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INTERVIEW
86
伊藤直樹PARTY クリエイティブディレクター Naoki Ito / PARTY Creative Director
Naoki Ito / PARTY Creative Director

『都市にふれ、都市と会話する』【前編】

自動運転車で会議や映画鑑賞。モビリティを生産的な時間に変える未来とは。

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update_2017.11.01 photo_mariko tagashira / text_ryoh hasegawa

非言語のインタラクティブなコミュニケーションを形にし、都市と人との接点を描き出す、クリエイティブラボ「PARTY」のクリエイティブディレクター伊藤直樹さん。これまでにNike、Google、Sony、無印良品など企業のクリエイティブディレクションを手がけ、2017年の「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」には"やさい"とテクノロジーを組み合わせた「でじべじ - Digital Vegetables - by PARTY」を出展し、話題を呼んでいます。そんな伊藤さんにこれからの東京が、六本木が、魅力的な都市であるために何をすべきかお聞きしました。

後編はこちら

知覚を過剰演出し、「ふれる」を再定義する。

僕の家は葉山にあるのですが、そこで植物を100種類以上育てているんです。どの植物も育てるのに葉山が最適な環境だとは限りません。一般的には室内で育てることが推奨されている植物を、あえて外に出してみたり、さまざまな実験をこなすことで多種多様な表情を見せます。一見元気そうに見えても、ふれてみると、あまり元気がないように感じることもあります。言葉では伝えられない、目では理解できないことも、ふれて初めてわかることがあるんです。

今回、『Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2017』で出展した「でじべじ」は、イベントのテーマである「ふれる」という原初的なコミュニケーションによって、非言語とインタラクティブの関係性を感じてほしいと考え、設計しました。

でじべじ

「でじべじ - Digital Vegetables - by PARTY」

『Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2017』でPARTYが芝生広場に展示した、巨大なビニールハウス。ハウス内に植えられた「やさい」にふれると、LEDが反応し、色とりどりに輝きを放つ。食べる対象でしかなかった「やさい」を通じて、非言語のインタラクティブなコミュニケーションを知る。
会期:2017年10月13日〜11月5日
会場:東京ミッドタウン ミッドタウンガーデン 芝生広場
http://www.tokyo-midtown.com/jp/event/designtouch/

実際に食べるときと収穫するときでは、野菜の様相はまったく異なります。栽培過程の野菜にふれてみると、花粉を運ばせるために色がついていたり、葉っぱがちょっと毛羽立っていたり、種を残していくための生命力が伝わってきます。

ふれることは何か情報を得ることでもあるのですが、ふれ方の意識の違いによって得られる情報が変わるんです。優しくタッチをしたら葉がゆれて、強くタッチすると茎が跳ね返る。そのたびに、「ふれる」ことの奥深さを感じます。

とはいえ、何かにふれる非言語コミュニケーションを体験する機会はそうないですよね。食事をするときに、ナスの"生存戦略"を意識することなんてないじゃないですか。ましてや都会には畑もそうそうないですし、何かにふれる機会が限られているんです。

「でじべじ」では、ふれたことによって生まれるコミュニケーションを過剰演出することで、インタラクティブな会話をつくりたかったんです。野菜のことをちょっと意識してもらえれば、帰り道に地下のスーパーでナスを買って帰り、ごはんを食べるときにはいつもと違う感覚になってもらえるかなって。

そうなると、普段の生活が変わってくると思うんです。いつも使っている陶器のコップでも、少し持ち方を変えれば「あれ? この陶器ってこんなに肉厚だっけ?」と思うかもしれない。ふれ方によって得られる情報が変わることで、それを好きになったり、嫌いになったり。ふれ方ひとつで、インタラクティブな会話が生まれるんです。

言葉を介さない会話こそが、究極のコミュニケーション。

インタラクティブな会話に興味を持ったのは、2006年にXBOX360専用ソフト「BLUE DRAGON」のプロモーションのため、インスタレーションイベント「BIG SHADOW PROJECT」のアートディレクションをしたときに遡ります。渋谷のセンター街にある駐車場を貸し切り、街行く人の影を大きくビルに投影したんです。ただ自分の影が巨大になるという体験だったのですが、身体が拡張される感覚に興奮した人々が熱狂している姿を目の当たりにして、非言語のコミュニケーションに可能性を感じました。

BIG SHADOW PROJECT

「BIG SHADOW PROJECT」

Xbox 360™専用ソフト「ブルードラゴン」発売を記念し、SHIBUYA109からほど近い文化村通りで行われた映像インスタレーションイベント。街ゆく人の影を40メートルに拡大し、さまざまなポーズを取り、タイミングが合うと影が「ドラゴン」に変化する仕組みに。伊藤さんはアートディレクターを務めた。

