21_21 DESIGN SIGHTでは、2026年3月8日(日)まで企画展「デザインの先生」が開催中です。本展では、ブルーノ・ムナーリ、マックス・ビル、アキッレ・カスティリオーニ、オトル・アイヒャー、エンツォ・マーリ、ディーター・ラムスの6氏をデザインの先生とし、それぞれの代表作やプロジェクトを紹介。さらに、ビル氏、アイヒャー氏に学び、日本におけるデザイン学の礎を築いた向井周太郎氏についても深く掘り下げながら、一つの展覧会として構成しています。


ギャラリー1では、DRAWING AND MANUALの菱川勢一氏による映像インスタレーションを展開。当時の写真や映像を通して、6名の活動を網羅的に紹介しています。これについて展覧会ディレクターの川上典李子氏は「彼らを知らない若い世代には新しい出会いとして、知っている方にとっては新しい一面を知る機会になれば」と記者会見で説明しました。

続くギャラリー2では、実際の作品を展示しています。デザイナーとしてだけでなく、アーティストや絵本作家、教育者など多岐にわたって活動したブルーノ・ムナーリ氏がデザインした家具《アビタコロ》は、子どもの成長や好みに合わせてカスタマイズが可能です。展覧会ディレクターの田代かおる氏は「彼が持つユーモアの力が、今の時代には大切だと感じさせられます」と紹介しました。

アキッレ・カスティリオーニ氏といえば照明器具が有名ですが、単に「器具」を作るのではなく、光を誰に届けるかを考えていた人であると田代氏。会場では、《アルコ》などの著名な照明を実際に見ることができます。

エンツォ・マーリ氏は、社会に対して常に怒りを持ち続け、それを原動力に2,000以上のプロジェクトを行いました。単に美しいだけでなく、その背景にある本質を問い続けた厳しい人であったといいます。

ウルム造形大学の初代校長でもあるマックス・ビル氏は「プロダクト・フォルム」という考え方を提唱しました。実用性だけでなく美しさも機能の一つであり、日常文化を形成することが「環境形成」であると考えました。

オトル・アイヒャー氏は、ルフトハンザドイツ航空のCIやミュンヘンオリンピックのピクトグラムで知られています。ビジュアル・コミュニケーションの重要性を説き、デザインを社会や生活全般に繋げようと尽力しました。

90歳を超えてなお現役のディーター・ラムス氏は、1970年代からすでに地球環境への危機感を訴え、デザイナーとしての責任を問い続けてきました。今回は製品の「後ろ側」まで見せる展示構成になっており、その徹底して考え抜かれたデザインを堪能できます。

会場内には、先生たちの名言が点在しています。そのほか、深澤直人、向井知子、多木陽介、金井政明、三澤遥の5氏それぞれが、デザインの先生の教えが今後どう生きていくのかを語る撮り下ろしインタビュー映像も上映されているのでお見逃しなく。

「コミュニケーションの形が変わってきた今だからこそ、『デザインとは何か』について深く考えるきっかけを作りたかった」と話す川上氏。生きた時代は重なるものの異なる個性と哲学をもつ6名の先生から、多くのことを学べる展覧会となっていました。
編集部 齊藤
企画展「デザインの先生」
会期:2025年11月21日(金)~2026年3月8日(日)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
休館日:火曜日
開館時間:10:00〜19:00(入場は18:30まで)
主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
後援:文化庁、経済産業省、港区教育委員会、イタリア大使館、スイス大使館、ドイツ連邦共和国大使館
助成:サカエ・シュトゥンツィ基金
特別協賛:三井不動産株式会社
協力:国立工芸館、武蔵野美術大学 美術館・図書館、学校法人多摩美術大学、有限会社クワノトレーディング(パージナ)、株式会社竹尾、株式会社デルフォニックス、フロスジャパン株式会社、株式会社メトロポリタンギャラリー
展覧会ディレクター:川上典李子、田代かおる
企画協力:向井知子、板東孝明(武蔵野美術大学 基礎デザイン学科 教授)
企画協力、告知グラフィックデザイン:SPREAD
会場グラフィックデザイン:UMA/design farm
会場構成:TONERICO:INC.
映像制作:菱川勢一(DRAWING AND MANUAL)
21_21 DESIGN SIGHT ディレクター:佐藤卓、深澤直人
アソシエイトディレクター:川上典李子
プログラム・マネージャー:中洞貴子
プログラム・オフィサー:安田萌音
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.2121designsight.jp/program/design_maestros/
