六本木エリアのギャラリーを編集部の目線で紹介する「六本木ギャラリー探訪」。今回は、2024年10月26日(土)にオープンした複合施設「KARIMOKU RESEARCH CENTER(カリモクリサーチセンター)」です。
地上2階、地下1階からなる建物一棟をリノベーション。カリモク家具がこれまでのものづくりで培ってきた技術と技能、国産未利用材の有効活用など、カリモク家具のものづくりの背景を堪能できる施設となっています。
空間デザインを担当するのは、徒歩数分の距離にあるKarimoku Commons Tokyoと同じく、芦沢啓治氏。プレスプレビューにて「手すりなどの装飾を丁寧に外していって、丸裸にしてから再構築しました。あえて木材を前面に押し出さず、大きなガラスを取り入れるなど、建物の意思を尊重してリノベーションしました」と、こだわりを明かしました。
それでは1階にあるギャラリースペース「THE ARCHIVE」から見ていきましょう。「Survey=調査」の活動をもとに展示を行う場で、12月26日(木)まで第一弾として『Survey 00 : WOOD "The Age of Wood"』を開催しています。
デンマークのデザインスタジオ Christian+Jadeをゲストリサーチャーに迎え、日本の森林の中でも特に岐阜地区の森でのフィールドワークで得た気づきと、日本の多種多様な樹種が持つ美しさや複雑さを実体化した11点のオブジェクトを展示しています。
展示室に入って左手には、63種類もの木材が図書館のように並びます。トレイの上にあるのは、木の板と種子、葉。気になったものは、トレイごと下ろして観察できます。
このほか木の湿気や日光による日焼け、経年劣化など、通常はネガティブに捉えられる特性に着目した作品も展開されています。
2階にあるのは、ライブラリースペース「THE MATERIALS LAB」。カリモク家具がこれまで製作してきた家具のアーカイブや、試験的に作られたカラー見本や加工見本などに触れられる空間となっています。
中には、工場で使われたメモ書きも。現場の雰囲気を細部まで体感できるので、これをきっかけに新たなアイデアが生まれるかも? 展示品は定期的に更新される予定です。
地下1階には、多目的スペース「THE STUDY」があります。
大型スクリーンと全幅3.5mの大型キッチンが備え付けられており、普段はラウンジとして使用される予定です。そしてセミナーを行う際には、約60名を収容でき、200型のスクリーンを使ったプレゼンが可能となっています。
「Survey」活動は年間4つのテーマを設ける予定で、テーマごとに国内外のクリエイターやデザイナー、アーティスト、企業と共創していくといいます。今後の動きにも目が離せません。
編集部 齊藤
「KARIMOKU RESEARCH CENTER」
住所:東京都港区西麻布2丁目24-2
営業時間:11:00~20:00
アクセス:東京メトロ表参道駅 A5番出口より徒歩10分
営業時間:12:00~18:00
定休:不定休
協賛:Dynaudio A/S
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.karimoku-research.com/jp