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PROJECT 六本木未来会議アイデア実現プロジェクト #04

森の学校2022 by 六本木未来会議 PROJECT REPORT【前編】

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update_2022.11.16 photo_yuka ikenotani / text_akiko miyaura

素材や自然と「対話する様につくる」講義で自分だけの花のオブジェを。

椿昇さんと長嶋りかこさんのクリエイターインタビューから生まれたアイデア実現プロジェクト「森の学校」。六本木という都心の自然の中で、フィジカルな触れ合いを通して感性を刺激し、育む場としてスタートし、今回は約3年ぶりに開催。講師を務めたのは、TAKT PROJECT 代表の吉泉聡さん。「対話する様につくる」をテーマに、「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022」で展示されたインスタレーション《as it is. -equilibrium flower-》の花のオブジェをつくる授業を青空のもとで行いました。身の回りにある人工物=プラスチックに触れながら、自然と土地、自然と人間の関係を考える、そんな授業となりました。

後編はこちら
森の学校05_01

気持ちのいい日差しのなか3年ぶりに開催された森の学校。

青空教室日和となった10月23日(日)。会場には、子どもから大人まで幅広い年齢層の方たちが集まり、期待に胸を膨らませながら授業の始まりを待ちます。

「屋外って、なんとなく"失敗してもよい雰囲気"がありますよね。室内だと"ちゃんとしなくちゃ"という気持ちになりやすいけれど、開放的な場所にいると気持ちも大らかになりますし、試行錯誤してもいいんじゃないかという空気が生まれて、すごくいいなと思います」、と黒板の前で吉泉さん。

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《as it is. -equilibrium flower-》展示風景。日が暮れると、花のオブジェが光るインスターレション 撮影:辻井祥太郎

ミッドタウン・ガーデンでは、今回の森の学校と連動して、吉泉さんが代表を務めるTAKT PROJECTの《as it is. -equilibrium flower-》が展示されました。特殊な繊維でつくられた約2,000個もの花のオブジェが水面や芝生の上に咲き誇り、周囲の環境と共鳴しながら存在するインスタレーション。授業では、インスタレーションで用いられた花のオブジェを参加者が自らつくり、敷地内の植物で草木染めをして、自分だけの特別な作品に仕上げていきます。

森の学校05_03

身の回りにある"プラスチック"とどのように向き合うのか。

「"as it is."の展示で伝えたかったことを噛み砕いて、実際に体感してもらえたら」と考えられた今回の授業。冒頭のイントロダクションでは、サステナブルが叫ばれる今、なぜ化学繊維(化繊)を使った作品をつくるのか。「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022」のテーマ、"環(めぐ)るデザイン"とともに説明していきます。

森の学校05_04

「環るデザインと聞くと、自然物で何かつくることが思い浮かぶでしょうし、実際にそれは環るデザインになります。たとえば、素材が木であれば微生物が分解してくれて、やがて水やCO2となり、自然に還っていく。ただ、そういった自然物だけでは生活していけないほど、日常は人工物にあふれていますよね。だから、自然物だけで考えるのはあまり現実的ではなく、人間がつくってきた素材をどう扱っていけるのかを考えるほうが建設的だと思うんです」

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プラスチックは、モノマーという分子を重合させて、ポリマーと呼ばれる重合体をつくり、そのポリマーを使ってプラスチック製品が生まれます。ポリマーは分解されないため、サーマルリサイクル、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、生分解プラなど再利用の方法がいくつかあることを丁寧に伝えていきます。また、再利用をしたとしても、そのプロセスで不純物が混ざり、繰り返しの利用にも限度がある点などを補足し、その上で、プラスチックとどう上手に付き合っていくかが重要だと解説。まさに1年ほど前、クリエイターインタビューで、吉泉さんが語っていた話とリンクします。

「重要なのは、素材にどんな意味を与えるかじゃないでしょうか。今は、"プラスチックは使い捨てのものに使う"ことが、ほぼ前提になっています。使い捨てだと大量生産しなくてはならないので、均質なものになってしまう。結果、グローバルに流通するものをつくることになるので、その土地とは関係ないものになっていきます」

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大量生産品と土地を結びつける。

授業は、花のオブジェをつくる素材の説明へ。化繊でつくったオリジナルの生地を見せながら「これは、もともとはポリエステルです。いわゆるプラスチック素材ですが、これを使い捨ての感覚ではなく、大切に持てるモノにできればいいなと思っています」と語りかける吉泉さん。そして、"土地とどう結びつけるか"についても言及します。

