六本木未来会議
byTOKYO MIDTOWN
六本木未来会議
byTOKYO MIDTOWN
  
  • JP / EN
  
                    
  • INTERVIEWインタビュー
  • CREATORクリエイター
  • EVENTイベント検索
  • PROJECTプロジェクト
  • BLOGブログ
  • ABOUT六本木未来会議について
thumbnail
thumbnail
  • 利用規約
  • お問い合わせ
  • facebook
  • twitter
  • mail
  
Thumbnail Thumbnail
INTERVIEW
69
えぐちりかアートディレクター Rika Eguchi / Art Director
Rika Eguchi / Art Director

『人を楽しませる、未来の街とアートと広告と』【後編】

アートに頼るのではなく、六本木自体がアートになる。

  • HOME
  • INTERVIEW
  • NO69 えぐちりか 『人を楽しませる、未来の街とアートと広告と』【後編】
  • えぐちりか
  • アーティスト
  • アートディレクター
PDF
  • JP / EN
update_2016.07.06 photo_tsukao / text_kentaro inoue

広告会社のアートディレクターとして数々のキャンペーンを手がけるかたわら、国内外でインスタレーション作品を発表、ガラス製たまごのテーブルウエアシリーズ「バーンブルックのたまご」などのオリジナルプロダクトに、フィギュアスケート高橋大輔選手のコスチュームデザインなどなど、えぐちりかさんの仕事はとにかく多彩。広告クリエイターであり、アーティストでもある、えぐちさんならではの人を楽しませる街のつくり方とは?

>前編はこちら

自分の価値観を恥ずかしいと思わせてくれる街が好き。

 つい最近、地元の帯広に帰ったとき、私はなんて忙しい時間を生きていたんだろうって感じたんです。東京にいると当たり前だと思っていたけれど、自分がちょっとおかしいってことに気づけなくなっているんですね。帯広にいると頭がすごくクリアになるし、そこに住んでいる人たちが大事にしていることも、東京とは全然違う。「ああ、気がつかないうちに、かっこつけて生きてたんだな」って思って、自分が背負っていた鎧を剥いでもらった気がしました。

 田舎は不便なことも多いけど、それでも生活がちゃんと成り立っているところに、すごくヒントがありますよね。ああ、こんな感じでもやっていけるんだ、しかもむしろそのほうが豊かなんだって。

 旅をしていて、私が好きだと感じる場所は、今まで自分はこうだと思っていたけれど、それだけじゃないって思わせてくれる、こんな価値観で生きていた自分が恥ずかしくなるような街。

人に合わせるのではなく、人を変えていくのがニューヨーク流。

 だから場所は、田舎か最先端か両極なんです。田舎が帯広だとしたら、最先端はニューヨーク。ちょっと前はチェルシーが面白いって言ってたのに、今度はブルックリンだとか、いやいや今はもう違う場所だよとか、そんなに変わっていく街って、なかなかないですよね。

 行くと知った気になって、そのとき流行っている場所を楽しむんだけど、1年後はもう変わっている。もちろんパリとかも面白いけれど、ヨーロッパの街はまず伝統があって、そこに新しいことをかけ合わせていう感じ。でもニューヨークは、とにかく常に新しいものを提案していく実験的な場所で、ダメなものはすぐに消えてしまう。人に合わせていくんじゃなくて、人を変えていくような街。

 日本って、一度開発されてしまうと、街にあるコンテンツもターゲットも大きくは変わらないですよね。ニューヨークに行って新しいものに触れると、東京ってまだまだなんだな、って感じるんです。しばらく行ってないので、私ももう語る資格はないんですけど......。でも、もし東京や六本木が面白い街でいたいのなら、やっぱり変わることを恐れないほうがいいと思うんです。

考えているのは「人が幸せに生きるって、どういうことだろう?」

 仕事では、少し尖った表現が多いように思われているかもしれませんが、最近は「人が幸せに生きるって、どういうことだろう?」って、いつも考えながら仕事をしています。どこで、どういうふうに暮らして、どんなふうに働くのがいいのか。昔はもっとやんちゃで、面白いことが大事だったけれど、アラフォーにさしかかって(笑)、自分の人生を見直しながら仕事をしているので。

 たとえば、下着の広告をつくるにしても、売ることにつなげるのはもちろん、新しい女の生き方とか、新しい女性像を表現してみたいとか。商品の持つイメージの幅を広げて、下着ってこんな側面もあるんだとか、見た人にわくわくしてもらえるようなもの。目を引くビジュアルを目指しつつ、その中で新しい考え方や生き方を提案したいと思うようになりました。

えぐちりか(アートディレクター / アーティスト)

たぶんアラフォーはみんな、だいたい同じことを考えてる。

 他にもファミリー層向けのファッションの仕事なら、こんな家族のあり方もOKなんだ。育児教材のデザインなら、「育児教材ってこんな感じ」じゃなくて、それがあることで手にする人の気持ちが上がって、赤ちゃんと遊ぶ時間が輝くようなものを目指す。

 やっぱり人の気持ちを前向きにしたり、楽しくさせてくれるのは、すてきなモノやうれしいこと、一つひとつ。広告にしろ作品にしろ、自分がつくるものは人を楽しませたり、日々のカンフル剤になるようなものにしたい。もちろん簡単なことではないのですが、そういうことのために時間を使いたいと思うようになりました。

