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INTERVIEW

03 柴田文江 (インダストリアルデザイナー)

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  • NO03 柴田文江 あなたは六本木をどうデザイン&アートの街にしますか?
       
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update_2012.06.06 photo_taro hirano / text_tami okano / edit_rhino

2011年度・毎日デザイン賞を受賞するなど、日本を代表するインダストリアルデザイナーのひとりとして活躍する柴田文江さん。今年で5年目となるアートとデザインのコンペディション「Tokyo Midtown Award」の審査員をはじめ、デザインハブの企画展参加など〈東京ミッドタウン〉との関わりも深い。自身の事務所を構えているのも六本木だ。そんな柴田さんの、六本木をデザインとアートの街にするアイディアとは。

みんなデザインの中に生きている。

 六本木をデザインとアートの街にしていく。そのために、もし私が何かひとつプロジェクトを始めるとしたら、デザインのワークショップか、体験型のイベントを企画してみたいですね。「自分もデザインの中に生きている」ということを、もっとみんなに実感してもらいたい。

 デザインを自分の中に取り込むことは、人間らしく生きていくことでもあるし、毎日を大事にすることでもある。だから、ワークショップやイベントで「今日ちょっと楽しいな」と思えることができて、しばらく経ってから「ああ、あれがデザインなんだな」と分かる、そんな機会がつくれたらいいですね。

 デザインは、誰の生活からも切り離せないものです。そして、アートを「暮らしの一部」として体験することができれば、世界の見え方はぐっと広がっていく。

デザインやアートは「毎日が充実すること」のひとつ。

 そもそも、デザインやアートって、大人や専門家のものになりがちですよね。でも、本当に六本木がアート&デザインの街になっていくためには、子どもや家族連れで遊びに来るような人たちがポイントだと思うんです。そういう人たちがアートやデザインを特別なものではなく、「自分たちの毎日が充実すること」のひとつとして捉えられるような場になること。

 その意味では、東京ミッドタウン(以下ミッドタウン)が果たす役割は大きいと思います。子どもからお年寄りまで、幅広い層の人たちが来ますし、専門性と、ごく普通の、毎日の暮らしとが両立しているのがミッドタウンの良さだと思うので。

 事務所を六本木に移して5年、ミッドタウンは私の生活圏でもあり、ほぼ毎日通っています。ランチなら、マンゴープリンで有名な中華の「火龍園」、ピッツェリアの「ナプレ」、「平田牧場」のとんかつ、魚屋さんの「鈴波」など、相当、詳しいです(笑)。で、いつも行ってるから当たり前だと思っていたんですけど、先日、久しぶりに原宿へ行った帰りにミッドタウンに寄って、ここ、特別だなって改めて思ったんです。

東京ミッドタウンのスペシャリティ。

 ミッドタウンに来ている人たちからは、身の回りに対する関心の高さや毎日の生活を大切にする姿勢が感じられる。そういう人たちが集まっている場所から発信されていく情報を、もう少し、横に広げていく方法も考えられるんじゃないかなぁ。まあ、いろんな打ち上げ花火をたくさん上げるという方法もありますが、やっぱり重要なのは、いまやっていることの「深度」を深めていくこと。六本木が街をあげて取り組んできたことってありますよね。たとえばミッドタウンなら、「六本木アートナイト」もそうですし、コンペディション「Tokyo Midtown Award」なども。そういった試みの深度を深め、より多くの人に伝えること。地味ですが、それがアート&デザインの街にしていくための一番重要なことだとも思います。

六本木アートナイト2012

2012年3月に開催された、六本木地区の美術館や商店街など、地域が一体となったアートイベント「六本木アートナイト2012」。写真は六本木のあちこちに出現した草間弥生の作品の一部です。

shibata1

何が一番「適切か」を求めている時代。

 街づくりで大切だと思うのは、「新しくつくるものを間違わない」こと。同時に「あきらめないで整理していく」こと。たとえば、照明は明るいほうが豊かだとか、海外のものは格好いいとか、まだどこかで引きずっている価値観ってありますよね。それが本当に今の自分たちにフィットしているかというと、そうではない場合も多い。引きずられているものを一度断ち切り、自分たちの中にある新しい価値基準で整理していく。それが、次につながっていく。

 「いろんなことをやった感があるもの」をデザインと呼んでありがたがるなんて、もう昔の価値観です。新しくできる施設がこうだから、こっちはもっと、みたいに相手を見てどんどん過剰になっていくのも意味がない。もうちょっと絶対主義というか、そのままの中で何が一番「適切か」をみんなが求めている時代だと思うんですね。

いろんな事情を踏まえながらも、輪郭を失わないこと。

 そういう意味でも、ミッドタウンって、いまの東京の、ある一定のレベルで整理されているし、贅沢な部分はあるけど、過剰な印象はない。素材にしても扱われている物にしても本物があるので納得できる。そういう「適切な」上質感が、建物をはじめ全体のデザインで表現されていると思うんです。いやホントに、お世辞じゃなくて、和の要素もモダンの範疇を超えていないし、どこかの真似でも懐古主義でもない。その「頃合い」が素晴らしい。

