21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3にて、2025年8月28日(木)まで「GOOD PRINTER」が開催中です。
本展の会期中はギャラリー3がプリント工場に変身。工場を立ち上げたのは、「いいもの」を探求し、遊び心にあふれたプロダクトを提案し続けるGOOD GOODS ISSEY MIYAKE。そして、エンジニア集団nomenaがプリント装置「GOOD PRINTER」の開発を手がけています。
開催に先立って行われたプレビューでは、nomenaとGOOD GOODS ISSEY MIYAKEの企画チームによる展示紹介が行われました。
まず、GOOD GOODS ISSEY MIYAKEのデザインチームが「本会場のようなギャラリーで、人と物との関係を製品ではなく違う形で表現するのは、私たちとしては初めての試みです。プリントには、柄や模様以外に、痕跡や記憶を残すという意味があります。nomenaさんとディスカッションを重ねて、複数の人の時間や場所が有機的に変化し、二度と同じものができない、自然現象に近いプリントを生み出せる装置が誕生しました」と、説明。
続いて、nomenaの武井祥平氏が「『GOOD PRINTER』には、キャスターやボールチェーン、プチプチなど、作業場所にあったものを使用しています。本来は描画とは無縁なものをあえて採用することで、描く行為がより魅力的に見えるよう工夫しました」と、装置のこだわりを明かしました。
会場の設計を担当したDomino Architectsの大野友資氏は「インクをたくさん使うので飛び散ってもいいようにしたい、という要望がありました。養生が必須だったので、いっそ空間すべてを養生してしまおうと。また、nomenaさんのオフィスでも使っているメタルフレームをあえて採用し、布が多い空間のいいアクセントになるように意識しました」と、裏話を語りました。
「GOOD PRINTER」には、ジョイスティックのような装置が3つあり、来場者が自由に操作できます。これを動かすことで、筆先を動かしたり、インクの色を変えたりと、手を加えられます。
布は1日に1回交換されるとのこと。筆先の形状やインクの色は、日によって変わるそうで、バリエーションがアーカイブされていきます。
「GOOD PRINTER」によってプリントされた生地は、今後GOOD GOODS ISSEY MIYAKEのプロダクトに使用され、販売される可能性があるとのこと。
同ブランドのデザインチームは「一般的には完成したものを展示すると思いますが、私たちはまだバッグのデザインをこれから始めるところなんです。生地を作るというプロセスをお見せし、できた生地を見ながら考えていこうと思います」と今後の流れを話しました。
身近なものが唯一無二の模様を生み出していく様子は、まるで小学生の頃に夢中になった工作の時間を思い出させます。ぜひ、会場に足を運んで「GOOD PRINTER」が織りなすアートをその目で確かめてみてください。
編集部 齊藤
「GOOD PRINTER」
会期:2025年8月9日(土)~8月28日(木)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
休館日:火曜日
開館時間:10:00〜19:00
入場料:無料
主催:株式会社イッセイミヤケ
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.isseymiyake.com/blogs/news/18017