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六本木未来会議アイデア実現プロジェクト #07

六本木未来大学 by 水野学【前編】

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六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#07 六本木未来大学 by 水野学【前編】
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update_2015.06.17 photo_ tsukao / text_kentaro inoue

必要なのは、本物のクリエイティブディレクターを養成する学校。

2012年、六本木未来会議の記念すべき第1回目のクリエイターインタビューで、水野学さんが語った構想が、アイデア実現プロジェクトの第7弾としてスタートしました。「美術大学そのものをこの場所(六本木)に呼び込む」というアイデアは、4年の時をへて、どんな企画となるのでしょうか。その具体的なイメージや方向性を、水野さんに語ってもらいました。

後編はこちら

「松下村塾」や「トキワ荘」のデザイン版をつくりたい。

「イメージしているのは、幕末に吉田松陰が開いていた松下村塾。その美術版、いやデザイン版なんですよね。大学自体を持ってくるのではなくて、デザイン塾というか、クリエイティブの学校を開くような......」

 そもそも、デザイナーやアーティストなどクリエイターだけでなく、ありとあらゆる人がクリエイティブを学ぶべきだというのが、インタビュー当時から変わらない、水野さんの考え方。

「とくに同じような才能を持った同世代の人たちがひとつの箱の中で、ともに切磋琢磨することで、何かが生まれる。僕は『トキワ荘効果』というのを提唱していているんですが、藤子不二雄をはじめ有名な漫画家が集まっていたトキワ荘は、まさに松下村塾とイコール。今、慶應大学のSFCで教えていて感じるのは、普通の大学と美術大学の間に接点がないということ。若手のデザインまわりの人たちがごっちゃになって集まれる場所をつくってあげる、その拠点が六本木にあったらいいんじゃないかと」

美術やデザインには、言語化できることがもっといっぱいある。

「あるテレビのクイズ番組で、ムンクとピカソ、シャガールの3枚の絵を見分けるという問題があって、雑学王の芸能人たちもそれに答えられないんです。他のジャンルの問題はもっとずっとマニアックなのに、美術の問題だけが初級編。まさに、美術やデザインを取り巻く状況を象徴していますよね」

 つまり、美術やデザインに、多くの人がコンプレックスを持っているということ。みんなの知識が欠如している結果、まるでブラックボックスに入れられたような状態になっているのです。

「ウチのデザイナーだって、ピカソって何がすごいのって聞いたら答えられないかもしれません。他にも、人間の目はカメラのレンズでいうと50~70mm、でももうちょっと広角のほうが気持ちよく感じるのはなぜか、とか。いい写真の基準は絶対にあるはずなのに、それを学校で教えている人がいるっていうのは聞いたことがない。美術やデザインには、言語化できることがもっといっぱいあるはずなのに」

何かをつくる行為は、すべてデザイン。

「何かをつくる行為というのは、すべてデザインだと思うんです。『デザインする』とは言うけれど、『美術する』とは言わないでしょう? たとえば絵を描くときも、あれはデザインをしているのであって、美術はしていない。できあがったものに芸術的価値がついて美術と呼ばれるだけで、つくる工程自体はデザインなんですよね」

 なぜ、こうした「デザイン塾」の構想を持つに至ったかといえば、世の中では、デザインが美術に従属したものだと思われてしまっているから。たとえば、デザイン学科の多くが美術大学にしかないというのもそう。

「デッサンとか表現の技法を教える美術の学校は、美大を含めてたくさんありますよね。そうではなくて、もっとデザインというものの考え方自体を教えてくれる学校があったらいいなあと思って」

「今、世の中には、デザインがすごく求められているのに、需要と供給のバランスが完全に乖離してしまっています。企業はデザインや、デザイン的思考がほしくて仕方ない、けれども企業がほしいデザインを提案できるデザイナーはすごく少ない。10年くらい前からずっと、僕はこの状況に警鐘を鳴らしているんですが、誰も耳を傾けてはくれませんでした」

フリーランスのデザイナーが内容もギャランティもよくない仕事を多くこなさざるをえない一方で、大きなコンサル会社が莫大なギャランティを稼ぐ。日本のクリエイティブマーケットは年々、格差が広がっているといいます。話は、次第にデザイン界の現状と抱えている問題、そして、この「六本木未来大学」が、どんな人材をつくっていきたいかへと移っていきました。

