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INTERVIEW
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西野亮廣絵本作家 / 芸人 Akihiro Nishino / Picture Book Writer / Comedian
Akihiro Nishino / Picture Book Writer / Comedian

『結果が出せる個人に任せきる』【前編】

ものづくりもデザインも、多数決が一番面白くない。

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update_2020.03.04 photo_yoshikuni nakagawa / text_tami okano

お笑いタレントであり、絵本作家であり、日本国内最大のオンラインサロンを主宰する実業家でもある西野亮廣さん。手がけた絵本『えんとつ町のプペル』の売り上げは累計43万部を超え、舞台化も実現、今年12月には映画の公開が予定されている。驚くのは、さらにその先、「えんとつ町」の物語は、美術館建設や町づくりにまで広がっている。西野さんが絵本に込めた思いから町づくりへの挑戦、リーダーとしての信念まで、たっぷり語ってもらいました。

後編はこちら

「えんとつ町」は、希望を失った現代社会の縮図。

 絵本『えんとつ町のプペル』の設定は、朝から晩まで煙がモクモクとあがっている町で、その町の人は空を知らない、星を知らない。そんな中、主人公たちが、あの煙の向こうには何かがあるんじゃないかと空を見上げるわけですが、そうすると、町のみんなに、あるわけがないじゃないか、と攻撃される。これは言ってしまえば、夢を語れば笑われて、行動すれば叩かれるという現代社会の縮図ですね。

えんとつ町のプペル

えんとつ町のプペル

西野さんが脚本&監督を務め、総勢33名のイラストレーター・クリエイターの手によって生まれた完全分業制によるオールカラー絵本。現代の縮図として描かれた「えんとつ町」を舞台に、ハロウィンの夜、親を亡くした少年ルビッチのもとにゴミ人間プペルが現れ、その出会いをきっかけに2人に奇跡が巻き起こる。累計発行部数約43万部。2020年12月には、STUDIO4℃制作でアニメ映画化予定。

 現代社会というか、具体的に言えば、SNSが一番近いかもしれないんですが、今のSNSの文化をどう落とし込んだらファンタジーになるかを考えながら、「えんとつ町」をつくりました。物語を考えた8年前は、もうちょっと希望があった気がするんですけど、今の日本は本当に「えんとつ町」になってしまった感じがします。誰も希望を持っていないし、「どうにかなる」とも、もはや、あまり思っていない。だから、『えんとつ町のプペル』の映画が公開される時期としては、今はとてもいいなと(笑)。

 希望は必要だな、と思うんです。「勘違い」をしてようやく踏み切れることってあるので。それこそ、戦後、日本が頑張って、世界のリーダーになるぞ、なれるぞって勘違いしていた時って、すごい勢いだったと思うんですね。いける、いけるかもしれないと思った瞬間は、その国や地域が貧しくても安定していて、「どうせ無理」の空気が充満している時って、ろくでもないことしか起こらない。揚げ足を取り合うし、人を非難することしか娯楽がない。それが今ですよね。

 その状況を少しでも打破したいと思っているんですけど、そのためには「結果で示す」っていうのが一番いいと思います。何年か前に、俺は「ディスニーを超える!」って宣言したら、そりゃ無理だよ、何言ってんの? ってみんなに言われました。もちろん相手が偉大すぎることは確かですが、映画版『えんとつ町のプペル』は、意外と一矢報いることができるかもしれなくて。もし、興行収入とか動員数とかで、同時期に公開されているディズニー映画を上回ることができたら、その瞬間に、おやっ? ってなる。あれ? 頑張れば、いけんの? みたいな。

奇はてらってない。変化球じゃなくて王道が好き。

 絵本を出すためにクラウドファンディングをやったり、売るためにウェブで全ページを公開したりした時、みなさんからいろいろと言われたんですが、基本的には、奇をてらうことはやってないです。むしろ、僕がやっていることは王道で。変化球じゃなくて、王道が好きですね。

 クラウドファンディングをはじめたのは、確か2013年で、その時はすごいバッシングされましたね。宗教かよ、とか、詐欺かよ、とか、炎上して、わーっと叩かれた。でも、クラウドファンディングって、その1年も2年も前からアメリカにあったし、ただ日本に入っていなかっただけで、普通に「あるもの」を使っただけなんです。絵本の無料公開にしたって、王道ですよ。スーパーで試食ってあるじゃないですか。食べてみて、よかったら買ってね、みたいな。あれとまったく一緒です。本屋さんの立ち読みだって、1回読んで面白かったら買ってね、っていう。それをインターネットでやっただけの話で、普通に考えたら、そっちのほうがいいよね、っていうことをやっているだけです。

 多くのお母さんは結果が出ている絵本しか買わないし、子どもの頃に読んでもらって面白かった絵本を、自分の子どもにも買い与える。つまり、ネタバレしているものにしか反応していない。その事実があるんだから、絵本を売ることを目的にするんだったら、まず、全国のお母さんにネタバレしたほうが絶対にいい。それで売れたほうが、出版社も嬉しいし、クリエイターさんに落ちるお金も増えるし、みんながいいはずなのに、それも、すっごい炎上しましたね。まあ、僕の言い方がよくなかったのかもしれないですが......。

