PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

六本木未来会議 アイデア実現プロジェクト#12 六本木MIX by 小西利行 PROJECT REPORT 前編

update_2016.10.19 / photo_chikako murabayashi / text_yosuke iizuka

組み合わせることで、まったく新しいアイデアを生み出す方法論。

クリエイターインタビューで生まれたアイデアを実現するプロジェクトの第12弾は、コピーライターの小西利行さんが編み出したアイデア発想法「居酒屋ミックス」の"六本木版"、「六本木MIX」です。居酒屋ミックスとは、「商品の特性やそこにあるモノ」と「ターゲットの好きなこと」を列挙して組み合わせることで、たくさんのアイデアを簡単に生む手法。10月1日(土)、小西さんが運営する六本木の「スナックだるま」で、第1回を開催しました。前編では、その様子とともに、その方法論をお届けします。

後編はこちら

「六本木MIX」で、いつもの場所がアイデアを生むための聖地に。

今回のアイデアのベースとなった「居酒屋ミックス」は、小西さんがクリエイターインタビューで教えてくれた、誰でも簡単にアイデアを生むための方法。ひとりで居酒屋にいるときに紙ナプキンに書いたメモを組み合わせて遊んでいたことがその名の由来です。それを六本木の街を舞台として行うことで、「六本木の中にどれくらいのコンテンツとしてのパワーが埋もれているのか、誰にもわからない。『六本木MIX』はその可能性を発掘してくれる」というのが小西さんの考え。

それを形にしたのは、小西さんが代表を務める会社「POOL」のメンバー(写真左から、プランナーの石向洋祐さん、プロジェクトプロデューサーの大垣裕美さん、アートディレクターの宮内賢治さん)。小西さんとともに、今回のために、方法論のブラッシュアップから事前リサーチ、当日の運営はもちろん、ロゴデザイン(下の写真)まで手がけました。「『六本木』というテーマを設けた理由のひとつは、ある程度限定したほうが人は発想しやすいから」と話すのは、大垣さん。

「アイデアって自由に出せると思われがちですが、自由すぎてもなかなか出てこなかったりするんです。『六本木MIX』は、私たちが実際に模擬的に何度か行って、ブラッシュアップさせたもの。私はふだんコミュニケーションデザインなどを手がけているので、仕事をしているときの考え方もプラスしました。『居酒屋ミックス』のやり方は企業の研修などにも取り入れていますが、今回は舞台を会社の会議室ではなく『スナック」にすることで、いっそう盛り上がると思いました。今後、この『スナックだるま』が"アイデアを出す聖地"みたいになったらいいですね(笑)」

アイデアの基本は「組み合わせること」にある。

そして第1回「六本木MIX」が開催されたこの日、「スナックだるま」に集まったのは、事前に募集したさまざまな職業の16名。今回はこのメンバーで、「六本木を面白くするアイデア」を生み出していきます。スタートにあたって、小西さんからはこんな話が。

「アイデアって、ゼロから発想するものだと思われがちです。でも、ゼロからイチを生み出せる神様みたいな人はほとんどいない。アイデアは基本的に『組み合わせ』なんです。記憶と記憶、既存と既存を組み合わせることによって、まったく新しいものになる。今回は『六本木のネガティブなところ』と、『自分ができること』『六本木らしいこと』を組み合わせて、六本木をもっと楽しくするアイデアを生んでいきます。使うのはペンとふせんだけ、誰でも簡単にアイデアを生み出すことができます」

まず例として実演したのは「映画館をもっと楽しくするアイデア」。最初に、映画館の改善したいところを左側に挙げていきます。「映画館で売っている食べ物って音があまり出ないはずなのに、めちゃめちゃポップコーンをうるさく食べる人っているじゃないですか(笑)。そういう不満っていっぱいあるはず」と小西さん。

次に、実際にあるものや特徴と、自分ができることを右側に列挙。ここでは「全席座り席」「ビールやドリンクを提供」が映画館の特徴で、「サイトがつくれる」「料理が得意」などが自分(小西さん)のできること。

そして最後に、右と左を組み合わせてアイデアを出していきます。立ち見金額を設定、食事つき鑑賞会を開催、パンフレットをデジタル配信......。さまざまなアイデアを生み出すまでを、小西さんは15分ほどで行ったのだそう。

「ひとりでばーっと組み合わせただけで、これだけ出てきます。こうやって出てきたアイデアのうち、実際に実現できるのは100個に1個くらい。でも、バカだなと思いつつ、もしかしたら実現できるんじゃないか? というくらいが面白い。六本木MIXって、飲み会で盛り上がるための、いわば『組み合わせを楽しむ』ものだと思っておいてください。へんてこな発想のほうが爆発することが多いんです。では、実際にやってみましょう」

INTERVIEW

RELATED ARTICLE