サントリー美術館にて、2025年4月29日(火・祝)から6月15日(日)まで「酒呑童子ビギンズ」が開催されます。
本展は、日本で最も名高い鬼である酒呑童子にまつわる展示会です。平安時代、都で貴族の娘や財宝を次々に略奪していた酒呑童子が武将・源頼光とその家来によって退治される物語は、14世紀以前に成立し、やがて絵画や能などの題材になって広く普及しました。会場では、サントリー美術館が所蔵する重要文化財・狩野元信筆「酒伝童子絵巻」を大公開し、酒呑童子にまつわる二つの《はじまり》をご紹介します。
酒呑童子の住処といえば、物語によって丹波国大江山、あるいは近江国伊吹山として描かれ、「酒伝童子絵巻」は伊吹山系最古の絵巻として知られます。以降、この本が《図様のはじまり》となり、江戸時代を通して何百という模本や類本が作られました。本展では、これらの《はじまり》に焦点をあて、絵画と演劇(能)の関連にもふれながら、「酒呑童子絵巻」の知られざる歴史と多様な展開をたどります。現代のマンガやアニメにも息づく、日本人が古来より親しんできた鬼退治の物語をお楽しみください。