21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3では、2026年5月16日(土)から7月12日(日)まで「ガウディ:未来をひらく窓」が開催中です。アントニ・ガウディの没後100年となる記念すべき節目の年に、創造的で革新的な「ガウディの窓」の魅力を多角的に紹介しています。
ガウディは、独自の建築思想や強い探求心を持ち、建築における「総合」と「調和」の実現を目指した建築家です。彼は既存の建築様式や工法、固定観念にとらわれることなく、生涯を通して多種多様な窓を設計しました。

開幕に先立ち行われたプレス内覧会には、YKK AP株式会社の小野寺哲也氏と菊池彩乃氏、東京工芸大学准教授の山村健氏、パラウ・グエル館長のギジェム・ムンデット・ジェニス氏が登壇しました。ジェニス氏は、「ガウディの窓が、いかに近代的であったか。その知見が現代や未来のデザイナーにとっていかに有用であるかを深く意識させてくれます」と語り、本展の意義を強調しました。

本展は、バルセロナの世界遺産パラウ・グエルで現在開催されているメイン展と同じコンセプトを保ちつつ、独自の構成で展開されています。バルセロナでは展覧会のみならず、カサ・バトリョなど他のガウディ建築群でも関連イベントを実施しています。本展の入り口付近にあるタッチパネルでは、360度バーチャルツアーを通じて現地のメイン展の様子を疑似体験できます。

その向かいでは、エル・カプリチョの上げ下げ窓(ギロチン窓)など、ガウディが設計した多様な開閉形式の窓を、実際に触って体験できます。最新3D技術を用いて40%の縮尺で再現されたカサ・バトリョの木製窓は、換気や採光を緻密にコントロールする環境配慮型のパラメトリックなデザインの先駆けと言われています。

「ステンドグラス デザイン体験」では、コントローラーを操作して、窓の形やスタイル、分割の仕方、そして色彩を自由自在にデザインできます。窓のデザインを変えることで空間全体の雰囲気がどのように変化するのか、楽しく学べるインスタレーションです。

幅16mに及ぶ壁面には、YKK APと東京工芸大学山村健研究室の共同研究成果である「ガウディの窓の系譜図」が展開されています。ガウディ建築の窓デザインを時系列に並べ、構造や環境デザインなどで分類したもので、彼が生涯をかけて探求した革新的な手法の変遷を紐解きます。

会場奥にある、晩年の大作であるサグラダ・ファミリア教会の模型5点も見逃せません。主身廊の高窓や側廊屋根の採光塔など、精巧な模型を間近で観察できます。ガウディは43年もの歳月をかけてこの教会の窓について考え続け、光をいかに美しく取り入れるかを追求しました。その結果たどり着いた複雑な幾何学造形からは、彼の並々ならぬ執念と情熱を感じ取れます。

会場の中心には、半円形のソファが設置されており、天井に投影されるドキュメンタリー映像を鑑賞できます。研究者や専門家、さらにはガウディ建築の建設や保存に現役で携わる当事者たちへのインタビューを通じて、彼の窓デザインの豊かな世界を多角的な視点から深掘りしています。

窓という存在が建築にもたらす深い意味と、その先に開かれる未来の可能性を教えてくれる本展。建築の枠を超えたガウディの独創的なアイデアと、それを現代の視点で読み解く展示の数々を通して、日常にある窓への見方が劇的に変わる特別な体験をぜひ味わってみてください。
編集部 齊藤
「ガウディ:未来をひらく窓」
会期:2026年5月16日(土)~7月12日(日)
休館日:5月26日(火)、6月23日(火)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
開館時間:10:00~19:00
入場料:無料
主催:YKK AP株式会社
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.ykkapglobal.com/ja/satellite/window-future/gaudi/
