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INTERVIEW
43
八谷和彦 × 小松宏誠メディアアーティスト × アーティスト Kazuhiko Hachiya × Kosei Komatsu / Media Artist × Artist
Kazuhiko Hachiya × Kosei Komatsu / Media Artist × Artist

『六本木の公共空間×アートのこれからを考える』

アートナイトの日は道路を歩行者天国に。(八谷) キュレーションされたパブリックなスペースを。(小松)

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  • NO43 八谷和彦 × 小松宏誠 『六本木の公共空間×アートのこれからを考える』
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update_2014.06.04 photo_ryoma suzuki / text_kentaro inoue

先日行われた「六本木アートナイト2014」で、「風の谷のナウシカ」のメーヴェをモチーフにした「オープンスカイ:M-02J」(写真)を展示した八谷和彦さんと、水しぶきにより池の底の模様に動きが生まれるインスタレーション「鳥のように_ディスプレイ_毛利庭園」を手がけた小松宏誠さん。このおふたり、実はアートコンペ「Tokyo Midtown Award 2008」では、審査員と受賞者という関係でした。インタビューは、まずはそのときの思い出話から。

ただ悔しかったTokyo Midtown Award。

八谷小松さんが受賞したのは、Tokyo Midtown Award アートコンペの初回、この賞にはどういう作品がふさわしいのか、その方向性もまだ定まっていない段階。いろいろ迷いもあったけれど、審査員全員、公共空間の中に展示されるという条件の中で、なるべくチャレンジングな作品を選ぼうという意識だけは共通していました。

小松一番楽しい時代ですね。もともと僕は、建築からこの世界に入ったので、発表の機会をつくろうと、コンテスト荒らしみたいな感じでコンペに応募していたんです。新しくできた賞で、(当時は)若手の縛りもある、これはやるでしょう! みたいな。しかも六本木で展示をすれば、いろんな人が見てくれるかもしれない。当時はまだ、ギラギラしてたので(笑)。

八谷この年、グランプリは該当作品なしだったけど、結果発表を受けたとき、「グランプリ出してよー」、みたいな気持ちってありました?

小松岡本太郎記念現代芸術大賞(現・岡本太郎現代芸術賞)とかも、ずっと出ていなかったので、そういうのはなかったです。みんな、設定した枠組みを超えるものを見たがっていたんだと思うし。それよりも、僕の作品は佳作だったので、やったーという感覚はまったくなくて、ただ悔しかったですね。

八谷今だからいうと、僕、小松さんのもっといい作品を知っていたので......。本当はそういう見方はよくないかもしれないけど、よい過去作を知っていると「君はまだまだやれるはず」って思ってしまう(笑)。

小松たしかに「求愛しつづける時計」は、自分の中でもメインの軸になる作品ではなくて、ちょっと違う方向も伸ばしてみようと思ってつくったものでした。

八谷コンペの最初の年って、審査する側もされる側も手探り。Tokyo Midtown Awardはそれからも、安定してきたかなと思っていたら、展示場所やテーマが変わっていっている。毎回同じだと、マンネリ化したり、こういうタイプの作品が受賞しやすいっていうパターンが決まってしまうので、それはいいと思いますね。

六本木は「ミニ東京」、ミッドタウンは優等生。

八谷ちなみに僕の中では、東京ミッドタウンは優等生のイメージで、たとえるなら"六本木小学校の生徒会長"。昼のこの街は、我々が代表しますみたいな(笑)。六本木は、いろんな面があって面白い街だと思いますね。

 歌舞伎町っぽいところもあるし、上野っぽいところもある、ミニ東京というか。たとえば、北側なんて上野っぽいですよね。サントリー美術館ではクラシックなアートも見られるし、落ち着いたイメージの国立新美術館もあるし。

小松若手のアーティストにとっては発表の場も多いし、森美術館とか本当に目指したいと思える場所もある。しかも、Tokyo Midtown Awardのように公共の場が解放されていて、チャンスが転がっている匂いもするし、アートナイトではゲリラ的なことをやる人もいる。それが受け入れられているかどうかは知らないですけど(笑)。

