東京ミッドタウン・デザインハブでは、8月6日(木)まで「日本のグラフィックデザイン2026」を開催中です。毎年発行される日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)の年鑑『Graphic Design in Japan』の中から、選出された作品が披露されます。今年は、約300点のグラフィックデザインが展示されています。
第28回亀倉雄策賞を受賞したのは、田部井美奈氏が2025年秋に開催した個展「光と図形と、その周辺」における、作品、空間構成、告知ツール、および作品集の一式です。複数のオブジェに光を当て、そこに生まれる反射や影を含めて一つのグラフィックとして扱う試みで、昨秋の個展会場では、来場者が作品と似た写真を撮れるような演出もされました。その様子や作品ポスターが本展で紹介されています。

カテゴリー別に「特に優れたグラフィックデザイン」へ授与されるJAGDA賞2026には、10作品が選出されました。以下写真の左にある、三澤遥氏による「Amid Impasto of Horizons ―積み重なる地平―」は、イッセイ ミヤケのために手がけたプロジェクトです。イタリアの日常の風景から「色」を採集し、美しいインスタレーションにまとめあげました。

会場には、受賞作だけでなく、第一線で活躍するベテランデザイナーたちの仕事も数多く並びます。今回は、過去に六本木未来会議に登場したクリエイターを中心に紹介します。
おかき・あられの専門店「もち吉」による、日本相撲協会100周年記念商品のパッケージは、原研哉氏が手掛けました。力士のイラストと「力」の一文字をあしらった手提げ袋や缶、決まり手をモチーフにしたイラストが印象的です。

21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3で2025年8月に開催された、GOOD GOODS ISSEY MIYAKEによる特別展示「GOOD PRINTER」の告知ポスターは、田中せり氏の作品。プリンターに使われた道具をコラージュしたグラフィックが目を引きます。

絵本作家としても活動する柿木原政広氏による、自作絵本『じゃばじゃじゃーん』も見逃せません。こぼれた牛乳のシルエットが、イルカや船などさまざまなものに見立てられていく写真絵本で、「失敗を前向きに楽しむ」というメッセージが込められています。

女子美術大学大学院・芸術学部・短期大学部による「2024年度卒業制作展/修了制作展」のポスターは松山智一氏が手がけています。鮮烈な赤の縞模様が「24」の数字を立体的に浮かび上がらせるデザインで、若い表現者たちの旅立ちを祝うエネルギーに満ちています。

書籍の装丁を紹介するコーナーでは、葛西薫氏の手掛けた作品群が並んでいます。同氏による数々の装丁が複数展示されており、写真家・上田義彦氏の作品集『From the Hip』や、坂元裕二氏の『片思い世界』の映画戯曲書、陶芸家・樂直入氏の作品集『Black Rock, White Rock』など、ジャンルを横断した仕事の幅広さを実感できます。

ゴディバ ジャパンが2025年5月に立ち上げた新ブランド「Godi Butters'(ゴディバターズ)」のパッケージとグラフィックは、植原亮輔氏と渡邉良重氏によるデザインユニット・KIGIの作品。チョコレートとバターが溶け合う様子をイメージしたアートワークが、紙袋や箱、ポスターまで一貫した世界観で展開されています。

世代もジャンルもさまざまな作品が同じフロアに並ぶのが、この展覧会ならではの面白さです。一枚のポスター、一冊の本など、日常のすぐそばにあるデザインの仕事を、ぜひ会場で間近に堪能してください。
編集部 齊藤
「日本のグラフィックデザイン2026」
会期:2026年6月26日(金)~8月6日(木)
時間:11:00~19:00
入場料:無料
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
主催:東京ミッドタウン・デザインハブ
企画・運営:公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.designhub.jp/exhibitions/gdj2026
