『六本木、旅する美術教室』は、六本木エリアで開催中の展覧会やイベントを会場に、普段クリエイターがどんな視点で展覧会やアート作品を鑑賞しているかをのぞいてみる企画です。
今回、教室の舞台となるのは21_21 DESIGN SIGHT 企画展「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」。
本展ディレクターの山中俊治さんはこう述べます。
「いつの時代も、最先端の科学技術とデザインはすぐそばにありました。しかしながら、科学者たちの本当の関心は大いなる真理を探究することにあり、デザイナーたちの目標は人々の幸福な体験や豊かな社会の実現にあるので、両者は必ずしも同じ道を歩むことはできません。
そのような緊張感をはらんだ科学とデザインの関わりには、初めてかのような新鮮な出合いがあり、葛藤があり、ドラマがありました。本展は、今まさに起こっている科学とデザインの邂逅により芽生えつつある「未来のかけら」を探るものです。サイエンスフィクションのようなプロットにとどまらず、質感や動きを伴った体験を共有できるリアルな物語の断片です。実験室で生まれたばかりのピースを繋ぎ合わせてまだ見ぬ世界を描くのは、ご来場いただく皆さんです。」
展覧会では、山中さんが自身の大学の研究室でさまざまな人々と協働し生み出してきたプロトタイプやロボット、その原点である山中さんのスケッチを紹介するとともに、専門領域が異なる7組のデザイナー・クリエイターと科学者・技術者のコラボレーションによる多彩な作品が展示されています。
今回の旅する美術教室では、アーティストのAKI INOMATAさん、山中さんと展覧会をまわりながら、最先端技術や研究をベースとした先駆的な眼差しとデザインが出合うことで芽生えた「未来のかけら」を生み出す発想の原点を探り、それぞれの「未来のかけら」を見つけます。
- 開催日時・受付場所
- 日程:2024年6月25日(火)
時間:15:00~16:00(14:45受付開始)
受付:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2受付
※ツアー開始までに受付場所にお越しいただけない場合、ご参加いただけない可能性がございます。時間厳守でお越しください。
※当日は休館日のため、お申し込みいただいた方以外はご入場いただけません。
- 開催場所
- 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
東京都港区赤坂9-7-6
(URLをクリックすると外部サイトへ移動します)
https://www.2121designsight.jp/
- 美術教室の先生
- Photo:Sakiko Nomura
AKI INOMATA(アーティスト)
1983年東京都生まれ。2008年東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修了。
人間以外の生きものや自然との関わりから生まれるもの、あるいはその関係性を提示している。
アンモナイトとタコを長大な進化の時を超えて出会わせる「進化への考察」、ヤドカリが世界各地の都市をかたどった透明な「やど」へと引っ越しを続ける「やどかりに『やど』をわたしてみる」、真珠母貝に小さな立体の核を挿入し、貨幣の肖像をモチーフにした真珠をつくった「貨幣の記憶」、「犬の毛を私がまとい、私の髪を犬がまとう」など、生きものと共に制作した作品を多く発表。
近年の主な展覧会に、2022-2023年「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館、東京)、2022年「あいち2022」(愛知)、2020-2021年「Broken Nature」(ニューヨーク近代美術館:MoMA)、2019年「AKI INOMATA: Significant Otherness 生きものと私が出会うとき」(十和田市現代美術館、青森)、2019年「第22回ミラノ・トリエンナーレ」(トリエンナーレデザイン美術館、ミラノ)、「トロントビエンナーレ」(トロント、カナダ)、2018年「Thailand Biennale 2018」(クラビ、タイ)、などがある。
作品の主な収蔵先に、ニューヨーク近代美術館、南オーストラリア州立美術館、金沢21世紀美術館、北九州市立美術館など。
- 案内人
山中俊治(デザインエンジニア)
1957年生まれ。東京大学工学部卒業後、日産自動車のカーデザイナーを経て1991-94年東京大学特任准教授。1994年にリーディング・エッジ・デザインを設立。デザイナーとして腕時計から家電、家具、鉄道車両に至る幅広い製品をデザインする一方、科学者と共同でロボットビークルや3Dプリンタ製アスリート用義足など先進的なプロトタイプを開発してきた。Suicaをはじめ日本全国のICカード改札機の共通UIをデザインしたことでも知られる。2008年より慶應義塾大学教授、2013年より東京大学教授。2023年には東京大学特別教授の称号を授与された。ニューヨーク近代美術館永久所蔵品選定、グッドデザイン賞金賞、毎日デザイン賞、iF、Red Dotなど受賞多数。
- 参加方法
- Peatixより事前申込制
- 参加費
- 無料
- 定員
- 15名
※定員になり次第締め切ります。
- 持ち物
- QRコードを読み込める携帯またはスマートフォン
- 申し込みはこちら
https://6mirai-15project-14.peatix.com
※当日の様子は、後日六本木未来会議ウェブサイト内でレポート記事として公開します。
▼過去の『六本木、旅する美術教室』の様子はこちら:
六本木旅する美術教室 一覧へ