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INTERVIEW

72 西畠清順 (プラントハンター)

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  • NO72 西畠清順 『六本木が語ることは、緑を語ること』【後編】
       
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update_2016.10.12 photo_ryoma suzuki / text_kentaro inoue

「ひとの心に植物を植える」をテーマに、世界中で植物にまつわるプロジェクトを手がける、そら植物園 代表で、通称"プラントハンター"の西畠清順さん。「六本木アートナイト2016」では、名和晃平さんとともに、六本木の街に文化の夜明けを象徴する「森」を出現させます。清順さん曰く「未来を考えるのは植物を考えることと同じ」。その理由とは?

前編はこちら

注目すべき「緑の街」は、ポートランドとシンガポール。

 植物の街という観点でいえば、注目すべきなのはポートランド。日本では、葉っぱが落ちて苦情がくるということで、つんつるてんになった街路樹をよく見ますけど、ポートランドの街路樹は、道路をまたいでとなりの公園まで枝を広げていて、すごく気持ちがいい。

 これは、指定業者がルーティンの管理をしている今のシステムが崩れない限り変わらないでしょう。東京では、オリンピック・パラリンピックが決まったことで、街路樹をできるだけ剪定せず、日陰をつくろうという動きがあるそうです。でも、それってふだんの剪定の仕方は間違っているって認めているようなもの。毎年たくさんの人が熱射病になっているんですから、緑で街を覆ったら全然違うのに。

待っている人に植物を届ける、それがプラントハンター。

 もうひとつはシンガポール。建国の父リー・クアンユーが、独立したばかりでお金もなかった時代に、「この国を緑の国にするんだ」と言って、世界中からいろんな植物を集めて植えまくりました。それが国土を覆って「ガーデン大国」と呼ばれるまでになったし、実際温度も下がっているらしいんです。当時は誰もついていけなかったみたいですが、先見の明がある方だなあ、と。

 大きくなりすぎてしまった枝はバイオマスにして、「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」という巨大植物園の冷暖房エネルギーとして使っています。2016年は、シンガポールと日本の国交50周年ということで、政府悲願の花見のイベントをやりたいって頼まれて、日本中から大量に桜を集めて開花調整して輸出し、見事に花を咲かせました。そうしたら、とんでもない数の人がやってきて。なんと、リー・シェンロン首相までお越しになったそうです。

Blossom Beats

2016年3月、シンガポールの植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」で行われた、日本の春の花をテーマにしたイベント。巨大な温室「フラワー・ドーム」に、20種類以上の桜のほか、桃の花などを展示。世界中でニュースとなり、週末だけで2万人もの来場者を集めた。

 この桜もそうですが、世界には、行きどころがなくて困っている木がたくさんあるんです。そのままだったら日の目を見ない木を、待っている人たちに届ける。それがプラントハンター。農家は潤い、クライアントは喜び、見にきたお客さんもハッピーになる。これが僕らの仕事の醍醐味なんですね。

アートを通して「植物っていいな」と感じてもらいたい。

「六本木アートナイト2016」では、名和晃平さんとコラボをさせてもらいますが、それも同じで、植物を使って何かやりたいというオーダーに、全力で応えるだけ。最初は「秋に、六本木で桜を咲かせてほしい」という相談だったんですよ。それが、話を聞いているうちに、世界を旅した鹿が六本木にたどり着いたっていう設定に変わっていきました。

六本木アートナイト2016

2016年10月21日(金)〜23(日)まで開催。メインプログラムでは、名和晃平氏が、西畠氏、風船を使った造形ユニット「デイジーバルーン」とコラボ。六本木ヒルズアリーナのほか、東京ミッドタウン、国立新美術館の3ヵ所に、文化の夜明けを象徴する森を出現させる。

 世界の植物でできた森の中に、突如現れるエーテルと鹿は象徴的。なにより、たった2日間のイベントのために森をつくるなんてでかい話が、2人のケータイのメール何回かで決まっちゃったのがすごい(笑)。

 もちろん、僕らは植物屋なので、お客さんのところに植物を届けるのが仕事。でも、そういう機会を通して、「植物っていいな」と感じてもらうのが"魂胆"なんです。その魅力を誰かに伝えるときに、アートという手段はとても有効。僕はアートについてはまったくわからなかったんですが、35歳になってようやく面白いなと感じはじめました。