会話のないコミュニケーションっていうと、イメージがうまく伝わらないかもしれないけど、親子でやるキャッチボールを例に取るとわかりやすいでしょうか。親は何も喋らないんだけど、投げたボールに少なからず想いを乗せています。子どももボールをキャッチすると同時に、その想いを受け取る。会話は発生していないんだけども、これぞ究極の非言語コミュニケーションの形だと思います。

また、生まれたばかりの赤ちゃんは言葉を話すことができないので、泣きじゃくったり、お母さんの手を握ったりして会話をします。言葉を介さないコミュニケーションは、原初的で究極的なんです。

ただ、そのコミュニケーションが成立するにはインタラクティブ性が求められます。キャッチボールに話を戻すと、ボールを返さなければたとえ非言語であっても会話が成立することはないでしょう。

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「GPSのズレ」がコミュニケーションをおもしろくする。

インタラクティブを上手に扱いたいときは、テクノロジーが持つ「不甲斐なさ」を料理する必要があります。かつてスマートフォン内蔵カメラに映し出された光景に、GPSを利用して「エアタグ」と呼ばれる付加情報を表示するサービス「セカイカメラ」が話題になりました。しかし、現実世界の情報とWeb上の情報が複雑に重なり合ってしまい、混沌としたUIになってしまったんです。GPSの精度が高くなかったために、普及しなかった。

セカイカメラ

頓智ドット株式会社(トンチドット)が無償で提供していたiPhone、Android上で動作する拡張現実ソフトウェア。セカイカメラを起動すると、iPhone、Android内蔵のデジタルカメラによって目の前の景色が画面上に映し出されたうえに、その場所・対象物(建物・看板など)に関連する「エアタグ」と呼ばれる付加情報(文字・画像・音声)が重ねて表示される。エアタグはユーザーが自由に付加することができ、ユーザー間で共有される。2014年1月22日に全サービスを終了した。

逆に、そのテクノロジーの不甲斐なさを巧みに利用したのが「Pokémon GO」です。「Pokémon GO」はGPSによって場所を知覚し、そこにモンスターを出現させていました。ただ、セカイカメラ同様に誤差が出てしまう。そこで、GPSのズレをあらかじめ利用したサービスが開発されたのです。

僕は「Pokémon GO」のヘビーユーザーで、よく新宿御苑にモンスターを捕まえに行っていました。ただ、新宿御苑は午後4時30分に閉園してしまいます。そうすると、園内にいるモンスターに出会えない。でもGPSにズレがあることで、柵の前でじっくり待っていると、モンスターが「ぴょん」と現れることがあるんです。

そうすると、そのポイントに人がいっせいに移動していきます。はたから見たら異常な光景ですよ。僕も一緒に移動しているうちのひとりなんですけど(笑)。でもそれって、非常にインタラクティブな設計だと思いませんか?

場所とメディアが融合する未来。

みちびき

「みちびき」

主に日本地域向けに利用可能とする地域航法衛星システム。現在は4機体制を進め、将来の7機体制への整備を整えている最中であり、国内の多くの位置情報アプリと連携している。今後精度が高くなるにつれ、地理空間情報を高度に活用した位置情報ビジネスの発展が期待されている。
画像提供:内閣府宇宙開発戦略推進事務局

テクノロジーによってこれからのデザインやコミュニケーションは変化していきます。例えば準天頂衛星システム「みちびき」が打ち上げに成功したことで、GPSも今後より精度を増していくでしょう。「Pokémon GO」はズレを前提とした設計でしたが、今後はズレがないことを前提としたサービスが生まれてくるわけです。

GPSがある地点を正確に認識できるようになれば、ピンポイントでその情報をスマートフォンに表示させることができるようになります。そうすると、「この椅子には過去誰が座り、どんな景色を見たか」といった細かい情報にまで一瞬でアクセスできるようになっていくんです。街の情報も事細かに記憶することができますから、場所とメディアが融合するような世界が実現していくと思いますよ。

後編はこちら

伊藤直樹

伊藤直樹 / クリエイティブディレクター
伊藤直樹 / クリエイティブディレクター

1971年静岡県生まれ。早稲田大学卒業。 テクノロジーとストーリーテリングの融合を追求するクリエイティブラボ「PARTY」のCEO。 これまでにNike、Google、SONY、無印良品など企業のクリエイティブディレクションを手がける。 2016年、Fast Company誌が選ぶ世界の「The Most Creative People in Business 1000」に選ばれる。 最近の作品に、成田空港第3ターミナルの空間デザインやサンスターのハミガキIoT「G・U・M PLAY」などがある。 文化庁メディア芸術祭優秀賞、グッドデザイン賞金賞、カンヌ・ライオンズ金賞など、国内外の200以上に及ぶデザイン賞・広告賞を受賞。作品集に「PARTY」(ggg books)など。経済産業省「クールジャパン官民有識者会議」メンバー(2011、2012)。NYの国際デザイン・広告賞ONESHOWの国際ボードメンバー。京都造形芸術大学情報デザイン学科教授。

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