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PROJECT 六本木未来会議アイデア実現プロジェクト #15

「六本木、旅する美術教室」第14回 「アーティストAKI INOMATAと考える、未来のかけらの見つけ方」【後編】

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update_2024.07.24 photo_masashi takahashi / text_ akiko miyaura

六本木の美術館やギャラリーを舞台に繰り広げられる「六本木、旅する美術教室」。アートディレクター尾原史和さんがインタビューで語った「アートの受け手側の"考える力"は、教育的なところから変えていくべき」という提案を実現するべく、クリエイターやアーティストのみなさんに、その人ならではの美術館やアートの楽しみ方を教えていただきます。

第14回目の「旅する美術教室」の舞台は、21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2で開催中の「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」。教室の先生を務めるのは、生き物や自然との関わりの中で作品を作り続けているアーティストのAKI INOMATAさん。本展の展覧会ディレクターである、デザイナー、デザインエンジニアの山中俊治さんが案内役として、最先端技術や研究をベースとした先駆的な眼差しとデザインが出会うことで芽生えた「未来のかけら」を生み出す発想の原点を探ります。

前編はこちら

六本木、旅する美術教室 第14回
「未来のかけらの見つけ方」

#1
自分に関係ないと思う分野に好奇心を持つ
#2
「こんな未来があるかもしれない」と想像する
#3
協業、コラボレーションで新しい視点を取り入れる
#4
面白いと思う好奇心を育てる
#5
相手のやっていることを利用するのではなく、共感をベースにする
#6
実現を目指すだけでなく、現時点のビジョンとして楽しむ

「素晴らしい。貢献したい」と思える共感プロセスが大事。

展示を見終えたINOMATAさんは、展覧会のつくり手側の視点から、さまざまな分野の人とコラボレーションするにあたり良いものを生み出すための秘訣を聞きたいと、2人の語らいが始まりました。

INOMATA誰とコラボレーションするのかも大事だと思いますが、最終的に全員が納得できるものにするのは、すごく難しいと思っていて。例えば研究者の方が大切にされているポイントと、私が面白いと思うポイントが必ずしも同じじゃないこともあるな、と。

山中早いうちに深く共感することは、とても大事だと思います。科学者は自分の研究がかっこよく発表されるといいなと思うでしょうし、デザイナーも最先端の研究を使って自分の作品をつくれるといいなと思うでしょう。でも、その段階ってお互いに相手を利用したいだけじゃないですか。よく学生や企業のデザイナーと最先端技術を引き合わせると、「これは、何々に使えますね」という感じになっちゃうことが多いんですよ。

INOMATAそうですよね。お互いが「使えますね」となっちゃう。やっぱり、一方通行同士だと上手くいかないですね。

山中結局、「お互いメリットがあるよね」で始めちゃうと、そんなに面白いものはできない。だから、相手のやっていることを「素晴らしい。貢献したい」と思える共感プロセスがとても大事で。僕はいつも「クリエイターには科学者になってほしいって言うし、科学者にはクリエイターになってほしい」と、伝えています。

【未来のかけらの見つけ方#5】
相手のやっていることを利用するのではなく、共感をベースにする

さらに、展覧会を見る視点に話は及びます。

INOMATA私は普段から見たい展覧会をリストアップしていて、「回るぞ」と決めた日はリストの中から一気に回ったりします。それに、リストアップしておくと「今日は六本木で用事があるから、あの展覧会に行こう」といったこともできるのでいいですよ。

山中なるほど。僕は全然網羅的に探していないので、「え~そんなんあったんだ」なんてことがしょっちゅう(笑)。昔は海外旅行のときは、片っ端から美術館に行くといった感じでしたが、今は作品を1つずつ丹念に見るというより、サッと見渡して「面白そう!」というものだけを見る。この見方は妻から教わったのかもしれないですね。彼女は何かを見つけるとずっとそこにいるけれど他は素通りという感じで、「いい見方だな」と思ったんです。そういう見方をしていると気づくこともあって。例えばイタリアをうろうろしていたとき、美術館で「この人、うまい!」と思って近寄ったら3回ともレオナルド・ダ・ヴィンチだったり(笑)、何か引っかかって近寄って見たらピカソって書いてあったとか。そうやって自分が好きな作品、共感できる作家が少しずつわかってきました。

INOMATAそうなのですね! 私は会場に入ったら最初から丁寧に見ていくことが割と多いかな。あと、構成や展示の仕方もすごく気になります。どの作品も、見せ方によって結構変わってくると思うんです。私自身、同じ作品を何回か見たことがありますけれど、やっぱり展示の仕方で受ける印象が全然異なるので。展示プランを自分で考えることが多いのもありますが、例えばビーバーがかじった木を生かした作品を展示したときも、どの木をセレクトして、どの組み合わせでどう置くか、製作の資料も置くのかなど、展示の仕方は無限にあると思うんです。そういう視点もあるので他の展覧会を見るときも、「この空間をこう使ったらどうかな」と検討しながら見るのが好きですね。

