フジフイルム スクエアでは、9月18日(木)まで「石川直樹写真展『ASCENT OF 14 2001-2024』~8,000メートル峰 14座への旅~」が開催中です。
「14座」とは、ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈にまたがる8,000メートル峰の14の山々のこと。写真家の石川直樹氏は2001年のエベレスト遠征にはじまり、2024年にはついにシシャパンマ登頂により14座の完全登頂を達成しました。
本展では、23年にわたる石川氏のヒマラヤでの旅を、72点の写真群で振り返ります。一見すると写真がただ並んでいるように感じるかもしれませんが、展示パネルの上部にある三角のサイン部分を見れば、山の名前と登頂した順番を確認することができます。
写真は最小で730mm×900mm、最大で1,200mm×1,490mmのサイズで展示されており、その迫力に圧倒されます。
撮影はすべてMamiya7Ⅱとプラウベルマキナ670というフィルムカメラで行われており、望遠レンズやズームレンズは一切使用していないそうです。石川氏が各山々に登頂した際に、実際に見た距離感がそのまま映し出されていることに驚かされます。
会場内では、富士フイルムのカラーリバーサルフィルムのオリジナルを複製し展示しています。ネガフィルムとは違い、フィルムの状態でも色や明るさが確認できるのが特徴です。このほか、シシャパンマを目指した際の動画も上映されています。
8月31日(日)に行われたギャラリートークでは、石川氏本人が本展について解説。今後について問われると「チベットにあるカイラス山に行ってみたいですね。登山は禁止されていますが、麓を一周する巡礼路があって、一度行ってみたかったんです。まだまだ行ってみたい場所、経験したいことがたくさんあるので、死ぬまで歩き続けていきたいです」と語りました。
会場では、新刊『最後の山』を販売中。新世代シェルパの活躍や2度にわたるシシャパンマ遠征について詳しく綴られています。また、大判ヒマラヤ地図ハンカチ、トートバッグなどのグッズも購入できます。
「頭の先からつま先まで使って空っぽになるまで生きた、というここ2、3年の濃密な体験を忘れたくない」という思いで書き綴った書籍と、写真記録の数々。ひとつ一つの作品から、常に死と隣り合わせながら旅を続ける石川氏の緊張感と身体性が伝わってくる展覧会です。是非実際に作品を見て、息づかいを感じとってください。
編集部 齊藤
石川直樹写真展「ASCENT OF 14 2001-2024」~8,000メートル峰 14座への旅~
会期:2025年8月29日(金)~9月18日(木)
開館時間:10:00~19:00(最終日は14:00まで、入館は終了10分前まで)
※会期中無休
会場:FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)内、富士フイルムフォトサロン 東京 スペース1・2・ミニギャラリー
入館料:無料
主催:富士フイルム株式会社
後援:港区教育委員会
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://fujifilmsquare.jp/exhibition/250829_01.html