森美術館にて、2022年6月29日(水)から11月6日(日)まで、「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」が開催されます。
2020年以降、目に見えないウイルスによって日常が奪われ、私たちの生活や心境は大きく変化しました。こうした状況下、現代アートを含むさまざまな芸術表現が、かつてない切実さで心に響きます。本展では、パンデミック以降の新しい時代をいかに生きるのか、心身ともに健康である「ウェルビーイング」とは何か、を現代アートに込められた多様な視点を通して考えます。自然と人間、個人と社会、家族、繰り返される日常、精神世界、生と死など、生や実存に結びつく主題の作品が「よく生きる」ことへの考察を促します。
また、本展では、美術館ならではのリアルな空間での体験を重視し、インスタレーション、彫刻、映像、写真、絵画など、国内外のアーティスト16名の作品を紹介します。五感を研ぎ澄ませ、作品の素材やスケールを体感しながらアートと向き合うことは、他者や社会から与えられるのではない、自分自身にとってのウェルビーイング、すなわち「よく生きる」ことについて考えるきっかけになることでしょう。本展のタイトル「地球がまわる音を聴く」は、オノ・ヨーコのインストラクション・アート(※)から引用しています。意識を壮大な宇宙へと誘い、私たちがその営みの一部に過ぎないことを想像させ、新たな思索へと導いてくれるものです。パンデミック以降の世界において、人間の生を本質的に問い直そうとするとき、こうした想像力こそが私たちに未来の可能性を示してくれるのではないでしょうか。
(※)コンセプチュアル・アートの形式のひとつで、作家からのインストラクション(指示)そのもの、あるいはその記述自体を作品としたもの。
<出展アーティスト>
エレン・アルトフェスト 1970年ニューヨーク生まれ、同地およびコネチカット州ケント在住
青野文昭 1968年宮城県生まれ、同地在住
モンティエン・ブンマー 1953年バンコク生まれ、2000年同地にて没
ロベール・クートラス 1930年パリ生まれ、1985年同地にて没
堀尾昭子 1937年徳島県生まれ、兵庫県在住
堀尾貞治 1939年兵庫県生まれ、2018年同地にて没
飯山由貴 1988年神奈川県生まれ、東京都在住
金崎将司 1990年東京都生まれ、同地在住
金沢寿美 1979年兵庫県生まれ、東京都在住
小泉明郎 1976年群馬県生まれ、神奈川県在住
ヴォルフガング・ライプ 1950年ドイツ、メッツィンゲン生まれ、ドイツ南部、南インドおよびニューヨーク在住
ゾーイ・レナード 1961年ニューヨーク生まれ、同地在住
内藤正敏 1938年東京都生まれ、同地在住
オノ・ヨーコ 1933年東京都生まれ、ニューヨーク在住
ツァイ・チャウエイ(蔡佳葳)1980年台北生まれ、同地在住
ギド・ファン・デア・ウェルヴェ 1977年オランダ、パーペンドレヒト生まれ、ベルリン、アムステルダムおよびフィンランド、ハッシ在住
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【展覧会レポート】森美術館「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止のため、各美術展・イベントについては、臨時休館対応等を行っている場合がございます。最新情報は各美術館・イベントの公式ウェブサイトをご覧ください。
国立新美術館、サントリー美術館、森美術館の各美術館で3つの展覧会が同日にスタート。
今回をきっかけに、3館まとめて展覧会めぐりをしてみては?
2022年6月29日(水)開幕
国立新美術館「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション」
サントリー美術館「歌枕 あなたの知らない心の風景」
森美術館「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」