4月13日(土)まで、タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルムで写真家・森山大道氏の個展「森山大道|Vintage prints from the 80's」が開催中です。同ギャラリーでは4年ぶり19回目の個展で、1980年代に制作されたヴィンテージ・プリント18点が並びます。
森山氏といえば、「アレ・ブレ・ボケ」。荒れた粒子や焦点がブレた不鮮明な画面、ノーファインダーによる傾いた構図を特徴とした表現方法です。
その頂点を極めた1970年代、森山氏はスランプに陥ります。そんなとき、白夜書房から出版されていた雑誌『写真時代』の編集長・末井昭氏に声を掛けられ、1981年に「光と影」という連載を始めます。
自動車や街にある看板、帽子をはじめとする日用品など、日常的なものを捉えた作品たちは、翌年に同名の写真集として出版。日本写真協会年度賞を受賞しました。
「光と影」というタイトルの通り、光と影が白と黒の階調に置き換えられたモノクロの写真たち。身の回りにあるものであるはずなのに、どこかシャープで洗練された印象を受けます。
ギャラリー内では、森山氏の写真集を見ることもできます。中でもフォト・エッセイ「犬の記憶」は、1982年から1983年にかけて『アサヒカメラ』で連載されたシリーズ。本展では「犬の記憶」からもいくつか作品が展示されています。
森山氏が写真家として活躍する中で、ひとつのターニングポイントとなった1980年代の作品群を、ぜひこの機会に鑑賞してはいかがでしょうか。
編集部 齊藤
「森山大道|Vintage prints from the 80's」
会期:2024年3月16日(土)~4月13日(土)
時間:12:00~19:00
定休日:日曜日・月曜日・祝日
会場:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルム
住所:〒106-0032 東京都港区六本木 5-17-1 AXISビル2F
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.takaishiigallery.com/jp/archives/31940/