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INTERVIEW
120
富永勇亮プロデューサー/CEO Yusuke Tominaga / Producer/CEO
Yusuke Tominaga / Producer/CEO

『ミューラルアートの街を自走型ロボットが動き回る』【前編】

六本木に毛色の違うカルチャーを持ち込んでみる。

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update_2020.09.16 photo_yoshikuni nakagawa / text_ikuko hyodo

2019年秋に渋谷からオフィスを移転し、六本木の“住民”となったクリエイティブ・スタジオWhatever Inc.のCEO富永勇亮さん。新天地でもユニークなアイデアを次々と実現させていますが、そのベースとなっているのが、スタジオのメンバーだけでなくフリーランスのクリエイターやアーティストが集まるWHEREVERという場所と、流動的なチームのスタイル。CEOそしてプロデューサーとして、クリエイターの力をどう引き出しているのか、“なんでもあり”な企画力と実現力の秘密を探ります。

後編はこちら

大規模な開発が続く渋谷から、新天地・六本木へ。

 僕たちの会社Whateverはもともと渋谷にオフィスがあって、宮下公園の近くでHOLSTERというシェアオフィスを運営していました。昨年乃木坂に移ってきた直接的なきっかけは、渋谷の大規模な再開発。渋谷はクリエイターが集まる街で、当時60名ほどがシェアオフィスを借りてくれていました。ギャラリーもあったのでアーティストが展示をしたり、毎月いろんなゲストを呼ぶ「月刊スナック」というイベントを開催したりなど、面白い場所ができていたのですが、そのビルが取り壊されることになったんです。

HOLSTER

HOLSTER

2014年、Whateverと東京ピストルによってオープンしたクリエイターのためのシェアオフィス。入居するビルには、カフェ「ON THE CORNER」などもあり、渋谷のクリエイティブシーンを代表するひとつのスポットとなっていた。

 当初は渋谷で移転先を探していたのですが、シェアオフィスを運営できるような広さの物件を、今までのような賃料で借りることが本当に難しくなっていて。大手グローバルIT企業が渋谷にオフィスを構えたことからもわかる通り、いわゆるお金のある大企業しかいられないような場所になってきているのです。1年ほど渋谷で探したのですが結局見つからず、もう少し範囲を広げてみたところ、現在のビルが一棟丸ごと空いていることを知り、こちらに移ってWHEREVERをオープンさせました。

WHEREVER

WHEREVER

乃木坂駅から徒歩1分の好立地にある、8階建てのコワーキングビル。約900㎡のビル一棟に70人ほどの個人クリエイターやチームが入居。2階にはキッチンを完備したラウンジがあり、入居者の交流やイベントスペースとして活用されている。

 入居したのは竹山聖さんという建築家が手がけた素敵なビルで、竣工は平成元年。ファサードがユニークで、内部は3Fまで吹き抜けになっていて、平米数を重視するような現代のデベロッパーさんだったら、まあ絶対につくらないような物件(笑)。その大胆さに惹かれました。今の六本木はアートの聖地のようになっていますが、どちらかというと高級なアートが多い印象があります。その点、僕たちは渋谷カルチャーで育ってきましたし、Whateverはニューヨーク、ベルリン、台北にもオフィスがあるので、毛色の違うカルチャーをこの街に持ち込めたら面白いのではないかと思っています。

今、リアル店舗を持つことの意味。

 7月末、WHEREVERの1階にNew Stand Tokyoというセレクトショップがオープンしました。New Standはニューヨーク発のショップなのですが、うちのCCO川村真司が、ニューヨークでPARTY NYを6年前に立ち上げて以来、New Standの創設者アンドリュー・ダイヒマンと友人だったんです。街角や地下鉄構内にある新聞や日用品などを販売している店舗をNewsstandというのですが、老朽化したNewsstandをリノベーションしたのがNew Stand。1号店はユニオン・スクエア駅構内にあって、現在はニューヨークを中心に全米で40店舗ほど展開していて、「A day improvement」というコンセプトで生活に新しいものを取り入れる提案をしています。

