東京ミッドタウン・デザインハブでは、9月3日(火)から9月13日(金)まで、特別展「FINOPINAS The Finest of Philippine Art and Design」が開催されていました。
本展はMs. Dita Angara Mathay商務参事官が主導となり、フィリピン共和国大使館貿易投資部(PTIC Tokyo)が企画した展示会。「フィリピンと日本のコラボレーション」を最も重要なコンセプトに置き、デザイン・イノベーション・持続可能性の調和を背景とした、フィリピンのこれからを感じさせるアーティスト、デザイナー、中小企業メーカーによるビジュアルアート作品のほか、アパレル、家具、インテリアなどのライフスタイル製品が並びます。
まず出迎えてくれるのは、フィリピンの現代アーティストたちによるビジュアルアート作品。パキっとした明るい色を使うなど華やかさが感じられる一方で、死を連想させるようなモチーフもあり、その対照的な要素の融合が印象的です。キャンバスを飛び出さんばかりの強いエネルギーを感じました。
続いて、気鋭のデザイナーやブランドが手掛けたアパレル製品が展示された空間が広がります。未来志向でモダンなデザインもあれば、手織りや刺繍、パイナップルなどの天然染料にこだわった、どこか懐かしさを感じさせるアイテムもありました。
一年を通して温暖な気候のフィリピンならではの、見た目にも涼しげで着心地のよさそうなアイテムを発見。近年は日本も暑さが厳しくなっているため、来年の夏はこのようなファッションにも挑戦してみようかな、そんなワクワクした気分になります。
インテリアやハウスウェアのコーナーでも、メーカーがこだわりや信念をもって作った個性の光るプロダクトが並びます。「伝統と現代的なデザインの融合」をテーマにしたThat One Pieceのランプシェードには、地元産の素材が使用されており、温かな光を灯します。
ファインポーセリンとボーンチャイナを使用したスリップキャスティング(鋳込み成形法)を採用して手作りされた花瓶は、CMS自慢の品。ヒダ状のエレガントなデザイン、小さくてコロンとした可愛らしいデザイン、どれもシンプルながら目を引きます。
首に飾るだけで、なんでもない日を特別な一日にしてくれそうな存在感抜群のネックレスは、Agsam Fernのもの。野性のシダ植物であるアグサムを使用したユニークなコレクションを提供しているブランドで、地元の職人とフィリピン織物の伝統を守りながら、斬新なアイテムを制作しています。
こちらは、高級ハンドバッグブランドCalliのアイテム。天然素材の使用と地域社会の支援に重点を置いたブランドです。リゾートやパーティシーンにぴったりの華やかな商品が多いですが、Tシャツにジーパンのようなラフなスタイルのポイントとして使っても、コーディネートを格上げしてくれそうです。
珍しい模様や絵がプリントされた封筒は、Paperboundのもの。もともとは小さな印刷店だったPaperboundは、経営不振に陥ったことでクリエイティブの道に進むことを決断し、ギフト包装やカードの印刷をはじめたそうです。
ちょっとした手紙やお年玉を入れるミニ封筒として使うと、渡した相手にいつもより喜ばれそうです。
フィリピンの家具は、空間にナチュラルに馴染むのに、それでいて存在感があります。展示されていた家具ブランドのひとつ、Tiboa Bay Livingは、美しいビーチのあるサンバレス州トリボア湾で生まれたブランド。家族が休暇を過ごす楽園の美しさと落ち着いた風景にインスピレーションを受けて、家具のデザインに落とし込んでいるそうです。
展示会場の一番奥には、再びビジュアルアート作品が並びます。最初に出迎えてくれたものも含め、展示されていた作品はすべて2024年の新作。フィリピンの現代アーティストたちのパワーを感じます。
フィリピンならではのサスティナブルなライフスタイルを知ることができた本展。その裏には、母国への深い愛情が感じられました。展示されていたアイテムのなかには、オンラインショップで手に入る商品もあるので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
編集部 尾原
デザインハブ特別展「FINOPINAS The Finest of Philippine Art and Design」
会期:2024年9月3日(火)~9月13日(金)
時間:11:00~19:00
会期中無休・入場無料
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
主催:フィリピン共和国大使館 貿易投資部
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.designhub.jp/exhibitions/finopinas2024