サントリー美術館にて、11月30日(水)から2023年1月22日(日)まで「京都・智積院の名宝」が開催されます。智積院は京都・東山に建つ弘法大師空海(774~835年)から始まる真言宗智山派の総本山で、全国に約3,000の末寺を擁します。高野山中興の祖といわれる興教大師覚鑁(1095~1143年)の法統を受け継ぎ、のちに隆盛を極めた紀伊国根来寺山内で室町時代中期に創建されました。天正年間には豊臣秀吉政権の下で一旦衰退しますが、その後、徳川家康の寄進を受け、江戸時代初期には現在の地に再興を遂げました。この地にはもともと秀吉の夭折した息子・鶴松(棄丸)の菩提を弔うために建てられた祥雲寺があり、長谷川等伯(1539~1610年)と息子・久蔵(1568~1593年)が描いた名高い金碧障壁画群も、智積院の手厚い保護によって今日まで大切に守り伝えられてきました。
本展では、国宝の「楓図」「桜図」など、誰もが知る障壁画群を初めて寺外で同時公開。桃山時代の絢爛豪華な抒情美にふれられる貴重な機会です。また、国宝「金剛経」や重要文化財「孔雀明王像」のほか、仏堂を荘厳する仏教美術の貴重な優品や、近代京都画壇を代表する堂本印象(1891~1975年)による「婦女喫茶図」まで、智積院が秘蔵する多彩な名宝が一堂に公開されます。
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【展覧会レポート】サントリー美術館「京都・智積院の名宝」
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