New Stand Tokyo

New Stand Tokyo

次世代を意識した「未来の日用品」を取り扱うセレクトショップとして2020年7月28日、WHEREVER1階にオープン。本国New Standは2015年、ユニオンスクエアに1号店をオープン後、ニューヨーク市全体に店舗を拡大している。

 New Stand Tokyoはアメリカ国外では初となるショップで、なぜここに持ってきたかというと、このビルの1階がもともとお店として使われていたのと、僕たちがつくってきたものをお見せできるような、コンシューマーと接点になる場所を持ちたいと以前から思っていたからです。これまで自社プロダクトとして、Lyric Speakerという歌詞が出るスピーカーやリモートワーカー用部屋着WFH Jammiesなどを手がけ、Kickstarterなどのクラウドファンディングで、様々なプロダクトづくりに挑戦してきました。自分たちや周りの仲間がつくったモノのショーケースのような場所なのですが、自分たちがつくったものだけだと"文化祭"的な感じがしてしまうので、もっと魅力的なコンセプトが必要だと思っていました。それでNew Standのことを思い出して、六本木にオフィスを引っ越す話を彼らにしたら、トントン拍子で話が進んで。実際にこのビルも内見に来てもらい、正式にアジア展開のライセンス契約をすることになったんです。

Lyric Speaker

Lyric Speaker

2015年のSXSWで、BEST BOOTSTRAP COMPANYを受賞後に製品化。音楽と同期して歌詞が表示され、お気に入りのレコードジャケットを飾るように歌詞を部屋に美しく飾る、次世代のスピーカー。SIXなどと共同出資して設立したCOTODAMAから発売中。

WFH Jammies

WFH Jammies

新型コロナウイルス感染拡大下に企画・制作された、リモートワーカー用部屋着。上下のスウェットスタイルをベースにしつつ、胸から上のWEBカメラに映る部分がシャツ生地に切り替わっている。ファッションブランドLOKITHOのデザイナー・木村晶彦氏がデザイン・製造を担当し、アイデアとしての面白さだけでなくデザイン性や縫製にもこだわっている。ちなみにWFHは、"Work From Home"の略。

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想像のきっかけを与える「未来の日用品」。

 とはいえ、ニューヨークのショップをそのまま東京に持ってくるだけだと面白みに欠けるので、New Stand Tokyoでは「未来の日用品」というコンセプトを掲げています。たとえばLyric Speakerだったら、本来のスピーカーは音が出るだけのものですが、そこに歌詞も出るのは未来的といえますよね。最近は「エシカル」をキーワードにいろんなプロダクトが生まれていますが、その多くはまだ日用品と呼べるほど身近になっていないのが現状です。でもこの先、日用品としてみんなの家にあるようになったら素敵ですよね。

 New Stand Tokyoは、そういう意味でトライアルな商品を置ける場所にしたいのですが、その代表がFemtech(フェムテック)プロダクトです。女性(female)と技術(technology)を組み合わせた造語で、女性特有の悩みや課題に向き合って開発されたプロダクトやデバイスを意味します。妊娠中の女性がお腹につけて赤ちゃんのバイタルをチェックできるデバイスなどハイテクなものから、月経カップという医療用シリコンを折りたたんで膣内に挿入し、経血をためて使用する昔からあったが知られていない生理用品まで、幅広いです。

 なぜこれが「未来の日用品」なのかというと、例えば月経問題のソリューションって、日本の市場だと圧倒的にナプキンだと思いますが、吸水性生理パンツや月経カップのような、別の選択肢が出てくれば、人によってはそちらを選ぶ可能性も生まれる。そしてそれは市場を寡占する商品ではなく、まだ日用品になっていない実験的な商品であると言えますよね。未来の日用品というコンセプトで探していた時にまさにこれだと思いました。Femtechという言葉は今、バズワードのように注目されていますが、世の中にとって当たり前になって、未来の日用品から普通の日用品になって、ドラッグストアやコンビニにも並ぶようになったなら、女性のウェルネス課題が少し減るように思います。そうなったら、FemtechプロダクトはNew Srand Tokyoからは卒業し、また新たなプロダクトを考えます。