六本木、旅する美術教室#14_main_04

今ある面白くて美しいものを面白がる。

山中なるほど。今のお話を聞いて、今回の展覧会でも企画メンバーに入ってもらった角尾舞さんを思い出しました。彼女はすごい数の展覧会を見ているから、「この展覧会はこういうところが素晴らしいから見た方がいいですよ」って教えてくれるんです。僕は景観としての展示空間に興味があるから、そこに立ったときにどういう印象を受けるか、どういう眺めになるかをすごく考えてデザインするけれど、コンテンツやストーリーの組み立て方は角尾さんに教わることが多いかもしれない。

INOMATA見たい景色をつくるのも大事ですよね。今回の絵巻もののように波打つ展示台も素敵でしたし。

山中僕はパリの国立自然史博物館の進化大陳列館みたいな景観に一番感動するから(笑)。博物館といえば、日本では博物館と美術館って全然違うじゃないですか。どっちもミュージアムだけれど、日本独特の分断があるなと。美しくて面白いものがいっしょくたにあってもいいのになって、いつも思うんですよ。だから、今回の「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」は、そういう感じにしたかった。

INOMATAそういった思いもあったんですね。実際にディレクションしてみて、いかがでしたか?

山中楽しかったですよ。我々プロダクトのデザイナーにとって、プロトタイプはいつも未来のための布石だけれど、こうやって展示をしたり、世の中に発表したりする中で「現時点でのビジョン提示」として意味があるなと思いました。たとえそういう未来が来なくても「最先端の技術で、こんな面白くて美しいものができちゃいました」という作品で別にいいかなって(笑)。もちろん、「未来はこうなる」「あなたたちの生活がこう変わる」と感じさせることも考えてはいるけれど、ビジョン自体にワクワクできてかっこいいと思ってもらえたらいいんじゃないかと思えたんです。SF作品って必ずしも予言じゃない。描いた未来が当たるかどうかは重要じゃなく、現在、楽しむものとして存在しているじゃないですか。この展覧会もリアルSFなんです。だから、これから見てくださる方も、今ある面白くて美しいものを面白がってもらえたらいいなと思います。

【未来のかけらの見つけ方#6】
実現を目指すだけでなく、現時点のビジョンとして楽しむ

「未来のかけら」を見つけるためには、まずは「面白いと思ったらやってみる、勉強してみる」ことが大切だな、と実感する美術教室でした。見るだけではなく、《関節する》 や《触れるプロトタイプ》 など、実際に作品に触ることができる展示コーナーもあります。夏休みにもぴったりな本展示は、9月8日(日)まで会期延長が決定しました。五感を研ぎ澄まして、未来を想像する機会にしたいと思います。

前編はこちら

information
企画展「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」

会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
会期:2024年3月29日(金)~2024年9月8日(日)
開館時間:10:00~19:00(最終入館:18:30)
休館日:火曜日
観覧料:一般  1,400円、大学生 800円、高校生 500円、中学生以下無料
展覧会サイト:
>https://www.2121designsight.jp/program/future_elements

AKI INOMATAAKI INOMATA / アーティスト
AKI INOMATA / アーティスト

1983年東京都生まれ。2008年東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修了。人間以外の生きものや自然との関わりから生まれるもの、あるいはその関係性を提示している。アンモナイトとタコを長大な進化の時を超えて出会わせる「進化への考察」、ヤドカリが世界各地の都市をかたどった透明な「やど」へと引っ越しを続ける「やどかりに『やど』をわたしてみる」、真珠母貝に小さな立体の核を挿入し、貨幣の肖像をモチーフにした真珠をつくった「貨幣の記憶」、「犬の毛を私がまとい、私の髪を犬がまとう」など、生きものと共に制作した作品を多く発表。近年の主な展覧会に、2022-2023年「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館、東京)、2022年「あいち2022」(愛知)、2020-2021年「Broken Nature」(ニューヨーク近代美術館:MoMA)、2019年「AKI INOMATA: Significant Otherness 生きものと私が出会うとき」(十和田市現代美術館、青森)、2019年「第22回ミラノ・トリエンナーレ」(トリエンナーレデザイン美術館、ミラノ)、「トロントビエンナーレ」(トロント、カナダ)、2018年「Thailand Biennale 2018」(クラビ、タイ)、などがある。作品の主な収蔵先に、ニューヨーク近代美術館、南オーストラリア州立美術館、金沢21世紀美術館、北九州市立美術館など。
Photo:Sakiko Nomura

山中俊治山中俊治 / デザインエンジニア / 東京大学特別教授
山中俊治 / デザインエンジニア / 東京大学特別教授

1982年、東京大学工学部産業機械工学科卒業後、日産自動車デザインセンター勤務。87年に独立。91~94年東京大学助教授を勤める。94年にリーディング・エッジ・デザイン設立。08~12年慶應義塾大学教授。2013年4月より東京大学生産技術研究所および大学院情報学環教授。腕時計、カメラ、乗用車、家具、通信機器など、幅広い工業製品をデザインする一方、これまでデザイナーが関わってこなかった領域の研究に参画し、様々なプロトタイプを製作、発表している。04年毎日デザイン賞受賞、ドイツIF デザイン賞、グッドデザイン賞など受賞多数。2010年「Tagtype Garage Kit」がニューヨーク近代美術館パーマネントコレクションに選定された。2023年には東京大学特別教授の称号を授与され研究活動を続けている。

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