デザインハブでは2026年9月26日(土)まで、第120回企画展「ゼミ展2026 デザインの学び方を知る」が開催中です。毎年、全国の教育機関のゼミやクラスで取り組まれている様々なデザイン領域の課題にもとづいた作品を展示しており、今年は8組9校が参加します。

早稲田大学大学院 基幹理工学研究科 表現工学専攻 橋田朋子研究室は、身近なモノ・コトの予想外な在り方に出会うための方法論と実践「引っ越しに乗って」を展開。たとえば、仕掛けを施したプラスチック板を使った《Glow Flowers》は、見る角度によって一輪の花を認識できます。

多摩美術大学大学院 版画領域 版画集制作合同プロジェクトでは、版画・プリントメディア・アートブックの3領域を通じ、伝統を基盤とした先端表現を探求しています。アートブック領域では本の構造や製本技術を学び、写真集やZINE等の多様なメディアを研究。さらに作品を1冊の出版物にまとめることで、アートとデザインを結びつける実践的な学びを展開します。

京都芸術大学大学院 文化デザイン・芸術教育領域 文化企画構想研究室は、「常滑:土から始まるプロジェクト」を実施。愛知県常滑市を訪れ、陶芸家の指導の下、土の採取から野焼きまでを体験しました。今年度の課題は「音の出る道具」で、実際に焼き物に触れて、どんな音が出るのか聞くことができます。

芝浦工業大学 システム理工学部 山㟢一也研究室(建築観光デザイン研究室)では、建築形態獲得手法「カタチについて手で考えるドリル」を実施しました。学生は10×10cmの土台に模型を制作・発表し、身体を通して建築の原点を獲得します。さらに、本展示では実践例として、地域連携プロジェクトも紹介しています。

弘益大学 デザインコンバージェンス学部 + 千葉大学 工学部 総合工学科デザインコースは、日韓の学生が協働し、テキストとグラフィックの融合を意味する「Iconotext」をテーマに、福笑いやだるま落とし、タクチチギ(めんこ遊び)などの伝統的な遊びを再解釈しました。遊びを通じて、言語学習と異文化理解を促す内容となっています。

木更津工業高等専門学校 情報工学科 メディアデザイン実験室(吉澤陽介研究室)では、学生がドットロゴマーク制作または入出力装置製作を選択し、発想からデジタルに至るプロセスと応用作品を展示します。《楽曲と痕跡》は、DTMをモチーフに、各楽器のパートをドットロゴで表現し、それを重ねると一つの楽曲が生まれるという試みです。

慶應義塾大学 環境情報学部 鳴川肇研究室は、鳴川氏自身が考案した、海と陸の面積比を正確に表せる世界地図「オーサグラフ」をテーマに、地理・政治・経済などさまざまな分野の情報を一枚の地図上に重ねて見せるマッピングとインフォグラフィックスの課題に取り組みました。文系・理系それぞれの視点から地理や地政学への理解を深め、その知識をつなげていくことがねらいです。チャイナタウンマップや桜前線など、多種多様なオーサグラフが展示されています。

日本大学 芸術学部 デザイン学科・大学院芸術学研究科 笠井則幸研究室は、「モノの輪郭から見えない線の可視化を試み、新たな視点と視覚デザインを発見する」という課題に取り組んだ作品群を展示しています。アイデアをアウトプットし、新しいアプローチや視点から制作を行うことで表現の幅を広げていくことを目的としています。
学生たちの瑞々しい感性と独自の探求から生まれた試みは、私たちの日常を新しく見つめ直すヒントに満ちています。デザイン教育のリアルな現在地を、ぜひ会場で目撃してみてはいかがでしょうか。
編集部 齊藤
「ゼミ展2026 デザインの学び方を知る」
会期:2026年8月30日(日)〜9月26日(土)11:00~19:00(最終日16:00まで)
会期中無休・入場無料
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ(ミッドタウン・タワー5F)
主催:東京ミッドタウン・デザインハブ(構成機関:公益財団法人日本デザイン振興会、公益社団法人日本グラフィックデザイン協会、多摩美術大学 TUB)
アートディレクション・グラフィックデザイン:粟辻デザイン
会場デザイン:原田圭(DO.DO.)
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.designhub.jp/exhibitions/seminars2026
