロジェクトの提携を結び、エキシビションが終わったらこのユニットを引き継いでもらい、農業の実習を継続していくことになっています。作品自体も循環させ、未来につなげていくことを目指しています。

int141_main_02

余分な土地はない。でも、壁面であれば可能性がある。

蘆田《F.A.R.M.》を制作する初期段階で、どうやったら都市で農業ができるのか考えました。最近は屋上農園をやっている方もいますし、週末だけ近郊に行って、農業に親しむ方もいますよね。こうした状況からもわかるように、東京などの都市には余った土地がほとんどない。ただし面積という視点で見ると、おそらく土地の面積よりも壁面の面積のほうが、圧倒的に多いと思うのです。1平米当たりで収穫できる農作物は限りがあるので、収穫量を上げるにはある程度面積の確保が必要になります。都市の場合は、壁面をジャックして、そこに農地をつくっていく未来のほうが現実的かもしれない。

六本木ヒルズ 屋上庭園

六本木ヒルズ 屋上庭園

けやき坂コンプレックス(TOHOシネマズ 六本木ヒルズ)の屋上にて、約1300平方メートルの庭園を運営。「日本の農の風景」をテーマに、水田や菜園をつくり、収穫など季節毎にイベントを実施している。

今回のブロックを積んでいくようなデザインには、自分で好きなようにカスタマイズできるという意味も込めていますし、建築のフレームに見立てて垂直方向に農場をつくり、広範囲に展開する可能性も視野に入れています。実際、環境や景観の観点から壁面緑化をしたり、バルコニーのようなスペースをつくって緑を植えたりするビルも増えています。こうした緑を農園に転換したら都市農園ができるでしょうし、立体展開は技術的な部分も含めて可能性があると思っています。

オオニシ地球の陸地は大まかにいって、3分の1が森林で、3分の1が乾燥砂漠地帯、3分の1が農地牧草地になっています。一方、都市は陸地全体の1%前後に過ぎないそうです。ということは、都市でどんなに農業を頑張っても、焼け石に水かもしれない。とはいえ建物を含めた表面積はやっぱり大きいので、残されている可能性を見出していきたいですよね。

「MEET」の場をつくるのもデザインの役割。

オオニシエネルギーと社会をつなげる僕たちのプロジェクトに、「ENERGY Gift mini」があります。以前僕がタイで講師を務めていた、キングモンクット工科大学の先生たちと一緒に立ち上げたプロジェクトで、電気のないタイの辺境地にエネルギーをプレゼントするというものです。タイの電気工学科の学生と、日本でデザインを学ぶ学生がソーラーランタンを共同で開発して、現地の子どもたちと一緒にそれらを組み立て、寄贈しました。

ENERGY Gift mini

ENERGY Gift mini

電気がないため、夜に勉強することもままならないタイの離島の子どもたちに、バンコクの大学生と日本の学生らが中心となって企画開発したソーラーランタンを届ける支援プロジェクト。ランタンの設計、デザインディレクション、子どもたちに届けるイベントまで、一連のプロセスをデザインすることで、国内でのインフラ格差が存在する地域における循環可能な支援プログラムを構築した。

蘆田日本では、まちづくりとエネルギーという観点で手掛けているプロジェクトがいくつかあります。一番長く関わっているのは長野県小布施町のプロジェクトで、今年で10年になります。行政と一緒に進めているプロジェクトで、発端は東日本大震災の原発事故でした。小布施町は人口1万2,000人ほどの小さな町ですが、エネルギーを電力会社やほかの自治体に依存せざるを得ない。そこから自立し、環境先進都市を実現することを目指して、さまざまな取り組みをしてきました。10年前は「小布施エネルギー会議」を立ち上げました。自然エネルギーについて知らない方々も多かったので、住民の皆さんと映画を観たり、専門家を呼んで勉強するところからはじめて、今ではかなり浸透してきています。2018年には町内に小水力発電所を整備しましたし、今年は小布施町全体で、エネルギーやごみ問題も含めて環境問題に対する目標を掲げるためのグランドビジョンを策定しました。

小布施エネルギー会議

小布施エネルギー会議

「自分たちが使うエネルギーは自分たちの地域でつくりたい」という思いから、長野県小布施町で2012年に始まったプロジェクト。合言葉は「つくるまちをつくろう」。住民、行政、専門家が会議のメンバーとなって、自然エネルギーのインフラ整備や、分散型エネルギーシステムの構築などの検討を重ねてきた。2018年10月には小水力発電所が小布施町松川で稼働を開始。