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「プラスチック製品を、土地とダイレクトに結びつける方法がないかと考えた結果、"as it is."では、展示した花に一部草木染めを施しました。東京ミッドタウン内の木々から染料を抽出して、5種類の草木染めをした花を設置するエリアをつくりました。同じクスノキでも、生えている場所によって色に違いがでるんです。そういった差を楽しむことで、大量生産した均質なものとは逆の意味を持たせられるんじゃないか。《as it is. -equilibrium flower-》はそんな問いかけをした作品です」

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素材の変化に触れる驚きと楽しさ。

イントロダクションが終わると、オブジェをつくる練習として「造形エクササイズ」をやっていきます。作品でも使われている白い繊維は、熱を加えることで硬くなる特殊な生地。慣れないと扱いが難しいそうで、まずは生地を形づくる練習をしていきます。吉泉さんがお手本を見せるため、四角い木に生地をかぶせてヒートガンで加熱。熱を加えた一部が縮み透明になり、硬くなっていきます。

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生徒の子どもたちは「透明になってる!」と驚いたり、「次は扇風機で冷やすんですか?」と積極的に質問したりと、興味津々。吉泉さんは「そう、正解」と笑顔を見せながら、携帯扇風機を生地に当て熱を取っていきます。そして、木を取り出すと、四角く形どられた生地が完成。それに触れた小さな生徒からは、「焼きたてのクッキーみたい」など、かわいい感想も飛び出しました。

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続いて、生徒たちも実践してみることに。会場に用意された様々な形の木やビー玉、クリップやフォークといった日用品、メガネなどから好きなものを選び、それに生地をかけてヒートガン、扇風機を当てて形をつくっていきます。

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「造形エクササイズ」が終わると、いよいよオブジェづくりへと進みます。

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針金でつくった型に生地をかぶせ、花の上部になる部分に熱があたらないよう、ダンボールで挟んで固定。針金の型の上からヒートガンを当てて、オブジェの土台部分を制作していきます。次に冷風を当てて固まったのを確認し、針金の型とダンボールをはずすと、下部が器のように丸みを帯びた形に。熱を加えていない上部をハサミで自由にカットして、花びらのように整えていきます。

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一緒に参加した友人や家族と協力し合いながら、真剣な表情でオブジェつくりに取り組む生徒の皆さん。それぞれが造形へのこだわりを発揮し、愛情を込めて自分だけの作品をつくる姿は、まさに「対話する様につくる」というテーマそのもの。今回の授業で吉泉さんが伝えたかった "体感すること"が、そこにありました。

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「プラスチックはイコール悪者と思われがちですが、俯瞰的な目で見ると大切な役割を担っていることもあります。たとえば、断熱材に使うとエネルギーの使用量を減らせるというのもそう。かといって、プラスチックをたくさん使えばいいと言いたいわけじゃなく、素材をどういうものとして扱うかが重要だと思います。この授業が、少し立ち止まって、素材についての本質的な部分を考えるきっかけになればいいな、と思っています。今日の授業を通じて、"こういう捉え方もあるんだ"と感じてもらえていたら嬉しいですね」

後編はこちら

INFORMATION
森の学校2022「対話する様につくる」デザイナー・吉泉聡先生

開催日時:2022年10月23日(日)13:30~15:00
場所:東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
詳細:https://6mirai.tokyo-midtown.com/event/2022_pjt04/

吉泉聡吉泉聡 / デザイナー
吉泉聡 / デザイナー

TAKT PROJECT代表。デザイナー。 既存の枠組みを揺さぶる実験的な自主研究プロジェクトを行い、ミラノデザインウィーク、デザインマイアミ、パリ装飾美術館、21_21 DESIGN SIGHT、香港M+など、国内外の美術館やデザインの展覧会で発表・招聘展示。その研究成果を起点に、様々なクライアントと「別の可能性をつくる」多様なプロジェクトを具現化している。 Dezeen Awards 2019(イギリス)にて「Emerging Designers of the Year」に選出、Design Miami/ Basel 2017(スイス)にて「Swarovski Designers of the Future Award」に選出など、国内外のデザイン賞を多数受賞。3つの作品が、香港M+に収蔵されている。 iFデザイン賞審査員(2023年)、グッドデザイン賞審査委員(2018年-)。東北芸術工科大学客員教授、武蔵野美術大学基礎デザイン学科非常勤講師。

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