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INTERVIEW
69
えぐちりかアートディレクター Rika Eguchi / Art Director
Rika Eguchi / Art Director

『人を楽しませる、未来の街とアートと広告と』【前編】

アートに頼るのではなく、六本木自体がアートになる。

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update_2016.07.06 photo_tsukao / text_kentaro inoue

広告会社のアートディレクターとして数々のキャンペーンを手がけるかたわら、国内外でインスタレーション作品を発表、ガラス製たまごのテーブルウエアシリーズ「バーンブルックのたまご」などのオリジナルプロダクトに、フィギュアスケート高橋大輔選手のコスチュームデザインなどなど、えぐちりかさんの仕事はとにかく多彩。広告クリエイターであり、アーティストでもある、えぐちさんならではの人を楽しませる街のつくり方とは?

後編はこちら

プロポーズは、六本木でした。

 私、六本木には、公私ともにお世話になっているんです。2009年に、JAGDA新人賞をいただいてからは、展示に参加させてもらったり、JAGDA賞の審査をさせてもらったり。私の作品「バーンブルックのたまご」シリーズを、学生時代に置いてくれたのは六本木ヒルズのミュージアムショップだったし、今は制作をお休みしていますが、国立新美術館の「スーベニアフロムトーキョー」でもオープン時から取り扱ってもらっていました。

JAGDA賞

JAGDA賞

日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が、優れたグラフィックデザインを表彰・記録することを目的に、2008年に創設。今年度の優秀作品は、東京ミッドタウン・デザインハブの「日本のグラフィックデザイン2016」で展示中(写真/2016年8月8日まで)。

 プライベートの話をすると、30歳の誕生日をお祝いしてもらったのも六本木だったし、しかも......プロポーズをされたのも六本木なんです。今は全然そんな感じじゃないんですけれど、独身で絶頂期だった頃は、記念日は六本木で、みたいな(笑)。

 結婚してからも、家族で森美術館に出かけることもあるし、映画を観るのはTOHOシネマズ 六本木。自分にとってこの街は、ちょっとだけ非日常を楽しむ場所。それはもちろんすてきですけど、最近はセレブでコンサバなイメージが強いので、もうちょっとだけはっちゃけてほしい(笑)。そうすれば、日常的に行きたいと思える場所になるのかなって。

駅を降りた瞬間、360度どこを見てもアートな街。

 せっかく「デザインとアートの街」というのなら、街全体からアートを感じられて、少なくとも街がアートと同じくらいの面白さにならないと、わくわくしないですよね。しかもどこかで成功した事例とか、安全パイを狙っていくんじゃなくて、もっと既成概念をくつがえすような。

 たとえば、駅を降りた瞬間、360度どこを見てもアートが置いてあるとか。もちろんパブリックアートを置くのもいいし、わざわざ美術館に行って作品を鑑賞するのも悪くはないけれど、街を箱と考えるんじゃなくて街自体がアートだって考えていくと、全然違うものが生まれるはず。アートに頼るんじゃなくて、自分たちがアートになってみる、というか。

 アートの街の標識はどういうふうになるんだろう? アートの街の広告はどういうものがいいんだろう? 私が美術館にアートを観にいく理由は、頭をもっとやわらくしたいとか、こういう考え方もあるんだという気づきをもらいたいから。全然違う価値観を見せてくれるのがアートだし、それを見いだしてくれる人がアーティストだと思っています。だとするなら、アートの街の標識も広告も当然、どこかで見たことがあるものや、ましてつまらないものじゃダメですよね。

 一歩踏み込んだだけで、ここは普通の考え方でつくられた街じゃないんだって感じさせるくらいインパクトがあったら、「六本木を見てみたい!」ってなると思うんです。

バーンブルックのたまご

バーンブルックのたまご

えぐち氏が学生時代に制作した、卵そっくりなガラス製のアート作品。国内外の美術館でインスタレーション作品を発表し、岡本太郎記念現代芸術大賞などを受賞。お皿、カップ、ブックスタンドなど、さまざまなプロダクトも販売していた(現在は休止中)。

えぐちりか(アートディレクター / アーティスト)

自分の中の"ここまで"を広げていきたい。

 仕事をするときにいつも意識しているのは、「広告ってここまでだ」とか「デザインってここまでだ」っていう、その"ここまで"を、できるだけ広げたいということ。広告ってどうしても媒体も決まっているし、いろいろ制約も多いので、広告に対して寛容な街をつくるのも面白いですね。

