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INTERVIEW
74
ピーター・バラカンブロードキャスター Peter Barakan / Broadcaster
Peter Barakan / Broadcaster

『六本木と東京、そして音楽とメディアの行方』【前編】

バー&レストラン、ライヴ・ハウスと映画館を併設した“カルチャーセンター”を六本木に。

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update_2016.12.07 photo_tsukao / text_kentaro inoue

1974年に来日、音楽業界をへて、DJやブロードキャスターとして活躍。ラジオ番組や著作、音楽イヴェントなどを通じて、良質な音楽を届け続けるピーター・バラカンさん。かつて六本木で働き、現在も毎週のようにこの街を訪れるというバラカンさんに、六本木の今と昔、さらに音楽とメディアの未来についてうかがいました。

後編はこちら

80年代前半は、東京で一番雰囲気のいい場所だった。

 もう9年間くらい六本木でラジオ番組をやっているし、それ以外にも「ビルボードライブ東京」や「EX THEATER ROPPONGI」でライヴを観たり、美術館に来たり。そもそも僕は昔、YMOの事務所に務めていて、80年代前半は乃木坂に事務所があったので、この界隈には毎日通っていました。

 ライヴ・ハウス「インクスティック」なんかがあって、今の東京ミッドタウンの向かい側、龍土町界隈がすごく活気づいていた頃の話。82〜83年の六本木は、東京の中でも一番雰囲気のいいところでした。「六本木WAVE」もあったし、クラブ文化と言ったらいいのかな、本当に画期的な街だったんですね。今はレコード店は流行らないけれど、国立新美術館があったり、21_21 DESIGN SIGHTがあったり、そういう意味では、今も昔も文化面はしっかりしている街だと思います。

 東京ミッドタウンができたおかげで、"こっち側"はすごくかっこよくなったし、品もよくなりました。でも、向こう側には怪しげな雰囲気が続いていて......。交差点を境にミッドタウン側と反対側が、まるっきり別々の街、2つの相容れないものが同居している雰囲気があるんですよ。だから、未来の六本木をよくするためには、"あっち側"をなんとかしないといけない(笑)。

Tokyo Midtown presents The Lifestyle MUSEUM

バラカン氏がメインパーソナリティーを務めるラジオ番組。毎回さまざまなゲストを迎え、その生き方や価値観を探っていく。TOKYO FMで、毎週金曜18:30~19:00放送中。写真は、アイデア実現プロジェクト#03で箭内道彦氏が出演したときの様子。

東京には、食も音楽も楽しめる大人のクラブがない。

 それはともかく、僕が一番得意とする音楽の分野でいえば、大人が気楽に楽しめるクラブが、六本木あるいは東京のどこかにできてほしいと思っているんです。そのモデルとして僕の頭の中にあるのは、アムステルダムにある「ビムハウス」というジャズクラブ。

 入ると右側がバーとレストラン、左側がライヴスペース、ホールは半円形で、下りていくと一番下に演奏スペースがある。だから見やすいし、音もわりといい。食べたり飲んだりしたい人は右に行けばいいし、ライヴと食事の両方を楽しみたい人は早めに行って、食事をしてからライヴスペースに移ってもいい。

 音楽に集中したいときって、食べている音が余計なときがあるんですね。ビルボードライブ東京にしてもブルーノートにしても、コットンクラブにしても、日本のクラブってどこも、食べるスペースと音楽を聴くスペースが一緒になっていて、両方が別々に楽しめるところがなかなかない。アムステルダムに行ったときに、これだ! って思って。

ビルボードライブ東京

東京ミッドタウンガーデンテラス4Fにあるクラブ&レストラン。一流シェフによるコース料理をはじめフードやドリンクを楽しみながら、国内外さまざまなアーティストのライヴが鑑賞できる。フロアは3層吹き抜けで、ステージ後方に広がる夜景も美しい。

気軽に音楽が楽しめる大衆的なバー&クラブもない。

 もうひとつ東京には、いい意味で場末っぽいバー兼クラブもないんですよ。つい先日、ニューオーリンズに行ったときに訪れた「メイプルリーフ」という店は、左側に長いバーがあって、壁をへだてて右にライヴスペースがあるんです。つながってはいるんですけど、やっぱり別々。ビムハウスとはまた違う、大衆的な雰囲気がすごくよかったです。

 東京だと、どうしてもおしゃれ感を出してしまいがちだけど、そうじゃなくて本当に気軽に、安い料金で音楽を楽しめる空間がひとつくらいあったらいい。たとえば、横浜にある「サムズアップ」という店は、まさにアメリカの南部のような雰囲気。高円寺とか新宿にもそういうライヴ・ハウスはあるんだけど、どこも狭いんですね。東京は家賃が高いから、難しいのかもしれないけど。