八谷どういうところって聞かれても、一言で言えない。安い店から高い店まで全部あるし、外国から来た人にとっては、夜遅くまで開いている店があるというだけでも価値がある。もちろん渋谷とか新宿でも夜遊びはできますけど、もうちょっと安全っていうのも、六本木のいいところかな。

小松ものすごくデザインされたおしゃれなところがあったり、反対にカオスなところがあったり、いろんな方向性があって偏っていない。僕、なんにしてもメインストリーム一本っていうのがあんまり好きじゃないので、振り幅があるのはいいと思いますね。

オープンスカイ:M-02J

オープンスカイ:M-02J

2003年からスタートした「風の谷のナウシカ」に登場する航空機「メーヴェ」を参考に「パーソナルジェットグライダー」をつくるプロジェクト。2013年には、ジェットエンジンを搭載した機体の飛行にも成功した。

鳥のように_ディスプレイ_毛利庭園

鳥のように_ディスプレイ_毛利庭園

六本木ヒルズ内、毛利庭園の池の底に光の模様を沈め、水しぶきによって動きを生み出すインスタレーション。鳥の求愛行動(ディスプレイ)のように、池そのものが存在をアピールしているような風景をつくり出した。

Tokyo Midtown Award

Tokyo Midtown Award

2008年に設立された、東京ミッドタウンが主催するコンペティション。アートコンペとデザインコンペの2部門で、「JAPAN VALUE」を基軸テーマに作品を選定。小松氏は孔雀の羽を針にした360個の時計からなる「求愛しつづける時計」(写真)で、2008年に佳作を受賞。

一夜限りのアートナイト、その難しさとは?

八谷六本木アートナイトについては、本音をいうと「え、一晩だけなの?」みたいな気持ちがあります(笑)。僕、自分の展示が2ヶ所にあって、さらに六本木夜楽会というイベントにも参加していたので、イベントを楽しんだり、他の人の展示を見るヒマがまったくない。小松さんの作品も、申し訳ないんですけど、見にいけていないんですよ。出てる側からすると、せめてもう1日、プレビューの日があるといいなと思いますね。

六本木夜楽会
六本木アートナイト2013から開催されている、六本木にあるさまざまな飲食店を舞台にクリエイター同士が語り合うトークイベント。今年は、八谷氏のほか、箭内道彦氏、真鍋大度氏、森本千絵氏など20名ほどが参加した。

小松同じくプレイヤー目線でいうと、屋外で展示をするときは、どこを狙えばいいのかが難しい。一晩限りだから、当日の天気にもめちゃめちゃ左右されるし、ターゲットは昼なのか夜なのか、雨でもOKなのか、とか。

八谷今回、僕が「オープンスカイ:M-02J」をミッドタウンの1階に置いたのもそう。あそこは、三方がビルに囲まれていて風が吹き込まないんです。実際、去年のアートナイトでも風で作品が壊れるのを見ていたし、秒速10メートルくらいの風が吹いたら普通に飛んでしまうので。

小松凧みたいに上げることもできるんですか? 風の谷みたいに飛ばしておいてほしいけど。

八谷海みたいに一方向からずっと風が吹くなら、ありえますけどね。

小松おお、それは見たい!

八谷もうひとつ見る側も含めた提案としては、歩行者天国。誰の言葉か忘れましたけど、「人は買い物をするときには必ず歩いている。車に乗ったまま買い物するやつはいない」みたいなのがあって。日曜日の銀座を歩いていると、すばらしいなと思うんです。昔は原宿にも歩行者天国があったし、下北なんかも事実上、車はほとんど入れなくなっている。道路を封鎖すると、街ににぎわいが生まれるんです。

小松たしかに。道を歩いていると、車だけテンションが違うので、覚めてしまうんですよね。

八谷そうそう。たとえば、オーストリアのアルス・エレクトロニカなんかだと、オープニングの日には街のメインストリートを全部通行止めにしていて、そこにみんなが集まって、花火が上がったり、すごくお祭り感がある。たとえば夜12時から朝6時までだけでもいいから、来年のアートナイトは道路を歩行者天国にしましょうよ。

