21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3では、展覧会「Mechanical Wonders 2026 3世紀の時を超えて、歩み続ける機械芸術」が開催されました。本展は、スイスの高級時計メゾン「パルミジャーニ・フルリエ」創立30周年を記念し、3世紀に及ぶ機械工芸の継承と進化を紐解く企画です。

創業者のミシェル・パルミジャーニは「修復をするにあたり、時計師は神の領域に触れる」と語る卓越した修復士です。雪の結晶や貝殻の螺旋など自然界の調和に着想を得て、黄金比を作品づくりに取り入れています。本展では、修復品を展示する什器にも黄金比の考え方を取り入れており、美意識を空間へと広げています。

会場には、彼が修復を手掛けたモーリス・サンド・コレクションから、19世紀初頭の懐中時計やオートマタ、シンギングバードなど貴重な機械作品が日本で初めて公開されました。ぜんまいを心臓として動き出す作品群は、精緻なからくり機構と洗練された装飾美が融合し、かつての職人たちの圧倒的な知恵と情熱を今に伝えます。

なかでも目を引いた《蛙のオートマタ》は、ハーフパールやルビーで彩られた金製のボディの中に高度な機構を秘めた傑作です。動く姿の映像はタブレットで閲覧できましたが、まるで本物の生命のような躍動感がありました。

歴史的な作品群と並んで展示されたのが、「トンダ PF」や「トリック」といった現代のタイムピースです。過去の修復作業で培われた知識や洗練された美学が見事に反映されたコレクションで、古典的な職人技と現代的なデザインが高次元で融合したタイムレスな輝きを放っていました。

「カリヨン トゥールビヨン」は創立30周年を記念した世界限定5本の逸品です。修復の知見を活かし、鐘の音で時を告げる機構とトゥールビヨンを融合させた現代の至宝として存在感を放っていました。

止まっていた歴史に再び命を吹き込み、未来の美学へと繋ぐパルミジャーニ・フルリエの挑戦。3世紀の時を超えて響き合う機械芸術の数々は、時を刻む美しさと職人技の尊さを深く印象付けました。永遠の輝きを放つ至高のメカニズムとクラフツマンシップの記憶は、観る者の心にこれからも強く刻まれ続けるはずです。
編集部 齊藤
「Mechanical Wonders 2026 3世紀の時を超えて、歩み続ける機械芸術」
会期:2026年9月19日(土)~9月24日(木)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3(東京都港区赤坂9-7-6)
開館時間:10:00~19:00(※最終日は17:00閉館)
休館日:会期中無休
入場料:無料(※予約優先)
主催:パルミジャーニ・フルリエ
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.2121designsight.jp/gallery3/mechanical_wonders_2026/
