TOTOギャラリー・間では、2026年2月15日(日)まで「マリーナ・タバサム・アーキテクツ:People Place Poiesis」展が開催中です。
本展はバングラデシュのダッカを拠点に活動するマリーナ・タバサム・アーキテクツ(MTA)の日本初となる個展であり、彼女たちの作品や、気候変動や社会課題に建築を通じて向き合う活動を、模型や写真を通して紹介します。

プレスカンファレンスに登壇したMTA主宰のマリーナ・タバサム氏は、展覧会のタイトルについて「People(人々)は私たちの創造の中心であり、建築は人々と共に成長するもの。Place(場所)は独自の文化を生むコンテクスト。そしてPoiesis(ポイエーシス)は、古代ギリシャ語で創作のプロセスと結果の両方を意味します」と解説。「地域社会との対話やリサーチを重視し、土地の文脈を探求する私たちの姿勢を込めました」と、背景を説明しました。

3階のGALLERY 1では、バングラデシュの農村部に焦点を当てています。竹と金属のジョイントで組み上げられた精緻な構造模型は、可動式住居クディ・バリのシステムを応用した、ロヒンギャ難民キャンプのためのコミュニティ施設です。単体のユニットを複数連結することで、より大きな空間を生み出します。制約の多い難民キャンプにおいて、柔軟に展開できる建築が必要だったとのことで、入手可能な竹を素材にしたそうです。

中庭で存在感を放つ、可動式住居クディ・バリの実寸大モデル。気候変動による洪水等で土地を追われた人々のために開発された、竹とスチールジョイントによるモジュラー建築です。

今回は特別プログラムとして、日本の建築家・森田一弥氏と京都府立大学の学生が共同で制作した日本版クディ・バリが奥に併設されています。4階のGALLERY 2には、バングラデシュの首都ダッカを中心とした都市部のプロジェクトを展示しています。

バイト・ウル・ロゥフ・モスクは、レンガ積みの壁で光と風を通りやすくする設計で建築されました。バングラデシュなどの亜熱帯気候の中でエアコンに頼らず、自然換気によって快適性を保つ重要性を考えて設計されています。

独立記念塔と独立記念博物館も紹介されていました。ダッカに残された貴重な緑地を守るため、博物館を地下に埋設し、地上を市民のための広場として開放するように設計されました。夜にはガラスの塔が発光し、ダッカの街を照らします。

建築についてだけなく、バングラデシュの風土や人々の営みそのものを体感できる空間となっていました。ぜひ会場でご覧ください。

編集部 野島
「マリーナ・タバサム・アーキテクツ展:People Place Poiesis」
会期:2025年11月21日(金)~2026年2月15日(日)
開館時間:11:00~18:00
休館日:月曜・祝日
入場料:無料
主催:TOTOギャラリー・間
企画:TOTOギャラリー・間運営委員会
特別顧問=安藤忠雄、委員=貝島桃代/平田晃久/セン・クアン/田根剛
協力:京都府立大学 森田一弥研究室
後援:(一社)東京建築士会/(一社)東京都建築士事務所協会/(公社)日本建築家協会関東甲信越支部/(一社)日本建築学会関東支部/(公社)日本建築士会連合会
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://info.jp.toto.com/gallerma/ex251121/index.htm