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炎上は、寂しい。「知らない」と「嫌い」との関係。

 炎上って、決して気持ちのいいことじゃないですよ。特に絵本の無料公開は、炎上しちゃいけない案件なんで。だって、その方法の方が、みんなに作品が届くんだから。「もう、絵本の売り方のスタンダートって、無料公開だよね」となった時に、批判しちゃった人たちは、しばらくその手は打てないわけですよね。本来は、絵本のつくり手や売り手、その人たちごと幸せにしようと思ってやっているのに、批判することで自分たちの道を狭めちゃってるから、炎上に対しては寂しい気持ちの方が強いし、批判しちゃダメだって! って思います。

 ただ、そこは最近、勉強したことでもあって、批判ってしちゃうものなんですよね。なんでしちゃうのかと考えて思うのは、「知らない」ってことと「嫌い」っていう感情は、極めて近い位置にあるなって。人が何かを嫌うときの理由のほとんどは、「知らない」にある。理屈で説明すれば、絵本の無料公開なんて、どう考えたってプラスでしかないのに、その手段を「知らない」から、なんか嫌い! って反応しちゃう。

 僕はあくまでもみんなを楽しませたいと思ってやっているので、あまり「知らない」ことはやっちゃダメなんだっていうふうに、最近はなりました。で、出した結論というか、やり方としては、最初から世間にはアプローチしないようにしています。自分が面白いと思うことは、オンラインサロンの中でしかやらないようにしていて、そこで圧倒的に、結果が出たものを世間に出す、という流れです。結果が出た途端に、世間はなびくので。それ以前にどれだけ説明しても、みんなキー!! ってなってるから聞いてもらえないし、そのモードの時に説き伏せようとしても意味がないと分かって、じゃあ、もう、分かりやすく、圧倒的な結果を出す。しかも数字で出す。それでようやく、あいつが言っていることって、もしかしたら、正しいんじゃないか? って、聞いてもらえる。その方法に変えてから、あまり炎上もしなくなりました。

ものづくりもデザインも、多数決が一番面白くない。

 僕が主宰するオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』には、3万8,000人の会員がいるんですが、このオンラインサロンの存在は、僕にとって、めちゃくちゃ大きいですね。面白いことをしようと思ったら、ああいうクローズドなコミュニティ、ある種の鎖国性みたいなものは絶対に必要だなと感じています。僕のオンラインサロンで決めているのは、何かを決めるときに、多数決は絶対にやめよう、ということ。会費の総額は年間4億円くらいになりますけど、最終的に何に使うかは僕が決める。だから、結果はすべて僕の責任。

西野亮廣エンタメ研究所

西野亮廣エンタメ研究所

西野さんが考えるエンタメの未来や取り組んでいるプロジェクトなどの情報発信を行うオンラインサロン。会員数は、3万8,000人を超え、国内最大。毎日記事が投稿され、会員へ意見を募ることも。また、オンライン上のみにとどまらず、会員が働くお店をまとめた「エンタメ研究所MAP」や、作品制作、イベント運営、広告制作など、その活動はリアルな場へと広がっている。
https://salon.jp/(URLをクリックすると外部サイトへ移動します)

 責任逃れで一番楽なのが多数決なんです。多数決にさえしておけば、お前らが決めたんだぞ、と言えるんで、責任の所在が分からなくなる。でもそれって、リーダーとして一番やっちゃダメだと思います。一方で、リーダーの暴走の歴史もありますから、そこは注意しなきゃいけないんですが、ものづくりとかデザインの範囲でいえば、「みんなで決める」っていう多数決が一番面白くないのは確かです。個人の圧倒的なエゴでしか、未来は切り拓けない。僕はそう思っていて、そのエゴを許してくれる環境をつくるしかないし、それを誰に任せるか、ですよね。

 今の日本で「太陽の塔」みたいなものをつくろうと思っても無理だと思うんです。だいたい横槍が入って、税金をなんてものに使うんだ、と叩かれて、企画が頓挫しちゃう。みんなで会議なんかしてつくっても、どこにでもあるような、つまらないものしか出来上がらない。やっぱり誰か1人の、圧倒的な結果を出せる人に任せて、その1人の熱狂に周りがついていくようなやり方じゃないと。有識者が集まって議論してたら「太陽の塔」はできません。

太陽の塔

太陽の塔

1970年、日本万国博覧会に際して建造された岡本太郎の代表作のひとつ。当時、岡本太郎は万国博の象徴となるテーマ館展示のプロデューサーに指名され、展示構想の立案、展示作業、演出、指導のすべてに関わった。太陽の塔を含む展示全体の基本構想は、卓抜なアイデアとダイナミックな展示技法を駆使した画期的なものを目指して、丹下健三などとともに進められた。

後編はこちら

(撮影協力:六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り)

西野亮廣

西野亮廣 / 絵本作家 / 芸人
西野亮廣 / 絵本作家 / 芸人

1980年兵庫県生まれ。芸人・絵本作家。 著書は、絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ& キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』『 えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』、小説に『グッド・ コマーシャル』、ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『バカとつき合うな』(堀江貴文氏と共著)『新世界』があり、全作ベストセラーとなる。 最新作絵本『チックタック~約束の時計台~』、最新文庫『新・ 魔法のコンパス』も大きな話題を呼んでいる。 2020年12月公開予定の『映画 えんとつ町のプペル』では脚本・総指揮を務める。クラウドファンディングでの合計調達額は2億7,000万円を突破。オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」 は会員数3万8,000人を超え、国内最大となっている。芸能活動の枠を越え、さまざまなビジネス、表現活動を展開中。

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