「ほぼ35 年、ぼくは人生の過半を、カメラを背負って古寺を巡ってきた」と土門拳は写真集『古寺巡礼』の第五集に記しています。報道写真家として優れたドキュメントを残した彼が、もっとも長く、生涯を通じて撮影に執念を燃やしたのが古寺巡礼でした。その写真集に収載されている作品は、学者の歴史的な位置づけではなく、「すべて、ぼくの好きなものであり、ぼくが睨んで、ハッと胸打たれたものばかり」です。
本展は『古寺巡礼』発刊50 年を記念し、土門美学の結晶を厳選し、新たに大サイズの銀塩プリントにて展示いたします。仏教伝来の地・飛鳥から、法隆寺、神護寺など奈良・京都の古寺や中尊寺から臼杵の石仏まで、全国の古寺を巡って撮り下ろした写真は、今なお見る者の心をとらえて放しません。全身全霊を込めて被写体に対峙し、「日本文化の美しさと力強さ」を記録しようとした写真家の強いまなざしを感じとっていただきたいと思います。
会場
第一部 -仏教文化の開花-飛鳥~平安前期
6月14日(金)~6月27日(木)
第二部 -浄土と禅宗世界への憧れ-平安後期から桃山
6月28日(金)~7月10日(水)
最終入場時間
18:50
入館料
無料
お問い合わせ先
フジフイルムスクエア
TEL. 03-6271-3350