9月29日(木)、「2016年度グッドデザイン賞」の受賞発表が行われました。受賞件数は1,229 件、9月から11月にかけて、「G展」として丸ノ内で行われる「みんなで選ぶグッドデザイン大賞」展や、東京ミッドタウンを中心に開催される「GOOD DESIGN EXHIBITION」などで作品が展示されます。今回訪れた「私の選んだ一品2016」展もそのひとつ。その内容をご紹介します。
「私の選んだ一品2016」展は、グッドデザイン賞の審査委員が、自身のお気に入り作品を紹介する展覧会。会場には、76名の審査委員と同じ数のパネルがずらりと並びます。
パネルの表には、受賞作品の写真と、手書きのキャッチコピーが。
裏には選者の紹介と、書き下ろしのショートエッセイ。ジャックランタンのゴミ袋を選んだのは、平林奈緒美さんでした。以下、六本木未来会議に登場したクリエイターの皆さんのセレクトをご紹介。
東京都民に配付された本『東京防災』を選んだのは、ライゾマティクスの齋藤精一さん。審査をする中で「新しい潮流の兆し」を感じたという齋藤さん、こちらの作品は「防災」の姿を大きく変化させたと感じたのだそう。
柴田文江さんは、家具用のキャスター「dae caster」をセレクト。「何かとコスト優先で後回しにされがちな家具の一部であるキャスターだが、日本でもようやくこのように美しい物が生まれたことには驚いた」とコメント。
建築家の中村拓志さんも審査員のひとり。避難所用間仕切りシステムが熊本自身の避難所で活用された例を、「デザインが人々に提供できる新しい価値を示唆している」とコメントしていました。
「森の学校」で先生を務めてくれたドミニク・チェンさんが選んだのは、「Ontenna」。なんとこれ、髪の毛に装着することで、振動や光で音を知覚できるという装置。「人間の認識が拡張される」と評価しています。
ちなみにドミニクさんは会場デザインのディレクションも手がけています。実物を一切展示していないのに、作品の魅力が伝わってくるという、面白い展示方法でした。
クリエイターが個人的な想いから選んだお気に入りだけあって、コメントを読むと、その作品の何が優れているのかがよくわかります。クリエイター視点で一つひとつのコメントを丁寧に見ていくと、新しい発見がありますよ。
グッドデザイン賞関連では都内3ヶ所で4つのデザイン展が順次開催されますが、メインは東京ミッドタウンを中心に開催される「GOOD DESIGN EXHIBITION 2016」。こちらの会期は10月28日(金)から11月3日(木・祝)まで、初日には「グッドデザイン・ベスト100」から選ばれる特別賞の発表も行われます。
今年のグッドデザイン大賞は、齋藤さんも挙げていた『東京防災』や、ヤンマーのトラクター「YT3シリーズ」、賃貸共同住宅「ホシノタニ団地」、ロボット・プログラミング学習キット「KOOV(TM)」など6点。今年はどんな作品が選ばれるのでしょうか? どうぞお楽しみに!
編集部 飯塚
information
東京ミッドタウン・デザインハブ第61回企画展
「私の選んだ一品2016」展〜2016年度グッドデザイン賞審査委員セレクション
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
会期:9月29日(木)~10月23日(日)
開館時間:11:00~19:00
※開館特別延長(アートナイト)10/21(金)、22(土)は11:00〜22:00
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://designhub.jp/exhibitions/2577/
「GOOD DESIGN EXHIBITION」
会場:東京ミッドタウン、渋谷ヒカリエ
会期:10月28日(金)~11月3日(木・祝)
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.g-mark.org/gde/2016/index.html