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PROJECT 六本木未来会議アイデア実現プロジェクト #15

「六本木、旅する美術教室」第15回 建築家津川恵理の「未来をつむぐデザインのアプローチ」【前編】

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  • 六本木、旅する美術教室
  • 土田貴宏
  • 津川恵理
update_2024.11.20 photo_masashi takahashi / text_takayuki okamoto

六本木の美術館やギャラリーを舞台に繰り広げられる「六本木、旅する美術教室」。アートディレクター尾原史和さんがインタビューで語った「アートの受け手側の"考える力"は、教育的なところから変えていくべき」という提案を実現するべく、クリエイターやアーティストの皆さんに、その人ならではの美術館や展覧会の楽しみ方を教えていただきます。

第15回目の「六本木、旅する美術教室」は、10月11日(金)から11月4日(月・振休)まで開催された「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2024」が舞台に。今回の教室の先生は、芸術の力や最新の技術を駆使し、人の感性・建築・社会が結び付くことで文化がいかに育まれていくかを考えている、建築家の津川恵理さん。デザインジャーナリストの土田貴宏さんを案内役に、「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2024」の展示をツアー形式で回りながら、イベントのテーマ「つむぐデザイン-Weaving the Future-」について考えました。

後編はこちら

六本木、旅する美術教室 第15回
「未来をつむぐデザインのアプローチ」

#1
今ある環境がより豊かになる視点を発見する
#2
一人ひとりが「履歴」を残す
#3
想像力を広げてくれる手法を探求する
#4
根源的な思いを形にしてみる
#5
美術鑑賞の感想をその場でディスカッションできる環境をつくってみる

美しいビジュアルから感じ取る社会課題。

冒頭、ツアーに集まった20名ほどの参加者を前に、津川さんと土田さんがご挨拶。「今日は1時間弱、皆さんと楽しく展示を見ていけたらなと思います」と、あたたかい雰囲気でスタートしました。まず向かったのは、ビジュアルデザインスタジオWOWによる《InForms》です。

《InForms》ビジュアルデザインスタジオWOW

《InForms》ビジュアルデザインスタジオWOW

情報 (Information)と形 (Form)を組み合わせ、鑑賞を通じて創造的な思考の誘発を促すビジュアルデザイン。
公式サイト:Informs | WOW

土田この作品は、2つの展示から構成されています。まずは「レアメタル産出量」をテーマにした作品。30種類位あるといわれるレアメタルですが、うち4、5種は一部地域に偏っており、紛争や労働者の人権問題の火種になっているそうです。それらがどういった特性を有し、どの国から産出されているかといったデータをもとに、棒グラフや円グラフのような手法によりビジュアル化。視覚的な美しさに引き付けられた人が、鑑賞する中で本質的な問題を意識するきっかけになるという作品です。

津川あまりにもビジュアライゼーションが美しいので、ネガティブな情報を含んでいることに、一瞬気づかずに見いってしまいますね。それこそがアートの力なのかもしれません。左脳と右脳を同時に働かせながら作品を鑑賞している感覚で、思わず引き込まれてしまいました。

VimeoInfoTexture - Vol.01 "Minor Metals Situation"


土田もう1つの展示は「世界人口」をテーマにしたもの。人口ピラミッドなどを通して、人口動態の変化にともなう社会課題が可視化されています。人口ピラミッドは、近代以前にはどの国もほぼ三角形でしたが、昨今は国によってさまざまな形になっています。

津川かなり社会的でメタなスケールなものを取り扱っているのにも関わらず、それを感じさせないアウトプットに昇華されているところがデザインの魅力ですね。

土田たとえば展示されている照明作品のシェードは、デザイナーが意図的に考えた形ではなく、人口のデータから生まれた形である点も特徴です。

VimeoInfoSculpture - Vol.01 "World Population Transition"

都市空間に投げかけられた新しい視点。

続いて向かったのは、屋外のミッドタウン・ガーデンに展示された津川さんの作品《都市の共動態》。帯状になったオブジェが2箇所、全部で70mほどに渡り伸びています。柔らかそうな質感ですが、触ってみると想像以上に硬い素材で出来ていることがわかります。絨毯のような見た目でありながら、水をかけると24時間で硬化しコンクリートになる、土木用の資材なんだとか。津川さんが制作にあたりインスピレーションを得たのは、「アーバンスポーツ」だったそうです。

《都市の共動態》津川恵理 (ALTEMY)

《都市の共動態》津川恵理 (ALTEMY)

京都工芸繊維大学KYOTO Design Labの協力により、高精度の3Dスキャナーで、東京ミッドタウン緑地エリアの複雑な地形や植生をスキャニングし、普段、無意識に歩いている場所に潜んでいるデータをもとに設計。日常で意識することのない都市の潜在的な情報を可視化することで、人々のさまざまな感性や行動を刺激し、自身が住む環境での過ごし方を発見する機会を創出する。

津川アーバンスポーツは「この場所はこういうふうに使ったら面白いんじゃないか」と、新しい見方を私たちに発見させてくれます。スケートボード、BMXなどのプレイヤーは、既存の空間に自らの体を介入させることによって、新しい意味を付加していくんです。今ある環境がより豊かになる視点を発見できたら、都市はもっと豊かになるんじゃないか。そんな思いが《都市の共動態》制作へとつながりました。

