新型コロナウイルスによる制約の下で開催される今年の東京国際映画祭は、例年とは少し異なる性格を持つものになるでしょう。
1.一番強調したいのは、この災禍の中でも私たちに日々の潤いと勇気を与えてくれる文化芸術、とりわけ映画の持つ力の大切さです。観客の皆様が映画館に足を運び、大スクリーンと良質な音響の中で映画を観る楽しみを味わって下さり、それによって明日への希望を新たにして頂けたらと思うのです。 映画業界全体の「映画館に行こう!」キャンペーンのアンバサダーを務める役所広司さんにも私たち映画祭のアンバサダーを兼ねて頂き、同キャンペーンと連携した企画を実施してまいります。
2.コロナに苦しんでいるのは日本だけではありません。映画を通じる国際的な連帯も深めていきたいと考えます。世界中の映画祭がオンラインで集まった5月のグローバル・フィルム・フェステイバルにはわが映画祭もいくつかの作品を持って参加しました。 また、残念ながら本年は外国の映画人の方々の訪日が困難になってしまいましたが、カンヌ、ヴェネチア、ベルリン、上海の映画祭などが取り上げた秀作を上映するなど、海外との連携に意を用いてまいります。
3.そして何よりも、コロナ禍によって映画の製作、配給、鑑賞に大きな影響が生まれています。この問題についても、シンポジウムやトーク等を通じて、映画界の未来について議論していきたいと思います。
「今こそ映画を!」
東京国際映画祭へのご参加をお待ちしています。