 つい最近も子どもが入院して、あらためて感じたんです。全部がうまくいってると欲ばっかり出て、ついあれもしたいこれもしたいって思ってしまうけど、人生ってそんなにうまくいくことばかりじゃない。だからこそ、自分がつくるものが少しでもだれかの元気につながるものになるといいなと。たぶん世のアラフォーはみんな、生き方やライフスタイルに興味があるだろうし、だいたい同じようなことを考えてるんじゃないかなあ(笑)。

人が感動するものは、昔からそんなに変わっていない。

 よく「広告の未来がどうなるか」って聞かれるんですけど、そんなのわかっていたらつまらないですよね? きっと六本木の未来だって、そうだと思うんです。

 今はブログやSNSなど、一般の人もある意味でメディアになる時代、どんどん想像もつかないようなメディアも登場するだろうし、広告との出会い方や出会う場所も変わり、個人個人にカスタマイズされていくでしょう。でも出会い方は変われど、人が感動することって、昔からそんなに変わっていないと思うんです。

 だからこそ、人間ってどういうものなんだろうとか、普遍的なところにも目を向けていく。私が興味があるのは、目の前にいる人たち。だから、あんまり未来のことは考えていないし、きっとこうなるでしょ、みたいなことから逆算して何かをつくることもありません。

 未来なんて考えるくらいなら、今面白いことを広げていくほうが大切。結局、未来って今の蓄積でしかないですから。

スーベニアフロムトーキョー

国立新美術館内にあるギャラリーを併設したミュージアムショップ。漫画からアートブック、工芸品から若手デザイナーの作品まで、知名度やジャンルにとらわれず、東京的視点で新しいデザインやアートをセレクト・販売している。

前編はこちら

取材を終えて......
この日のメイン写真の撮影は、えぐちさん作の絵本『パンのおうさま』を販売している「スーベニアフロムトーキョー」で。インタビュー時間が短く「すごい巻きですみません......」と言いながら語ってくれたお話に、インタビューに同席した編集部のアラフォーたちは、深くうなずいたのでした。(edit_kentaro inoue)

えぐちりか

えぐちりか / アートディレクター・アーティスト
えぐちりか / アートディレクター・アーティスト

北海道帯広生まれ。多摩美術大学大学院工芸科ガラス専攻卒業。アートディレクターとして働く傍ら、アーティストとして国内外で作品を発表。著書絵本「パンのおうさまシリーズ」が小学館より発売。広告、アート、プロダクトなど様々な分野で活動中。

主な仕事に、オルビス「DEFENCERA」、「PEACH JOHN」CM・グラフィック、ベネッセこどもチャレンジbaby教材デザイン、ソフトバンク「PANTONE6」CM・グラフィック、TBS「TBS6チェン!」キャンペーン、PARCOやLaforet原宿などのファッション広告、日本とNYで開催したNTTdocomoドコモダケアート展「HOW TO COOK DOCOMODAKE?」トータルディレクション、「優香グラビア&ボディー」装丁、CHARA、木村カエラ等のアートワークなど。

イギリスD&AD金賞、スパイクスアジア金賞銀賞、グッドデザイン賞、キッズデザイン賞、インターナショナルアンディーアワード銀賞、JAGDA賞、JAGDA新人賞、ひとつぼ展グランプリ、岡本太郎現代芸術大賞優秀賞、街の本屋が選んだ絵本大賞3位、LIBRO絵本大賞4位、他受賞多数。 青山学院大学総合文化政策学部えぐちりかラボ非常勤教員。

HP http://eguchirika.com
BLOG http://eguchirika-blog.com

他のクリエイターを見る
  • えぐちりか
  • アーティスト
  • アートディレクター
SHARE twitter facebook

RELATED ARTICLE関連記事

PICK UP CREATOR

  • 林士平
    林士平
  • 篠原ともえ
    篠原ともえ
  • 奈良美智
    奈良美智
  • 大貫卓也
    大貫卓也
  • のん
    のん
  • 山縣良和
    山縣良和
参加クリエイター 一覧

RANKING

ALL
CATEGORY
PAGE TOPPAGE TOP

PICK UPピックアップ

  • 六本木未来大学
  • クリエイティブ・カウンセリングルーム
  • 連載 六本木と人
  • 連載 デザイン&アートの本棚
  • クリエイターの一皿
  • 連載 デザイン&アートの本棚
  • ピックアップイベント

PARTNERパートナー

  • AXIS
  • 国立新美術館
  • サントリー美術館
  • 21_21 DESIGN SIGHT
  • Tokyo Midtown Design Hub
  • FUJIFILM SQUARE
  • 森美術館
  • ラクティブ六本木
  • 六本木ヒルズ
  • facebook
  • twitter
  • contact
  • TOKYO MIDTOWN
  • 利用規約
  • 個人情報保護方針
  • 個人情報の取扱いについて
  • Cookieおよびアクセスログについて
  • プラグインについて
  • お問い合わせ

Copyright © Tokyo Midtown Management Co., Ltd. All Rights Reserved.