Femtech

Femtech

月経や不妊治療など女性が抱える健康課題を解決するために開発された、テクノロジーを用いたサービス、ソフトウェア、プロダクトなど。欧米を中心に市場が拡大し、今後はアジア、アフリカでも急成長が期待される新たな産業。
画像:©Bloomlife

ロボットが美術館を飛び出して、六本木を街ブラ。

 リアル店舗は僕たちにとって初めての試みで、難しいことがたくさんありました。最初は商品配置の正解がまったくわからなくて、集めた商品を開封した後に「これ、どうすればいいんだ?」とフリーズしてしまったくらい(笑)。今も日々少しずつレイアウトを変えて、試行錯誤しています。それに今は、コロナ禍で来店していただくことがなかなか難しかったりもするので、リアル店舗にテクノロジーも導入しています。Robot Viewingという自走型ロボットを使用した新しいシステムなのですが、ウェブカメラがついていてインターネット上からログインして、遠隔でロボットをコントロールしながら店内を見ることができるのです。

Robot Viewing

Robot Viewing

コロナ禍でいろんな場所へ直接行くことが難しい中、自宅からオンラインで現地のロボットを操作することで、その場にいるような感覚を味わえるシステム。最大5人までログイン可能なので、家族や友人と一緒に場を楽しむことができ、ロボットのスピーカーを通じて現地の人とコミュニケーションをとることも。

 Robot Viewingは「あるがままのアート -人知れず表現し続ける者たち-」という展覧会でも運用したソフトウェアなのですが、昨今は美術館も人数制限をするなど人を集めたくてもできない状況が続いていますよね。なので美術館に直接足を運べない人も鑑賞できるようなシステムを考えました。元々のロボットのシステムだとひとつのロボットに一人しかログインできないんですけど、これは最大5人が同時にログインできて、しかもチャットをしながら一緒に鑑賞できる。車の相乗りのようなイメージです。一般的に美術鑑賞は、ひとつひとつの作品と向き合って、集中して観ていくような体験だと思うのですが、このソフトウェアを使うと「あっちに行ってみようよ」とか「この作品はこうだよね」などと会話も楽しむことができます。美術鑑賞だけでなく、新しい買い物体験も可能になると思うし、それこそ六本木を街ブラするのも楽しそうですよね。リアル店舗をつくることには無知な僕たちですが、テクノロジーに関してさまざまな知識があるので、それらをうまく活用しながらインタラクティブな仕掛けを生み出していきたいと思っています。

後編はこちら

富永勇亮

富永勇亮 / Whatever Inc.
プロデューサー / CEO
富永勇亮 / Whatever Inc.
プロデューサー / CEO

立命館大学在学中の2000年にAID-DCC Inc. 設立に参画、COOとして在籍、2014年4月dot by dotを設立。2018年からPARTY New Yorkのプロデューサーを兼務、2019年1月に同社と合併、Whateverを設立、代表に就任。2019年8月に東北新社と共同出資しWTFCを設立、CSOに就任。

広告、インスタレーション、ミュージックビデオ、IoT、ファッション、TV などメディアを横断したプロデュース活動を行い、カンヌライオンズ、SXSW、文化庁メディア芸術祭、The Webby Awardsなどを受賞。

Lyric Speakerを開発するCOTODAMAへの出資、機械学習×ブラインドテイスティングで好みの日本酒がわかるサービス"YUMMY SAKE"への出資、テクニカルディレクター集団BASSDRUMへ出資、社外取締役を兼務、クリエイティブシェアオフィスHOLSTERを共同運営するなど、クリエイター同士のゆるやかなネットワークをつくる事がライフワーク。2020年7月28日にFemtechグッズなど「未来の日用品」をコンセプトにしたセレクトショップNew Stand Tokyoを乃木坂にオープンした。

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