チームラボ《Massless Amorphous Sculpture》teamLab, Massless Amorphous Sculpture © teamLab
京都市が芸術文化を通してエリアを発展させようと進める、「京都駅東南部エリアプロジェクト」の⼀環として、京都市南区に没⼊型の常設アートミュージアム「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」が、2025年10月7日(火)にオープンします。延べ面積約10,000平方メートルの空間で、チームラボのミュージアムとしては国内最大となります。
本ミュージアムでは、これまでの常識的な物質の概念を超えた作品が50作品近くも展開予定。新作や⽇本未公開作品も多数登場ということで、注目が高まります。今回は、8月5日(火)に開催されたプレス向け内覧会にて公開された作品の他、一部作品を抜粋してご紹介します。京都駅から徒歩約10分。身体ごと没入する体験ができる新しいミュージアムを是非チェックしてみてください。
《Massless Amorphous Sculpture》
石鹸の泡と水と空気でできている空間で、石鹸の泡が巨大な彫刻となり人々を包みます。現在、アブダビのチームラボフェノメナ、マイアミのアートセンターで展示されていますが、今回日本では初公開となります。
この彫刻作品は泡の海から⽣まれ、物体の常識を超えて空間の中ほどに漂い続けます。地⾯に沈むこともなく、天井まで上がりきることもなく、輪郭は曖昧で変化し続けます。千切れて⼩さくなったり、くっついて⼤きくなったりしながらも、⼈がその中に⾝体ごと⼊り込んでも存在を保つ特異な性質を持ちます。壊れても⾃ら修復しますが、修復可能な範囲を超えて破壊されると崩れていきます。さらに、この彫刻は⼈間の物理的な⾏為では動かすことができず、⾵をあおぐと散り散りになってしまいます。「物体」とは異なり、環境が⽣み出すエネルギーの秩序によって成り立ち、環境とは切り離すことができません。このような彫刻を"High Order Sculpture"と呼んでいるそう。
《Morphing Continuum》
無数の銀の球体が浮遊している空間で、球体が集まって彫刻になって、うごめいていく作品です。次々に生まれる浮遊する彫刻がとても印象的です。
よく目にすることのある物体的彫刻ではなく、特別に設計された環境により生み出されたエネルギーの秩序によって、銀の球体がその時にしか生まれない彫刻を形どります。物体による存在を超越し、環境とともに変化、浮遊し続けるまったく新しい彫刻を体感することができます。
《Untitled》
尾形光琳による《燕子花図屏風》がデジタル表現された作品は圧巻。壁面も屏風のような表現がされていて、まるで作品の中に入っていけるような感覚になります。オープンの頃には作品名や、作品についての詳細も発表されると思いますが、京都らしさを味わえる空間となっていました。
《鳥道》
浮遊間のある空間に、神秘的な数十万の鳥の群れの動きを描き出している作品。座って上を見上げる形で鑑賞する作品でした。
物や物事が時間や場所でバラバラに存在していても、それらがルールや秩序を持っていると、一つのまとまった存在として認識することができるそうです。見た目や大きさが変わったり、中身が入れ替わっても、一つの巨大な存在として感じられる。このような「時間と場所を超えた存在」は、物体的存在とは違う新しい可能性を提示します。ここでは、その「時間と場所を超えた存在」が描かれています。
以上4作品の他、《呼応するランプの森》を含む計7作品が公開されました。その他の作品は目下制作中とのこと。登場予定の作品をいくつかご紹介します。
《質量のない太陽と闇の太陽》
「私たちは、⾒ている世界を認識しているのではなく、認識している世界を⾒ている。」
光の球体は、触れようとすると強く輝き、その光が周囲に連鎖して広がりますが、これらは物理的には存在せず、認識の中でのみ現れます。光と闇の球体には物質的な境界がなく、環境や体験者の認識によって形づくられる「認識上の彫刻(Cognitive Sculpture)」です。この作品は、環境が生み出す現象を通じて、私たちに「存在とは何か」という問いを投げかけます。
《Traces of Life》
「作品空間は⼈々と⼀体となって動き、⼈々の⾜下には痕跡が残り続ける。痕跡は⼀本の⻑い軌跡となり、作品世界に残り、⼤きな存在になっていく。」
この作品では、⼈がいない状態では空間だけが存在し、何も描かれず、⼈が存在することで、はじめて作品が描かれるのだそうです。タイトルや作品説明から想像すると、みんなでつくるアート作品のようです。オープンが待ち遠しいですね。
チームラボは、今年4月に、アブダビのサディヤット⽂化地区に「チームラボフェノメナ(teamLab Phenomena Abu Dhabi)」をオープンしたばかり。総床⾯積は17,000平⽅メートル。チームラボが提唱するコンセプト「環境現象」をテーマに、特異な環境下によって⽣み出される現象によって作品群がつくられており、早くも好評を博しています。
2024年に麻布台ヒルズにオープンした「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」も連日多くの来場者が後をたちませんが、これからも、日本各地、そして世界でも、チームラボによるミュージアムがさらなる広がりを見せてくれそうです。
「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」
住所:京都市南区東九条東岩本町21-5(https://maps.app.goo.gl/LTueGUNBZbGpXvGf6)
開館日:2025年10月7日(火)常設
開館時間:9:00~21:00
※最終入館は、19:30
※開館時間が変更になる場合がございます。公式ウェブサイトをご確認ください。
休館日(2025年):10月21日(火)、11月4日(火)、11月18日(火)、12月2日(火)、
12月16日(火)
※休館日が変更になる場合がございます。公式ウェブサイトをご確認ください。
チケット価格:
大人(18歳以上):3,800円〜
中学生・高校生(13~17歳):2,800円
子ども(4~12歳):1,800円
3歳以下:無料
障がい者割引:大人価格の半額
フレキシブルパス(時間指定なし):12,000円
※事前日時指定予約制です。
※大人と障がい者割引につきましては変動価格制を導入し、日によって金額が異なります。
日別の価格をご確認の上、日時指定チケットをお買い求めください。
※現地での購入の場合、上記価格に+200円となります。
チケット購入:https://www.teamlab.art/jp/e/kyoto/
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):https://www.teamlab.art/jp/e/kyoto/