オオニシエネルギーと社会という観点では、共同プラットフォームをつくることに注力しています。ウェブサイトに代表的なプロジェクトをいくつかあげているのですが、これらはすべて大学や企業、自治体などと共同で行っています。そうやって一緒にプロジェクトを進めて、ミーティングの場をつくりたいという思いで、ENERGY MEETという名前にしました。さまざまな方と連携しながらプロジェクトを展開できるようなチームづくりも、デザインの役割なのです。

後編はこちら

蘆田暢人(ENERGY MEET)

蘆田暢人(ENERGY MEET) / デザイン・ユニット / 建築家
蘆田暢人(ENERGY MEET) / デザイン・ユニット / 建築家

1975年京都生まれ。京都大学建築学科卒業、京都大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。内藤廣建築設計事務所を経て、2012年蘆田暢人建築設計事務所設立。同年ENERGY MEETをオオニシ・タクヤ、Alvaro Contiと共同設立し、エネルギー・デザインという新たな領域を切り拓き、まちづくりや社会貢献プロジェクトなどの活動を行う。2017年より千葉大学非常勤講師。2018年 デザイン・リサーチのシンクタンクとしてFuture Research Instituteを紫牟田伸子、オオニシ・タクヤと共同設立。主な受賞に、第2回これからの建築士賞、グッドデザイン賞、神奈川建築コンクール優秀賞、Asia Design Prizeなど。

オオニシタクヤ(ENERGY MEET)

オオニシタクヤ(ENERGY MEET) / デザイン・ユニット
オオニシタクヤ(ENERGY MEET) / デザイン・ユニット

大阪府出身。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業後、2000年、英国、AA School (Architectural Association School of Architecture)で建築を学び、首席卒業。同年RIBA (Royal Institute of British Architects) 英国内建築学修士プロジェクト優秀賞を受賞。その後タイに移住し、2004~2008年、KMUTT (King Mongkut's University of Technology Thonburi) 建築学科にて教鞭を執る。2008~2010年、同校にてArchitectural Xperimental Lab ディレクターを務める。2010年、エネルギーをデザインする会社、ENERGY MEETを蘆田暢人と共に立ち上げる。3.11以降、国内でもエネルギーが重要な社会課題となり、エネルギー・デザイン領域の確立のため活動を続けている。慶應義塾大学環境情報学部准教授(2014~2020年)。昭和女子大学環境デザイン学科准教授(2020年~)。国際間産学連携プロジェクト創出プラットフォーム EDN (Energy Design Network)をKMUTTの教員メンバーと立ち上げ、共同ディレクターを務める(2019年~)。

他のクリエイターを見る
  • ENERGY MEET
  • Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022
  • オオニシタクヤ
  • 蘆田暢人
SHARE twitter facebook

RELATED ARTICLE関連記事

PICK UP CREATOR

  • 大貫卓也
    大貫卓也
  • のん
    のん
  • 豊田啓介
    豊田啓介
  • 三澤遥
    三澤遥
  • 尾崎マリサ(スプツニ子!)
    尾崎マリサ(スプツニ子!)
  • 佐藤可士和
    佐藤可士和
参加クリエイター 一覧

RANKING

ALL
CATEGORY
PAGE TOPPAGE TOP

PICK UPピックアップ

  • 六本木未来大学
  • クリエイティブ・カウンセリングルーム
  • 連載 六本木と人
  • 連載 デザイン&アートの本棚
  • クリエイターの一皿
  • 連載 デザイン&アートの本棚
  • ピックアップイベント

PARTNERパートナー

  • AXIS
  • 国立新美術館
  • サントリー美術館
  • 21_21 DESIGN SIGHT
  • Tokyo Midtown Design Hub
  • FUJIFILM SQUARE
  • 森美術館
  • ラクティブ六本木
  • 六本木ヒルズ
  • facebook
  • twitter
  • contact
  • TOKYO MIDTOWN
  • 利用規約
  • 個人情報保護方針
  • 個人情報の取扱いについて
  • Cookieおよびアクセスログについて
  • プラグインについて
  • お問い合わせ

Copyright © Tokyo Midtown Management Co., Ltd. All Rights Reserved.