六本木未来会議に登場したクリエイターのみなさまが「クリエイションのスイッチを押してくれる一冊」として推薦してくれた本を紹介しています。紹介した本は、東京ミッドタウン・デザインハブのインターナショナル・デザイン・リエゾンセンター内で不定期開室されているリエゾンセンター・ライブラリーにてお読みいただけます。今回は太刀川英輔さんが選んだ『進化思考――生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」』(著:太刀川英輔/海士の風)。
太刀川英輔さんのコメント
自著で恐縮ですが、創造的になりたいと思う人にぜひ読んで欲しい本です。素晴らしい進化生物学者に監修に入ってもらい、今、改訂版をつくっている最中です。改訂版では生物が偶然の変異と必然的な選択を繰り返して、だんだん適応に向かうという点をより明確化しつつ、生態系の観察の手法について少し難解だった部分をクリアにしたり、より実践的に役立つ本を目指しています。もともと創造性を深掘っていくつもりが、その根拠を探す中で、進化学や文化人類学などに広がっていってしまいました。「ピラミッドをつくった人もこの思考法をもっていたんだ」「レオナルド・ダ・ヴィンチもやっていたのか!」と、執筆する中で先人たちに出会い直すきっかけになった本でもあります。自然科学的にモノを見ることの大切さに、改めて気づいたとも言えます。
太刀川さんが提唱する、何百万年もの時間を重ねてきた生物の進化のように、変異と適応というふたつのプロセスを繰り返すことで、本来、誰の中にもある創造性を発揮するための思考法。本書は日本を代表する学術賞のひとつ「第30回山本七平賞」を受賞した。
クリエイティブ集団「graf」を率いる服部滋樹さんへのクリエイターインタビューをきっかけに実現した、「六本木未来会議BOOKキャラバン by 服部滋樹」のプロジェクトレポートも公開中。併せてお読みください。
太刀川英輔さんのインタビューはこちら
クリエイターインタビュー #150
太刀川英輔(デザインストラテジスト)
https://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/150_01/