アルス・エレクトロニカ
毎年、オーストリアのリンツで開催されているメディアアートの祭典。リンツのさまざまな場所で展覧会やパフォーマンス、シンポジウム、コンペティションなどが行われ、世界中からクリエイターや観客が集まる。

八谷和彦(メディアアーティスト)×小松宏誠(アーティスト)

4年がかりでようやく完成した「Lifelog_glider」。

小松僕は、飛ぶとか浮遊することに興味があって、鳥をテーマにした作品をつくっています。この羽根でつくられたオブジェがファンの上で浮遊する「Lifelog_glider」は、90センチくらいで、浮遊させ続けるオブジェとしてはかなり大きい。ずっとうまくいかなかったんですが、4年がかりでようやく完成しました。

Lifelog_glider

Lifelog_glider

ガチョウの羽根の輪を連ねたオブジェを大型のファンで生み出した風に乗せ、イレギュラーな動きで浮遊させ続けるインスタレーション。平成25年度メディア芸術クリエイター育成支援事業(文化庁)の支援を受けて制作、テクノロジーアートのイベント「MEDIA AMBITION TOKYO 2014」で発表された。

八谷あのとき、これを出してたら、グランプリだったのに!(笑)

小松ほんとはこういう作品で勝負したいんですけど、浮遊させ続けるのって、けっこうシビアなんです。その場所に合わせてセッティングしないといけないし、展示している部屋のドアが開いて空気が流れるだけで落ちちゃったり。

八谷ある程度以上大きいもの、しかも見て美しいものを浮かせ続けるのは難しい。ついにここまでやったか、すごいなーと思いますね。

小松こういうシャンデリアみたいな作品をつくっているうちに加工のコツを覚えて、今は羽根がどこまで踊れるかという段階にきています。ただ、美術館ではなく公共空間となると難しい。僕は公共空間での展示もけっこうやっているんですが、装飾性や見せ方も含めて、いつも苦労しますね。ほんとは、もっと大きいものがやりたいんですけど。

八谷えっ!? もっとって、10メートルくらいとか?

小松できる・・・・・・はずなんですよね。でも場所が本当になくて。どこかください、六本木さん(笑)。

"メーヴェ"をつくったきっかけは、イラク戦争。

八谷そもそも、羽根を使った作品をつくりはじめたきっかけって?

小松大学の卒業制作で、浮く素材として羽根を大量に使ったんです。それを保管していたら、夏に生き物の匂いがしてきて、動物の毛の一部なんだってことに気づいてギョッとして。羽根ってすごいハイテクなんですよ。紙とか他の素材を試しても全部ダメだったのに、羽根だけは風を含んでくれた。

 人間じゃない生物が進化して行き着いたところに、そういうテクノロジーがあるっていうのが、すごくステキじゃないですか。そういう意味では、八谷さんの作品には憧れますよね。だって、飛んでるんですよ! 普通やりたくたってできない。

八谷僕が"メーヴェの実機をつくろう"と思ったのは、2003年に起きたイラク戦争がきっかけ。アメリカのブッシュ大統領がイラクに攻撃をしたときに、当時の小泉首相が秒速で支持をしたことに唖然として。ナウシカだったらこんなことしないのに、私たちはナウシカみたいなリーダーを待望しているというのを表明するためにはじめた、というのがいきさつです。

小松僕らより一世代とか二世代上のアーティストの方は、そういう大きなテーマを持って作品をつくることを重要視していますよね。でも、学生の頃からその流れに乗っていいものか、という不安もあって。なんか、授業で習ったのと同じことをしたら終わりだろ、みたいな。

八谷それはすごく健全な考え方ですね(笑)。

小松実際、僕がやらなくても誰かがやってくれますし(笑)。美術の世界って、前の世代を否定することで、次の世代が出てくる。コンペで嫌われてもいいから、自分が楽しんでつくれるものを追い求めていたら、今の感じになっただけなんですけど。

八谷政治とか大きな事件をテーマにするのは、本当は避けたいと思っていたりします。いくら大きな事件でも、時事ネタは時事ネタなので、はじめたときは真剣に思っていても、やっぱり10年もたつと、お客さんも自分もリアリティがなくなる。「オープンスカイ」がイラク戦争と関係しているのは事実だけれど、それ以外にも要素はいくつかあって。ふだんから、ひとつのアイデアだけで作品をつくることはしないようにしています。