クリエイティブの技術を使って経営できる人は世界に何百人もいないかもしれない。

「企業や商品の競争力は、デザインで差がつく時代になっていると、みんなわかっているけれど、それに応えられるデザイナーがいない。言い換えれば、クライアントにデザインを通訳できる人。プロデューサーという言い方が正しいのか、それともクリエイティブディレクターという言い方が正しいのかわかりませんが、そういう人たちを育成していくことが今、必要なんじゃないかと思っています」

 では、クリエイティブディレクターとは、いったいどんな人なのでしょう。水野さんいわく、クリエイティブディレクターとは、「経営がわかるセンスのいい人間」。美しくてかっこよくて、使いやすくてわかりやすい、みんなが親しみを持てる企業や製品、広告をデザインできる人で、代表的なのはスティーブ・ジョブズ。

「僕は、SFCの学期初めの授業でこう言います。今、世の中にクリエイティブディレクターという人間がすごく必要とされている。でも世界でクリエイティブディレクターは、わずか数人か数十人。たとえるなら、1000人収容の劇場があるのに、席がガラガラの状態。だからみんな早くこっちに来なよ、って。ただ、僕が言うクリエイティブディレクターと、今、世の中で活躍しているクリエイティブディレクターは違う仕事の場合が多いんです。もしかすると、僕が指している役割は、クリエイティブディレクターという呼び方は適していなくて、もっと違う新しいジャンルの仕事なのかもしれません」

デザインは問題解決、クリエイティブは問題を発見する能力。

「デザインが問題を解決する能力だとすれば、クリエイティブというのは問題を発見する能力。しかも発見できれば、デザイナーでなくとも解決はできます。たとえば最近では、クラウドソーシングのサービスを使ってコンペをすることができますが、見ていると、いいデザインのロゴマークがいっぱい提案されているんですよ。どのロゴが今ある問題を解決してくれるか、それを判断できる人がいれば、クラウドソーシングでも十分。デザイナーは誰でもいいんです。でも、その判断に自信を持てないんだとしたら、的確な判断を下してくれる役割の人と組んで、一緒に経営に臨んだほうがいい。そうした、ともに経営判断に加われるクリエイティブディレクターが、今もっとも必要な人材だと思うんです」

 職種に関係なく、ビジネスパーソンでも企業のオーナーでも、誰にもそうした素養が求められている。そういう時代だからこそ、本物のクリエイティブディレクターを養成する学校が必要、と水野さん。

「デザインを勉強していた人もしていなかった人も、その両方がクリエイティブディレクターを目指せるような......。そんな場になったら最高ですね。あ、そうそう、授業料は取ったほうがいいですね。学生もいるだろうから、できるだけ安くしてあげたいけど、行かなかったら損したなと思うくらいの。僕ならそうしないと真剣に聞かない(笑)。お金がほしいんじゃなくて、"ちゃんと聞く代"ですね」

 六本木未来大学は、7月の開校を目指して、授業内容、先生などを調整中。詳細は、随時メールマガジンなどで報告していきます。お楽しみに!

後編はこちら

information
六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#07
「六本木未来大学 by 水野学」(全5回)

<第1回開催決定>
【講師】小西利行(コピーライター/クリエイティブ・ディレクター)
【開催日】8月4日(火)
【時間】19:00〜21:00
【参加費】2,000円
【受付】事前申込制 申込は7月15日(水)より六本木未来会議WEBサイト上でスタート。先着順となります。
 ※最新情報は六本木未来会議メールマガジンで配信します。登録はこちら
【場所】東京ミッドタウンカンファレンス(ミッドタウン・タワー4F/東京都港区赤坂9-7-1)

水野学水野学 / アートディレクター
水野学 / アートディレクター

1972年東京生まれ。茅ヶ崎育ち。1996年多摩美術大学美術学部デザイン科卒業後、パブロプロダクション入社。その後ドラフトを経て、1999年にgood design companyを設立。ブランドづくりの根本からロゴ、商品企画、パッケージ、インテリアデザインまで、トータルにディレクションを行う。主な仕事に、NTT ドコモ「iD」ブランディング、「農林水産省」CI、熊本県キャラクター「くまモン」など。国立新美術館「ゴッホ展」、森美術館「ル・コルビュジエ展」のアートディレクションも手掛けた。

good design company
http://www.gooddesigncompany.com/

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