《都市の共動態》は公開されてから多くの家族連れが訪れて、子どもたちが飛び跳ねるなどして壊れてしまった箇所もあったようですが、その度に津川さんのチームが修復していたそうです。人々がそういったアクティブな行動に駆り立てられることは、制作者の津川さんにとっては予想を超えていた、とのこと。

津川建築には、常に設計者の予想を人が超えてくる状況があって。それは私からすると幸せな瞬間でもあります。使う人の想像性をかきたてて、その場を過ごす人がより野性的になる風景が、都市を豊かにすると考えています。

土田今回はイベントのために、期間限定の作品として展示されていますが、恒久的に設置されても面白い気がしますね。東京ミッドタウンは多くの現代的な建物で構成されていて、いわゆる上質な空間だと思うんです。アーバンスポーツの価値観は、それとある意味対極なところにあり、両者が共存している様子は面白いものを見たな、という気がします。

【未来をつむぐデザインのアプローチ #1】
今ある環境がより豊かになる視点を発見する

六本木、旅する美術教室#15_main_02

挑戦する気持ちをかきたてる。

芝生広場に進んでいくと、クマタイチさんが手掛けたインスタレーション《リレキの丘》が展示されています。

《リレキの丘》クマ タイチ

《リレキの丘》クマ タイチ

子どもも大人も年齢問わず、遊びの感覚が呼び起こされるインスタレーション。集う人々の行動がつむがれて、新しい景色が生まれていく。大中小3つの巨大な木製リングがつくりだす地形は、遠近感が歪み、遠くに行ったつもりなのに距離が縮まったり、急に隣に人が現れたりと、思いがけない場面やコミュニケーションを生み出した。
画像:©yuka ikenoya

土田3つの輪の方向を変えながら組み合わせることで、丘のような形が生まれています。ここを訪れた人が、登ったり滑ったりと主体的に楽しみ方を見つけていく、という点においては津川さんの作品と共通するところもあるといえますね。

クマタイチさんとは、同じタイミングでニューヨークにいたことで交流もあるという津川さん。建築家の視点で《リレキの丘》を興味深そうに眺めていました。

津川この敷地のコンテクストがよく捉えられていますね。後ろにあるフロリアン・クラール氏の作品《フラグメントNo.5》と呼応しているんです。《リレキの丘》の中心の穴から《フラグメントNo.5》を覗くことができ、模範するような形で存在しているというのも、敷地をサイト・スペシフィックに見ていて面白い部分です。天然の木を使っているので、子どもたちも安心して身を委ねられるところが良いですね。

《フラグメントNo.5》

《フラグメントNo.5》

東京ミッドタウン芝生広場にある、ドイツのアーティスト、フロリアン・クラール氏によるパブリックアート。月のパビリオンをテーマに、11個の基本パーツを組み合わせて制作している。

土田確かに《リレキの丘》が金属だったら、親しみを感じられるかどうか。おそらく印象がまったく違います。

津川《リレキの丘》の斜面の勾配は、私からすると少し「急だな」と思うところもありますが、人の挑戦する気持ちをかきたてつつ、遊具的に使えるギリギリのラインなんだろうなという感じがします。

週末には、来場者が行った行為を表現した18種類のシールが配布され、《リレキの丘》の好きな場所に貼ることができます。こうした展示作品には、通りがかった人が手を加えることはいけないという風潮がありますが、訪れた人がシールを貼ることで、多様な人々が交わり合う場にしたいという意図があるようです。

【未来をつむぐデザインのアプローチ #2】
一人ひとりが「履歴」を残す

後編はこちら

information
Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2024

会場:東京ミッドタウン各所
会期:2024年10月11日(金)~11月4日(月・振休)
展覧会サイト:
https://www.tokyo-midtown.com/jp/event/designtouch/

津川恵理津川恵理 / 建築家
津川恵理 / 建築家

神戸生まれ。京都工芸繊維大学を卒業し、早稲田大学創造理工学術院を修了。
組織設計事務所を経て、2018年文化庁新進芸術家海外研修員としてニューヨークのDiller Scofidio+ Renfroに勤務。
2019年神戸市主催「さんきたアモーレ広場デザインコンペ」で最優秀賞受賞をきっかけに帰国し、ALTEMYを設立。
主なプロジェクトに、神戸市サンキタ広場(2021)、Incomplete Niwa Archives--終らない庭のアーカイヴ展示構成@YCAM(2021)、ポーラ美術館Spectra-Pass(2021)、まちの保育園 南青山(2024)、渋谷公園通りデザインコンペ2040最優秀賞受賞(2024)など。
国土交通省都市景観大賞特別賞、土木学会デザイン賞優秀賞、東京藝術大学エメラルド賞、日本空間デザイン賞、グッドデザイン賞など受賞。

土田貴宏土田貴宏 / デザインジャーナリスト
土田貴宏 / デザインジャーナリスト

1970年、北海道生まれ。会社員を経て2001年からフリーランスで活動。国内外での取材やリサーチをもとに専門誌などに寄稿している。コンテンポラリーデザインを主なテーマとして、家具、インテリア、日用品について書くことが多い。デザイン誌『Ilmm』(アイエルエムエム)でエディターを、東京藝術大学、専門学校桑沢デザイン研究所で非常勤講師を務める。近著『The Original ー 時代を超えるプロダクトデザインの系譜』(共著/青幻舎)。

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