浮くという行為は、人間の理性を失わせるほど強い。

八谷僕も小松さんと根本的な思想は似てて、メーヴェのもうひとつのテーマは、浮遊するものを見たい、飛びたいという人間の願望だと思います。例としてどうかと思いますけど、オウム真理教だって、修業のはてに人間が浮くみたいなことを言っていて、みんなが引っかかったわけじゃないですか。重力を無視して浮くという行為は、人間の理性を失わせるくらい強い動機になると思います。

小松僕が羽根を飛ばすのに4年もかかっているのに、八谷さんのメーヴェはあのフォルムを保ったまま、人間が乗れるものをつくってしまうって・・・・・・ヤバイです。

八谷仮に100トンの物体を真上に浮かそうとすると、100トン以上のパワーがいります。でも翼を使うと、空気の力で10分の1くらいの出力で済む。小松さんも言ってましたが、羽根という仕組み自体がエレガントなものなんです。鳥って恐竜の生き残りなので、数千万年の進化の過程でそれを得てきた。いつも鳥を眺めては、「この人たち、すごいなー」って思ってます。

小松枝に止まる瞬間なんて、ミラクルですよね。すごいスピードで飛んできて、ふっと掴まれる。たぶんメーヴェも、アニメの中で描かれている動きを現実に落とすにあたって、すごい苦労をされていると思うんですけど。

八谷イメージ上ではできることが、現実の世界では、いろんな理由でできないんです(笑)。

八谷和彦(メディアアーティスト)×小松宏誠(アーティスト)

パブリックな場所にある、キュレーションされた美術館のようなスペース。

小松そうだ、今日、言おうと思っていたことがあるんです。Tokyo Midtown Awardもそうですけど、公共の場所で展示をするときにいつも感じていたのが、意外とカメラ映えしないということ。今は、写真や動画がすぐに共有されるので、それを見た人が「わぁ、すごい作品だ」と思ってもらえるような場所があるといい。ただの公共空間じゃなくて、写真写りもいい、もうちょっと展示にやさしい場所。しかも、作品を街がバシッと記録してくれて、発信までしてくれたら最高だな、と。

八谷たとえば、今日の六本木の作品はコレ、みたいなこと?

小松はい。美術館みたいにキュレーターがいて、選ばれた人はタダで展示ができるとか。

八谷パブリックな場所にあるんだけど、ちゃんとキュレーションされている美術館のようなスペース。「日本の東京の六本木の、何月何日の作品です!」なんて、1週間単位とかで世界にプッシュしてくれる。いいですね、それ。

小松制作費をもらいながら映像が撮れて、動画を集めてネット上の美術館にするのもいいし、毎日ライブ発信してもいい。

八谷今はインディペンデントなキュレーターも多いから、そういう人が、月替わりとかで担当するといいんじゃないですかね。展覧会ってどうしてもキュレーターのトーンが出るものだから、同じ人が選んでばかりだと面白くない。

小松そうですね。あんまり1ジャンルに寄ってほしくないし。

八谷みんな、そこに観光で来るんでしょうね。月曜日にネットで見て、木曜とか金曜に実際にここに見にくる。まだあってよかった! なんて。

小松六本木でカメラ映えするところって、どこですかね?

八谷東京ミッドタウンの地下にあるパブリックアート「意心帰」を外してもらって・・・・・・っていうのは冗談ですけど、あそこはそういうことするのにとてもいい場所ですよね。たとえば1年のうち神無月だけは「意心帰」が帰ってくるけど、それ以外は月替りで作品が代わるとか。

意心帰

意心帰

東京ミッドタウンの地下1階に設置されている、巨大な大理石を使ったパブリックアート。同じく安田侃氏による作品「妙夢」とともに、ミッドタウンのメインアートとなっている。

環境や天気すらもコントロールできる場所がほしい。

八谷六本木には、アートに興味がある人もそうではない人も、いろんな人が来ます。僕らがつくっているのは、アートのコンテクストがわかっていないとさっぱりわからない・・・・・・という種類の作品ではないので、そういうアーティストにとっては、六本木は非常に魅力的な街だと思いますね。

ただ、アートナイトを見ていて感じたのは、僕の作品って、横で映像を流していないとお客さんに飛ぶと思ってもらえないということ。その点、小松さんの作品の場合、実際にずっと浮かせていられる。そこがうらやましい!

