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2018年06月15日

【展覧会レポート】PERROTIN東京「カラー・シャドウ」

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Daniel Arsham. Courtesy Perrotin
Photo: Kei Okano

現在、PERROTIN東京ではダニエル・アーシャムさんによる「カラー・シャドウ」が開催中です。本展では、地質物質、石膏、金属、そしてアーシャムさん初となるブロンズを用いた鋳造作品が一堂に展示されています。

アーシャムさんは、NYでペインティングやインスタレーション、パフォーマンスなど多岐にわたって活動を続けているアーティストです。PERROTIN東京では、現代におけるあらゆる文化的オブジェを滅びゆく"遺産"として作品にした、「Fictional Archeology」(フィクションとしての考古学)を発表しています。

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例えばこちらの「Bronze Eroded Bear」。よく知られるクマのキャラクターですが、そのボディは一部が剥がれ落ち、中から鉱物のようなものが見え隠れしています。まさに"遺産"となりつつあるその姿に、思わずはっとさせられるはず。

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こちらは、アーシャムさん自身が10代のころに使用していたリュックサックをモチーフにした「My Backpack」。ティーンのアーシャムさんが憧れていたのでしょうか?リュックにはNASAのマークや、人気バンドのロゴ、子ども向けキャラクターのワッペンが縫い付けられており、自分の思い出ではないにも関わらず、どこからか懐かしさがこみ上げてきました。

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"遺産"は、オブジェだけではありません。本展では、床や天井などにも工夫が凝らされています。壁面に、まるでその部分が朽ちていっているような壁紙「Erosion Wallpaper Quartz」を貼り付けることによって、会場そのものを作品にしているのです。

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本展の大きなポイントは、作品にピンクやブルー、イエローなどの鮮やかな色が使われている点です。色覚多様性を持つアーシャムさんは、これまで白、黒、グレーを使用した作品ばかりを制作していました。

しかし2015年に色覚補正眼鏡「エンクロマ」を使用した経験により、アーシャムさんは色彩の新たな解釈へと導かれました。そして今回の作品のように、オブジェ元来の色をそぎ落として単一に置き換えることにより、作品に落ちる影を色の濃淡で見事に表現したのです。

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メインフロアの奥の部屋では、日本庭園をモチーフにした作品が展示されています。写真は、1400年以上前に建てられた日本を代表するお寺・四天王寺の日本庭園を表現したものです。下にいくにつれて、かすかに濃くなっていくブルーがとても綺麗ですね。ほかにも、光明寺や太山寺をモチーフにした作品も並んでいました。

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本展は渋谷にあるアートギャラリー「NANZUKA」との同時開催。そちらでは、PERROTIN東京とはまた一味違った作品が展示されます。あわせて楽しんでみてはいかがでしょうか?アーシャムさんの作品の幅広さに驚かされること間違いなしです。



編集部 髙橋





information
カラー・シャドウ
会場:PERROTIN東京
会期:2018年5月23日(水)~2018年6月30日(土)
開館時間:11:00~19:00
休館日:日曜、月曜、祝日
観覧料:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.perrotin.com/

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