 たとえば、街の一角がそのまま広告になっちゃう。その広告も普通のつくり方じゃなくて、ビジュアルはアーティストに頼んでみる、平面じゃなくてモニュメントやパフォーマンスだっていいかもしれない。コピーライターではない人にキャッチコピーをつけてもらう。それをクリエイティブディレクターがまとめて広告として落としこんでいくような。

 今までにない広告をつくるなら六本木だよねという評判が広まれば、世界中からそんな街を見てみたいという人が集まってくるので、自然と拡散もしていく。もちろんクライアントだって集まりやすい。面白い広告を打つなら六本木がいいよ、ってなるんじゃないかな。

作品がアートかデザインかは、他人が決めること。

 インスタレーションや絵本など、私は広告屋にいながら個人で作品もつくっていますが、そもそもアートだからとか、デザインだからということを、ふだんあまり意識してないんです。目的が果たされていればオッケーというか。広告なら当然、この商品を売りたいとか、好きになってほしいとか、クライアントの要望としてお客さんに伝えたいことがありますよね。アートの場合は、それが自分の中から出てくるものや、設定したテーマだというだけ。

 どちらにしても、どうやって人に想いを届けるかっていうところは変わりませんよね。もしかすると、ストレートに伝えるんじゃなくて、全然違う方向から着地させたほうが面白いってなるかもしれない。じゃあ、今まで見たことがなかった表現にチャレンジしてみようかとか、いつもそうやって考えるようにしています。

パンのおうさま

パンのおうさま

パンが大好きな王様が、国じゅうのものを「パンにしてしまいなさい」とおふれを出し......。表紙がスポンジでつくられ見た目もパンにそっくりな、えぐち氏が初めて手がけた絵本。

セレブでコンサバから「ギリギリだけどアリな街」へ。

 この間、タイのナイトマーケットに行ったら、すごく狭い場所に、食べ物や服に加えて、生きた魚や大量の動物が、ぎゅうぎゅうにひしめき合って売られていました。ちょっと怖いくらいで、「何これ!ヤバい!」って。暑いしずっといると気持ち悪くなってしまうんだけれど、子どもたちにも見せたい、こんな世界もあるんだよって教えたくなるような場所でした。

 六本木もセレブでコンサバじゃなくて、ギリギリで、これアリなんだみたいな、クレイジーな方向を狙ったほうがいいのかもしれない(笑)。たとえば「六本木アートナイト」は、今は1年間に数日の学園祭のようなイベントですが、365日ずっとやっているってなったら......。そういう「ヤバさ」があると、また来たいとか、そこから刺激を受けたいっていう人が世界中から集まってくるはず。

 でも、そういう場所をつくるには、他でも売られているようないいものをバーッと集めてもたぶん無理で、そこにしかない何かをつくらなければいけません。もちろん、ただギリギリで危ない街じゃダメで、ヤバさと日常がうまく調和した「ギリギリだけどアリな街」。そのためには、きっとアートだけじゃなくて、デザイン的な力も必要になってくるでしょうね。

後編はこちら

えぐちりか

えぐちりか / アートディレクター・アーティスト
えぐちりか / アートディレクター・アーティスト

北海道帯広生まれ。多摩美術大学大学院工芸科ガラス専攻卒業。アートディレクターとして働く傍ら、アーティストとして国内外で作品を発表。著書絵本「パンのおうさまシリーズ」が小学館より発売。広告、アート、プロダクトなど様々な分野で活動中。

主な仕事に、オルビス「DEFENCERA」、「PEACH JOHN」CM・グラフィック、ベネッセこどもチャレンジbaby教材デザイン、ソフトバンク「PANTONE6」CM・グラフィック、TBS「TBS6チェン!」キャンペーン、PARCOやLaforet原宿などのファッション広告、日本とNYで開催したNTTdocomoドコモダケアート展「HOW TO COOK DOCOMODAKE?」トータルディレクション、「優香グラビア&ボディー」装丁、CHARA、木村カエラ等のアートワークなど。

イギリスD&AD金賞、スパイクスアジア金賞銀賞、グッドデザイン賞、キッズデザイン賞、インターナショナルアンディーアワード銀賞、JAGDA賞、JAGDA新人賞、ひとつぼ展グランプリ、岡本太郎現代芸術大賞優秀賞、街の本屋が選んだ絵本大賞3位、LIBRO絵本大賞4位、他受賞多数。 青山学院大学総合文化政策学部えぐちりかラボ非常勤教員。

HP http://eguchirika.com
BLOG http://eguchirika-blog.com

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