小松でも僕だって、もしミッドタウン・ガーデンの芝生で何かつくりたいって思ったら、雨が降るとダメとか、風が強すぎたらダメとか、成立させるのはすごく大変。そういう意味では、ここにパリのグラン・パレみたいにガラスで囲まれた、さらに環境や天気すらもコントロールできる場所があったらいいですね。

ミッドタウン・ガーデンの芝生

ミッドタウン・ガーデンの芝生

東京ミッドタウンの東側、港区立檜町公園の隣に位置する広大な芝生広場。数種類の芝生を混ぜ合わせ、常時緑を保つように整備されている。憩いの場として解放されているほか、イベントスペースとして使われることも。

グラン・パレ

1900年にパリ万博のために建てられた、全長240メートル、高さ45メートルの建物。現在は国立グランパレ美術館として使用され、ガラス張りの屋根が印象的な空間では、特別展やファッションショーなどが行われる。

八谷急に雲が湧いて、雨が降ったり、雪が降ったり。

小松そこでしか成立できないアーティストの夢が実現できるかもしれない。最後に、そんな場所があったらいいな、という無茶ぶりをひとつ。

八谷その作品を成立させるために、わざわざでかい空間をつくっちゃう。

小松部屋を一個与えられても、天高が足りないってこともありえるので、"外だけど中"みたいな空間がいい。外だと雨が降ったり風が吹いたりする、でも外でやりたいという、人間のエゴイスティックな部分をかなえてくれる場所。あとは、よくアニメに出てくる、空中に浮いている看板も見たい。今はまだSFの世界ですけど、そろそろできるんじゃないかな(笑)。

八谷2012年の夏、ミッドタウン・ガーデンで、人工の霧とレーザーの光で水花火を出現させるというイベントをやってましたけど、看板がポコっと浮いているっていうのは、さすがにまだできてないですね。

小松ここの芝生は、何もないのがいい、だから何かをやってみたくなるんでしょうね。六本木の街ってギラギラしていて歩いていると楽しいんですけど、ヒルズからミッドタウンに移動する間に、現実に戻っちゃう。上を見上げると現実感があって、まだまだここは地球上の都市だな、みたいな(笑)。

八谷宇宙じゃないし、未来じゃない。重力にも縛られていると。

小松でも、こんな無茶ぶりも、六本木だったら許してくれるかな、なんて思ったり。実際は僕、六本木の未来より自分の未来のほうが心配なんですけど・・・・・・。

取材を終えて......
取材後、「審査員をやるには、恨まれる覚悟が必要」と話す八谷さんに、「これまで、何人も恨んできました」と小松さん。「ってことは、僕も?」「八谷さんは、むしろ助けてくれたから」というやりとりが。やさしい先輩の前で、自由に発言する後輩。そんなすてきな雰囲気が漂うインタビューでした。(edit_kentaro inoue)

八谷和彦

八谷和彦 / メディアアーティスト
八谷和彦 / メディアアーティスト

1966年4月18日(発明の日)生まれの発明系アーティスト。九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)画像設計学科卒業、コンサルティング会社勤務。その後(株)PetWORKsを設立。現在にいたる。作品に《視聴覚交換マシン》や《ポストペット》などのコミュニケーションツールや、ジェットエンジン付きスケートボード《エアボード》やメーヴェの実機を作ってみるプロジェクト《オープンスカイ》などがあり、作品は機能をもった装置であることが多い。2010年10月より東京芸術大学 先端芸術表現科 准教授。

小松宏誠

小松宏誠 / アーティスト
小松宏誠 / アーティスト

1981年生まれ。2006年東京芸術大学大学院修了後、アトリエオモヤのメンバーとして活動を開始。「浮遊」への興味から「鳥」に夢中となり、現在は「鳥」や「羽根」をテーマとした作品を展開中。自然が持つテクノロジーと人間の生み出したテクノロジーが交錯する表現を追求している。

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