 ちなみに、ビムハウスは外を見ると運河が流れていて、その眺めもなかなかよくて。たとえば天王洲の寺田倉庫あたりに、そういうクラブができたらいいなあ......って、いつの間にか六本木の話じゃなくなっちゃいましたけど(笑)。

ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

日本人でもイギリス人でもなく、ロンドン人。

 よく「バラカンさんは日本人なんですか?」って聞かれるのですが、自分のアイデンティティを国家にダブらせたことはありません。大学を出た1年後からずっと東京に住んでいるけれど日本人ではないし、かといってイギリス人でもない。しいて言えばロンドン人。だって今年の夏、初めてリヴァプールに行ったくらいで、イギリスっていったってロンドン以外ほとんど知らないんですから(笑)。

 とはいえ、42年も住んでいますから、基本的には東京が好きなんだと思います。でも住んでいると、いい面も悪い面も全部見えてくるもので......。

 たとえば、僕が好きなところは、銀座から日本橋にかけての中央通り。道もまっすぐで、きれいにビルが並んでいて、本当に都会らしい感じがする。あとは浅草とか、ざっくばらんな雰囲気の下町も好き。もちろん街そのものがいいなと感じる場所もあるけれど、下町ってとにかく人がいいんですよ。

東京は冷たい? ロンドンは温かい?

 NHKワールドで「Japanology Plus」という番組をやっていて、いろんなところに取材に行くことがあります。昨日も、町屋にある何十年も同じお菓子をつくっている町工場を取材したんですけど、ものすごく人がよくて。最近電車なんかに乗ってると、東京の人はみんなストレスにやられて温かみがないと感じることが多いんですが、ときどき下町に行くと、もっと人間らしくやってるなという印象を受けます。その人間らしさを、六本木あたりにも取り戻す方法はないものかな。

Japanology Plus

富士山からラーメンまで、多面的な日本の魅力を世界に発信するテレビ番組。バラカン氏が、毎回さまざまな分野の専門家を訪ね、日本の伝統芸能や自然、食や技術などを紹介している。NHK BS1で、毎週火曜日3:00~3:28放送中。

 今は住んでないからなんとも言えないけど、ロンドンも、もうちょっと温かみがあるんじゃないかって思うんです。ロンドンの中心部はわりとまとまっていて、歩いて回れるんですよ。東京は中心部がもっと広くて、42年間暮らしていても、まだまだ行ったことのないところがたくさん。みなさんだって、山手線で下りたことのない駅、けっこうあるでしょう?

 なにより、東京はとにかく人が多い。ついこの前、番組のファンの人から「東京に行くから会えないか?」って連絡がきて、新宿駅の近くで待ち合わせたら、案の定迷っちゃって。僕も40年前、日本に来たばかりの頃まったく同じように新宿駅で迷ったことがあって、パニックに陥りましたから(笑)。

地に足がついていなくて、流されてしまう街。

 東京ってメディアに振り回されがちで、地に足が着いてない感じがありますよね。ロンドンとの一番の違いは、もしかするとそういうところかもしれない。ときどき宙に浮いてるというか、流されてしまっていると感じるときがあるんです。

 世界を見てみると、今年はイギリスのEU離脱とか、トランプの大統領就任とか、まさかの事態が続いていますが、どちらも大都会にいない人たちの不満というか閉塞感が爆発したような動きですよね。これから、日本や東京はいったいどうなってしまうんでしょうね。

後編はこちら

ピーター・バラカン

ピーター・バラカン / ブロードキャスター
ピーター・バラカン / ブロードキャスター

1951年ロンドン生まれ。ロンドン大学日本語学科を卒業後、1974年に音楽出版社の著作権業務に就くため来日。現在フリーのブロードキャスターとして活動、「バラカン・ビート」(インターFM)、「ウィークエンド・サンシャイン」(NHK-FM)、「ライフスタイル・ミュージアム」(東京FM)、「ジャパノロジー・プラス」(NHK BS1)などを担当。 著書に『ロックの英詞を読む〜世界を変える歌』(集英社インターナショナル)、『ラジオのこちら側で』(岩波新書)、『わが青春のサウンドトラック』(光文社文庫)、『ピーター・バラカン音楽日記』(集英社インターナショナル)、『猿はマンキ、お金はマニ』(NHK出版)、『魂(ソウル)のゆくえ』(アルテスパブリッシング)、『ロックの英詞を読む』(集英社インターナショナル)、『ぼくが愛するロック 名盤240』(講談社+á文庫)、『200CD ブラック・ミュージック』(学研)などがある。
http://peterbarakan.net

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