 私ね、それがデザインだと思うんです。

 分かる人だけが分かればいい、というものをつくる方がもしかすると簡単で、大勢の人が来る場所であるとか、いろんな事情を踏まえながらもその頃合いを保ち、「輪郭を失わない」ということは、とても難しく、とても重要です。ミッドタウンの在り方自体がお手本になって、他の建物や公の施設の作り方にも、もっと波及すればいいと思うんだけどなぁ。

港区デザイン資源活用宣言。

 アート&デザインの街づくりと言えば、港区は2008年から「デザイン資源活用宣言」をしているんです。港区にはデザイン関係の事務所も沢山ありますし、デザイナーには事欠かないので、宣言の通り、それを資源にしていこう、という試みです。実は私もメンバーで、そのつながりで、六本木商店街に依頼され交差点の花壇をつくりました。

smiley×smiley

柴田文江さんがデザインした六本木交差点にある花壇「smiley × smiley」。何千、何万と人が行き交う場所で、丸みを帯びた優しいフォルムが人々を癒すように佇んでいます。

 他にはアートディレクターの長友啓典さんや葛西薫さんなどもいらっしゃるんですよ。デザイナーはみんな、自分の住んでいる街を良くしたいという気持ちがあるし、誰かが変なものつくって変になるんだったら、自分がやりたいと思うじゃないですか(笑)。

 港区の中でも六本木商店街は優秀というか、なにせ、ミッドタウンも六本木ヒルズもみんな六本木商店街と協働されて、みなさん街に対して誇りを持っているので厚みが違います。

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東京は、世界で一番好きな街。

 東京はいろんなものがぐちゃぐちゃでカオスなんだけど、世界で一番好きな街も、やっぱり東京なんです。

 出身は山梨県で、山中湖と河口湖の真ん中あたり。で、最初の東京体験は小学校3年生の時でした。友達と2人で原宿に買い物に来たんです。当時の私には大冒険ですよね。あの頃は日本全国どこででも同じものが買えるような時代ではなかったので、たとえば「レッグウォーマーというものが流行ってるらしい」となると、もう東京に買いに行くしかないし、買って帰るとヒーローですよ。わあ、すごい、そんなの持ってるんだ!って。ちょっとしたファッションリーダーです、小学校の。

 大人になってからの東京は、もう夢の街ではないけれど、なぜ好きかと言うと、やっぱり自由だなと思うんですよね。海外だと食事に行く店にしても遊びに行く場所にしても、キッパリとセグメントされているけれど、東京は子どもなら子どもなりに、大人なら大人なりに、いろんなものを自由に選択できる。

サメのように、流れの早い中心で泳ぐ。

 事務所の場所として六本木を選んだのは、東京の真ん中だから。今や真ん中だけが働く場所じゃないけれど、私としては真ん中にいたほうが、いろんなものが流れてくるので、いられるうちは、いようと思っています。

 海流の速いところにはサメがいるらしいんですけど、サメがなぜそこにいるかというと、流れが早いと休んでいるときもエラ呼吸ができるから。自分で動くことも大事ですが、サメの気持ちも分かる。

 デザイナーとして今一番関心があるのは、日本の理科系の技術のすごさというか、いま化学メーカーと仕事をしていて、簡単に言うと「物質感のないようなものをつくる新しい技術」があるんですね。それは、ものの在り方を大きく変えられそうな技術なんです。日本のテクノロジーがとても高い水準にあるということに改めて触れ、わくわくしているんですよね。

ジャンプアップする物づくりの可能性。

 その新しい、魔法のような技術にデザインが介在することで、私たちの暮らしにどう役立てることができるのか。

 新しい発見って、全く違う価値観の人たちが同じ方向を向くことで生まれるのだと聞いたことがあります。私にとっては、いままで会うこともなかったような研究者たちと話すこと自体がとても楽しいし、ときどき六本木の事務所で打ち合わせをすることもあるんですけど、研究者の方々にとっては、こちらの世界が珍しい、みたいな感じで(笑)。けれど彼らは本当にクリエイティブで、デザインリテラシーの高さには驚かされます。日本には伝統工芸のような物づくりの素晴らしさもあるけれど、それとは別に、理科系の物づくりで、もうひとつ先までジャンプアップする可能性、まだまだあると思っています。

取材を終えて......
わかりやすい例えや言葉の数々で、思わず「なるほど~」と何度もうなずいてしましました。インタビュー後、東京ミッドタウンからかなり近い場所に事務所があるだけに、六本木に詳しい柴田さんからオススメのランチスポットなど、ローカル情報を教えていただきました。編集部ブログでご紹介させていただきます。(edit_rhino)

柴田文江

柴田文江 / プロダクトデザイナー
柴田文江 / プロダクトデザイナー

武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業後、東芝デザインセンターを経て 、Design Studio S 設立。エレクトロニクス商品から日用雑貨、医療機器、 ホテルのトータルディレクションまで、インダストリアルデザインを軸に幅広い領域で活動をしている。 代表的な作品に、無印良品「体にフィットするソファ」/ オムロン「けんおんくん」/ カプセルホテル「9h ( ナインアワーズ )」などがある。 毎日デザイン賞 / グッドデザイン金賞 / ドイツ iF デザインアワード金賞など多数受賞。

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