21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3で12月5日(金)まで、「壁を装う展 - Wall Covering and Beyond」が開催しています。
サンゲツが主催する本展は、コンテンポラリーデザインスタジオ「we+(ウィープラス)」を迎え、「壁装材」をデザインと文化の視点から再解釈するリサーチプロジェクトの企画展。空間デザインもwe+が手掛けています。

イントロダクションが記載されているのは、サンゲツの中で最も出荷量の多い壁紙 SP2519(通称:19)です。無地の壁紙に額縁があるシンプルなデザインに目を引かれます。

会場内では、古くから壁を形づくってきた素材を石・土・木・紙・織の5つに分類し、現在の壁紙に至るまでの変遷や技術の進化を紐解きます。パネルの形はそれぞれの素材を表しており、パネルにも素材そのもの、もしくはその質感やデザインをモチーフとして生まれた壁紙が使われています。

パネルの裏側には、素材がどのように進化を遂げてきたのか、マインドマップ形式で可視化されています。掲示されている壁紙の現品サンプルは、実際に触って手触りの違いを確かめられます。中には現在は生産を終了している壁紙もあるので、ぜひ体感してみてください。

サンゲツは1960年に初めて壁紙の見本帳を刊行しました。以来、160冊を超える見本帳をこの世に送り出してきたといいます。会場内では、そのアーカイブを系図とともに辿れるコーナーも展開されています。

アーカイブから3冊の見本帳が展示されており、ページをめくって閲覧できるようになっています。ちょっと懐かしい柄や今では見ない素材などがあり、歴史を感じられます。

奥へ進むと、未来の壁紙について紹介されています。自然のサイクルに寄り添う、サステナブルな壁紙の実践例が6種類展示されています。これらはすべて、すでに市場に流通しているとのことです。

炭や樹皮、米のもみ殻など、自然由来の素材が多い中に塩化ビニルがあるのが印象的でした。植物由来のバイオマス素材を一部取り入れることで、化石燃料を少しずつ減らすことが可能になったそうです。
壁紙の過去から現在、そして未来までがギュッと凝縮された本展。身近なものの、あまり知らなかった壁紙の奥深い魅力を再発見する機会となりました。
編集部 齊藤
「壁を装う展 - Wall Covering and Beyond」
会期:2025年11月29日(土)~12月5日(金)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
休館日:会期中無休
開館時間:10:00〜19:00
入場料:無料
主催:株式会社サンゲツ
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.sangetsu.co.jp/information/detail/20251027134832.html