西畠清順(プラントハンター)

2020年を、歴史上類を見ない有機的なオリンピックに。

 この間、リオデジャネイロオリンピックの開会式を観ていたら、国旗を持って入場する選手団と一緒に、鉢植えを持った人が歩いていました。これ、僕にとっては大事件なんですよ! そのあと選手が鉢に種を植えるパフォーマンスもあって、それが草木をイメージした五輪マークに変わる。ストーリーもちゃんと紡いであって、すばらしいなって。

 このストーリーを、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでバージョンアップさせたいですよね。4年前に植えた苗がここまで育ったよ、みたいなのもいいかもしれないし、これからのオリンピックは地球と自然に寄り添っていくんだってアピールをする。歴史上類を見ないくらい有機的なオリンピック。きっと、みんな賛同してくれると思うんです。

未来の六本木の緑は......どうなる?

 東京も六本木も、何もしなかったらこのまま。10年後も20年後も想像できる。でも、みんな10年後20年後、もしくは自分の死んだあとに、劇的によくなってほしいと思っているわけじゃないですか。だったら、それに向けて今、何をすべきかって話になりますよね。

 冒頭でも話したように、お金さえかければいくらでも緑を足すことはできるんですけど、そうじゃなくって、今あるものをどう生かすか、どうプレゼンしていくかが重要。代々木VILLAGEにしても、最初は全部、流通にのった植物を使うって決まっていたんです。でも、プロデューサーの小林武史さんが「これじゃあ、よくある商業施設と同じになっちゃう、だから思いきりやってくれ」って。

 そのとき僕は言ったんです。「同じ条件でも3倍くらい意味がある緑化をしますから」って。結果的に、あんなに小さい施設なのに、毎月数万もの人が集まるようになって、いろんなデベロッパーが視察にくるようになり、緑をふんだんに取り入れた商業施設が次々できました。条例があるから緑化しなくちゃいけないとか、建物のおまけとして植栽を考えるんじゃなくて、緑がブランディングの中枢に据えられる「集客装置」になりえることに、気づいてもらえたんだと思っています。

緑の未来会議、6つの森で屋外ギャラリーを。

 ここ六本木でも街路樹や植物をメディアにして、メッセージを発することができたら面白い。

 あとは、本気で街をよくしようと思っている人たちが集まって話し合ったり、植物が大好きで、それを広めようと大真面目に活動している僕みたいな人間の話を聞いてくれたりする場があったらいいですね。いろんなジャンルの有識者や街の人、偉い人が集まって、六本木の緑の未来について考える会議、もしくはガーデンパーティみたいな。大きな木の下で話すと、いいアイデアが生まれますから。会議室で難しい顔で話しててもあかんのですよ。

 あ、もう1個浮かんだ。せっかく六本木という名前なんだから、6つのコンセプトで森をつくって、アーティストが作品を発表する屋外ギャラリーにするのはどうですか? ほんまに考えてって言われれば、いくらでも出てきますよ。僕は、植物についてのアイデアだけは湯水のように浮かんでくるから。ここから先は有料になるかもしれないけど(笑)。

取材を終えて......
次の予定が迫るなか「時間ギリギリまでいこう。だってこれ、実現したら面白いよ!」と清順さん。撮影は、アートナイトで作品が展示される、東京ミッドタウンのパブリックアート前で。どんな作品になるのか、当日をお楽しみに。(editor_kentaro inoue)

後編はこちら

西畠清順

西畠清順 / プラントハンター
西畠清順 / プラントハンター

プラントハンター
そら植物園代表。1980年生まれ。幕末より150年続く花と植木の卸問屋の五代目。日本全国・世界数十カ国を旅し、収集している植物は数千種類。日々集める植物素材で、国内はもとより海外からの依頼も含め年間2000件もの案件に応えている。2012年、ひとの心に植物を植える活動"そら植物園" をスタートさせ、植物を用いたいろいろなプロジェクトを多数の企業・団体などと各地で展開、反響を呼んでいる。

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